「IdeaTab A2109A」で知る“9型タブレット”の使いやすさこれは微妙にちょうどいい(2/3 ページ)

» 2012年12月14日 12時25分 公開
[林.佑樹(撮影:矢野渉),ITmedia]

ものすごく持ちやすく、重さを感じにくい本体形状

 使いやすさに直結する「本体の持ちやすさ」で、IdeaTab A2109Aで採用した六角形の側面形状が生きてくる。手に持ったとき、ちょうど指が角が引っかかるようになっているほか、丸みを帯びた本体の角と、ラウンドフォルムを取り入れた背面形状のおかげで、本体を持った手の収まりがとてもいい。本体を“無理に”薄くするのではなく、“ほどよく”薄くしているおかげで、この「本体の持ちやすさ」が実現したといってもいい。むしろ、これ以上薄くすると逆に持ちにくく感じるユーザーが多いはずだ。

 本体搭載のインタフェースは、真正面から見ても確認できるようになっている。本体上部に電源ボタン、本体右側面にmicro USB、Mini HDMI、左側面にヘッドフォンジャックと画面回転ロックスイッチ、ボリュームスイッチをそれぞれ備える。本体正面には、130万画素インカメラ、本体背面には300万画素アウトカメラ、ステレオスピーカーを用意している。また、本体背面のパネルを外すとmicro USBスロットにアクセスできる。

本体上部には電源ボタンを用意し(写真=左)、下部にはインタフェースを設けていない(写真=右)

左側面は、micro USBとMini HDMIを搭載し(写真=左)、右側面にはヘッドフォン端子と画面回転ロックスイッチ、音量調整ボタンを用意する(写真=右)

背面上部のカバーを外すとステレオスピーカー(写真=左)と、micro SDカードスロットにアクセスできる(写真=右)

 また、重心が背面にある“Lenovo”ロゴの少し下になっているのも、本体の持ちやすさに貢献している。重心がセンターを射ぬいていないのは意外だが、横画面使用時に本体を持ってみると、テコの原理が作用しにくく重く感じにくい。そのため、片手持ちでもそれほど苦痛ではなく、ソファに寝転がって“ダラダラ使う”状態でも快適だった。一方、このサイズのタブレットデバイスを縦画面で使用する場合は、本体の端を持つケースが少なく、中央寄りを持つことが多いので、横画面時と同様に、テコの原理で重く感じることは少ない。ともあれ、スペックで横並びになりがちなタブレットデバイスで、「ユーザーの使いやすさ」を重視した設計を行っていることは、高く評価したいポイントだ。

“9型ワイド”タブレットデバイスが生きる場面とは?

 IdeaTab A2109Aは、とにかく9型ワイド液晶ディスプレイを搭載したところに個性がある。9.7型ではなく9型ワイド。7型ワイドではなく9型ワイド。9.7型といえばiPadで、「モバイル利用というよりは、自宅やオフィスで使うのに適した大きさ」と認識するユーザーも多い。それに対して、7型ワイドは、自宅やオフィスといった屋内利用に加えてモバイル需要も強く、電車の中でも使っているユーザーを見かける機会が多くなっている。

 では、9型ワイドはどうなのだろうか。9.7型(そして、10.1型)と7型の間というのは、ノートPCでいえば、14型や13.3型に近い。自宅やオフィスでの運用を中心として、都合によって携帯利用も無理なくできる……、そんな立ち位置が見えてくる。

 自宅やオフィスで使う場合は、スタンドに立ててサブディスプレイとして運用したり、手にもって動画鑑賞やWebブラウズに使うのがまず考えられる。大きすぎず重すぎずの本体サイズのおかげで、寝転がって使い続けてもつらくならない。そのまま部屋を移動するときも邪魔にならず。もちろん、画面サイズが大きいおかげで、画面表示を複数のユーザーに見せる場合も都合がいいし、平らな場所において共有することも無理はない。

 屋外に持ち出してみると、重さ約570グラムは小さいカバンよりも軽く、本体のサイズは、そのままカフェで打ち合わせという場合もテーブルで邪魔にならない。カバンに入れるアクションでは、10型前後級のタブレットデバイスよりコンパクトなので、書類と書類のすき間といった空きスペースにも押し込みやすい。普段持ち歩く大型手帳(ほぼ7型ディスプレイに相当するサイズ)を入れたときに、余剰スペースがあるならば、IdeaTab A2109Aは、すんなりと入ってしまう。

 IdeaTab A2109Aが搭載するカメラは、インカメラが130万画素、アウトカメラが300万画素で、きれいな画質で“作品にしたい”撮影というよりは、メモ用に使うカメラだ。資料やレシートを撮影してデジタル化したり、ビデオ通話用に使うのに適している。アウトカメラは、発色もよくシャープだが、ホワイトバランスは少し甘い。インカメラは、オートホワイトバランスのチューニングがきわめて甘く、蛍光灯下では青白くなった。ただ、手動でホワイトバランスの変更ができるので、インカメラを使うときは調整する必要ありと覚えておくといい。

アウトカメラで色鉛筆を撮影した。光源はハロゲンライト。オートホワイトバランスが適切であれば、背景は白くなるハズだが、やや色温度が高い結果になっている。各色の再現度は高いため、気になる場合は、ホワイトバランスを手動調整するといい(写真=左)。インカメラの撮影画像。ホワイトバランスを蛍光灯にした。この場合は、とても綺麗に色が出ている。オートホワイトバランスは良好ではなかったので、アップデートで対応するまでは要手動調整(写真=右)。なお、掲載画像はサイズを縮小しているので画質の参考として利用していただきたい

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