クリーンインストール自体は、特に迷うことなく作業は終わる。面倒なのは、Windows 8 Proの導入作業後だ。OSの導入が終わってデバイスマネージャーをみると“はてな”アイコンをつけたデバイスが見つかるはずだ。UltraNavのドライバやWebカメラの制御などのドライバは導入しておらず、また、正常に見えるデバイスでも、サウンド周りは汎用ドライバを適用している。ThinkPad Vantageをはじめとする、Lenovoオリジナルのユーティリティもない。
これらのドライバとユーティリティを入手する先が、すでに紹介したレノボ・ジャパンのWebページで用意するThinkPad X1 Carbonの型番ごとに用意したサポートWebページのダウンロードサービスだ。その項目は、「BIOS」「Bluetooth」「ThinkVantageテクノロジー」「オーディオ」「カメラとカードリーダー」「コア・チップセット」「ストレージ」「ソフトウェア」……、うぁー、とにかく多岐にわたる。多岐にわたるだけに「うぇー、ちょっと面倒ですよー」となって、手付かずになる気持ちも分かる! 分かるんだけれども! 少なくても、UltraNavのドライバだけは導入しておきたい。これがないと、「キー入力中にタッチパッドが誤認識して、カーソルがいきなり変なところに飛んでいってしまう!」のを回避するためにタッチパッドを無効にしたいと思っても、マウス設定に「UltraNav」のタブが出てこないので手も足もだせない。“マウスとキーボード”から「UltraNavドライバー」をダウンロードして適用すれば、ようやくタブが現れて、タッチパッドを無効にできる。
このほか、有線LANを利用するためにオプションのUSB 2.0イーサネットアダプタを利用している場合にも“ネットワーキング:イーサネット”から、ソフトウェアをダウンロードしてインストールするなど、レノボが用意するオリジナルの周辺機器やデバイスを利用する場合は、ここからドライバとユーティリティを入手する必要がある。また、インテルのドライバでも、例えば、“コア・チップセット”にあるスマート コネクト テクノロジー 3.0や、マネジメントエンジンのファームウェアはユーザーが“手動”で導入することになる。
このように、「面倒」と思っても避けて通れない「後からドライバ」の導入作業だが、“難しい”ことではない。「とはいっても、必要なドライバを1つ1つダウンロードするのは時間がかかりますよ」というユーザーのために、このWebページには、必要なドライバをリストに登録して、後からまとめてダウンロードする「マイ・ダウンロード・リスト」機能を用意している。いったんアクセスを切ってもリストは残るので、時間が足りないときでも、登録だけしておいて、あとからまとめてダウンロードできる。
「いやー、時間がかかったけれど、か〜ぼんでWindows 8が使えるようになったね」
「でも、社内システムはWindows 8にまだ対応していないんじゃないの?」
「どっきぃぃぃぃぃっ」
「よーし、これで“後からドライバが面倒なの”なんていわれても大丈夫大丈夫」とここまで書いて記事を掲載した直後のこと。
「どうして“ThinkVantage System Update”を使わないのでしょうか?」
「どっきぃぃぃぃぃっ」
そうだったー! そういう便利なユーティリティがあったー。これを使えば、ThinkPadのオリジナル周辺機器からユーティリティ、さらには、BIOSまで一気呵成で導入できる。これはもう、素直に謝ります。ごめんなさい。教えていただいた読者のみなさん、ありがとう。
ということで、先ほどの「ThinkPad X1 Carbon 3443-4LJ」サポートページにあるダウンロードリストから「ThinkVantage テクノロジー」>「ThinkVantage システム アップデート 5.01 Windows 8(32bit, 64bit), 7(32bit, 64bit)」を導入する。ThinkVangate System Updateが起動すれば、あとは、ウィザードに従って作業を進めるだけだ。
なお、サポートページにある「ThinkVangate System Update」のリンクからアクセスできるWebページでは、Windows 8に対応した「バージョン5.01」が入手できない。このバージョンは、型番指定後にアクセスできるダウンロードリストの「ThinkVangateテクノロジー」の項目にしかないので、注意したい。
いったん、ThinkVantage System Updateを走らせたら、あとの作業は楽に進む。プログラムがPCに適用しているドライバやユーティリティの内容とバージョンをチェックしたら、ネットワークにアクセスしてその型番に適合するドライバと最新のユーティリティの有無を参照した上で、導入が必要なドライバとユーティリティのリストを示してくれる。ユーザーが、リストを内容を確認してクリックすると、ドライバとユーティリティをダウンロードして導入、最後にはBIOSのアップデートまで自動で行ってくれる。なんて簡単なんだー。ちなみに、最初にダウンロードするファイルの容量はあわせて270Mバイト強。ちょっと時間がかかるので、それだけ注意してほしい。
今回評価している環境では、Windows 8を導入したままの状態でThinkVantage System Updateはうまく起動しなかった。バックグランドに入ったまま待機になってしまう。このような症状に出くわしたユーザーは、Windows Updateを適用して最新の状態にしてからThinkVangate System Updateを起動するのが無難だ。
また、ThinkVantage System Updateを実行したあとでも、「不明なデバイス」が残る場合がある。これは、“コア・チップセット”から入手できる「Intel スマート コネクト テクノロジー (iSCT) 3.0 (Windows 8 32bit, 64bit/ 7 32bit, 64bit)」を導入することで解消する。このドライバだけは、先ほど説明したダウンロードリストから自分で入手して手動で作業することになる。とはいえ、これだけで済むのだから、ThinkVantage System Updateを使えば、クリーンインストールも苦にならない、はずだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.