美しい液晶と強力なGPUを搭載した15.6型ゲーミングノートPC「NEXTGEAR-NOTE i770SA1」オレはデスクトップをやめるぞッ(2/2 ページ)

» 2013年01月10日 11時57分 公開
[小川夏樹(撮影:矢野渉),ITmedia]
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「Core i7-3630QM」と「GeForce GTX 670MX」を組み合わせた高性能なシステムを採用、ストレージはSSD+HDDで速度と大容量を両立

CPUはIvyBridge世代のCore i7-3630QM(2.40GHz)だ。4コアでHyper-Threadingによって8スレッドの同時実行が可能。4コア駆動の標準クロックは2.4GHz、TurboBoost時は3.4GHzで動作する

 i770SA1に搭載されるCPUは、Ivy Bridge世代のCore i7-3630QM(2.4GHz)。物理コア数は4、Hyper-Threadingによって8スレッドの同時処理が行える高性能なCPUだ。4コア動作時の標準クロックは2.4GHzだが、Turbo Boostによるクロックアップでは、1コア動作時に最高3.4GHzまでクロックが跳ね上がる。ラインアップには、Core i7-3740QM(2.7GHz)やCore i7-3840QM(2.8GHz)といった、より高速なCPUを搭載する上位モデルも選べるが、Core i7-3630QM(2.4GHz)でも不満は感じないだろう。

 メインメモリは、標準で4Gバイト容量のSO-DIMMモジュール(PC3-10600)が2枚差さっている(デュアルチャネル動作)。最大メモリ容量は32Gバイトで、2基の空きスロットを含む4基全部に8Gバイトモジュールを搭載可能だ。もっとも、将来的に8Gバイト2枚を追加で増設して24Gバイトまで拡張すれば十分。

 なお、今回の評価機が搭載していたOSは、64ビット版のWindows 8だ。これ以外にWindows 8 Proや、64ビット版Windows 7 Home Premiumを選ぶこともできる。後述する理由から、主用途に3Dゲームを考えているのなら、64ビット版Windows 7 Home Premiumを選ぶほうがいいかもしれない。

主要なパーツには底面から簡単にアクセスできる。CPUとGPUそれぞれからヒートパイプが伸び、2つのファンによって強力に冷却している。2.5型ドライブはデータ用にHDDが搭載されている

 i770SA1の起動ドライブはSSDだ。ただし、2.5型ベイに搭載されるのではなく、mSATAスロットに装着されている。2.5型ベイには500Gバイト容量のHDD(5400回転)が搭載されており、性能と容量を両立したストレージ構成だ。なお、HDD容量はBTOオプションで1Tバイトに変更しても5000円程度の上乗せですむ。

 チップセットは、Intel HM77 Expressで、CPU内蔵グラフィックス機能(IGP)のIntel HD Graphics 4000が有効になっている。内蔵グラフィックス以外に別途外部グラフィックスとしてNVIDIAのGeForce GTX 670MX(グラフィックスメモリは3Gバイト)を搭載している。このGPUは、NVIDIAのGPU切り替え技術(Optimus)に対応しており、Intel HD Graphics 4000による描画をメインとし、パフォーマンスが必要なときは外部GPUのGeForce GTX 670MXにシームレスに切り替わるようになっている。

 Optimusテクノロジーではアプリケーションごとに内蔵グラフィックス動作と外部GPU動作を個別に指定できるようになっている。バージョンが上がるにつれてドライバ側で自動的にどのGPUで動かすか判別してくれるようになってきているので特に気にする必要はないだろう。ただし、搭載するOSがWindows 8の場合、この切り替えがうまく行かないことがあるようだ。

高いレベルのパフォーマンスで性能的な不満はないものの

Windows7のエクスペリエンスインデックスの結果。プロセッサが7.8、メモリで7.8、プライマリハードディスクはSSDなので7.9と高いスコアだ。一方、Windows Aeroのデスクトップパフォーマンスと3Dビジネスおよびゲーム用グラフィックスパフォーマンスは6.9にとどまった

 それではi770SA1のパフォーマンスを各種ベンチマークで検証して行こう。まずはWindows 8のエクスペリエンスインデックスから見てみる。プロセッサの7.8、メモリが7.8、SSDであるプライマリーハードディスクが7.8と高いスコアになっている。一方でWindows Aeroのデスクトップパフォーマンスと3Dビジネスおよびゲーム用グラフィックスパフォーマンスが6.8と低い。どうもCPU内蔵グラフィックスであるIntel HD Graphics 4000だけを認識しているため、このスコアになったと思われる。

 この内蔵のIGPだけが利用され、外部GPUであるGeForce GTX 670MXが利用されないという現象は、FINAL FANTASY XIV Official Benchmark、FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3のゲーム系のベンチマーク実行時にも出てしまい、NVIDIAコントロールパネルで手動でGeForce GTX 670MXを指定してもスコアが低いままという状況になった。今回掲載している各種ベンチマークでも、もしかするとIGPによるスコア低下の可能性があるかもしれない点にご留意いただきたい。ゲーム系以外のベンチマークでは、無難と思われる数値が出ているのでGeForce GTX 670MXが利用されていると考えていいだろう。今回計測したのはPCMark 7、3DMark06、3DMark Vantage、3DMark 11といった定番のベンチマークソフトだ。

左がPCMark 7、右が3DMark06(1920×1080ドット)の結果

左が3DMark Vantage(1920×1080ドット)、右が3DMark11の結果

 ベンチマークの結果は上に掲載したグラフの通りだ。マルチスレッド対応のCPU性能で差が出るベンチマークテスト(PCMark 7のCreativity scoreなど)でも4コア8スレッド動作のおかげで十分なパフォーマンスを発揮している。

 ただし、OSにWindows 8を選んでしまうと、ゲームによってはGeForce GTX 670MXが選ばれずに内蔵GPIUのIntel HD Graphics 4000が利用されてしまうことが考えられる。とはいってもコマ落ちのひどい紙芝居状態なわけではなく、FINAL FANTASY XIV Official Benchmarkのスコア(Lowで4639)を見る限り、それなりに動作はするはずだ。

 おそらくこうした問題はいずれグラフィックスドライバの修正で解消されるだろう。ただ、主用途がゲームであれば、最初はWindows 7 Home Premiumモデルを購入しておくほうがいいかもしれない。購入と同時にWindows 8へのアップグレードを申し込めば、将来的にWindows 8へ安価に乗り換えられる。Windows 7とWindows 8の両方を使えるなら1200円は安い投資だろう。

 i770SA1の価格は、標準構成で12万円を切る11万9800円からとなっている。デスクトップPCに引けを取らない4コアCPUに、高い色再現性を持つフルHD液晶ディスプレイ、高性能なグラフィックス、そしてSSDの採用による快適な操作性を考えれば、高い買い物ではないだろう。3Dゲームだけでなく、マルチメディア関連全般の編集作業をするにもオススメできるモデルだ。


マウスコンピューター/G-Tune
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