中古ではありません。「NECリフレッシュPC」です──国内メーカーが取り組むとPCリユースはこうなるただの中古とは違う(1/2 ページ)

» 2013年02月15日 11時30分 公開
[岩城俊介,ITmedia]

安心の中古PC──「NECリフレッシュPC」は“ここ”が違う

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 「中古PC」にどんな印象があるだろう。

 日用品化が進むPCは、新品でも数万円ほどで十分なニーズを満たすモデルも増えており、個人の「PC購入予算」は昔より確実に低くなっている。ただし、スマートデバイスの普及とインターネットを軸にした機器活用ニーズの変化により、「PCを買うならば」と初期コストは最重視しつつその内容にこだわる人も決して少なくはない。中古PCはそんなニーズを満たす購買手段の1つである。

 NECパーソナルコンピュータは2月14日、同社製PCをリユースする「NECリフレッシュPC」のサービス・事業拠点を公開。なぜリフレッシュ(中古)PCなのか、他社とはどこが違うのか、ユーザーに対してどんなメリットがあるか、そして「より高く売るコツ」「より安く買うコツ」を説明した。

 「NECのPCは、買って長く使っていただけるのはもちろんだが、実は使用後の“買い取り”の選択肢も提供している。正確には、購入前相談から使用済み処理まで、一貫した安心のユーザーサポートを設けているのが、他社──とくに低価格で提供する海外メーカー製PCとは大きく違うところ。長年積み重ねたノウハウもあるので、おそらくすぐにはマネできないと思う。また、PCを長寿命化させることで廃棄物発生の抑制でき、かつリユースによる製造段階省略によりCO2排出抑制にも寄与するなど、環境負荷の低減の取り組みにもつながる。NEC製PCは、“買って安心、買い換える時も安心”であることを、リフレッシュPCの取り組みによっても強くアピールしたい」(NECパーソナルコンピュータ 保守サポート事業部の土屋晃事業部長)


photo NEC群馬事業場で再生され、NECリフレッシュPCとして再出荷される

 NECパーソナルコンピュータは東京都品川区の本社と山形県米沢市の米沢事業場を企画・開発・製造拠点に、群馬県太田市の群馬事業場を保守サポート拠点に据え、リフレッシュPC事業は群馬事業場が担う。NECのリフレッシュPC事業、実はかなり昔から事業を展開おり、サービス開始は2003年7月。2013年1月で「開始10周年」を迎えた。

 NECリフレッシュPCは、NEC製PC利用者より使用済み機を買い取り、データ完全消去、OSやソフトウェアの再インストール、清掃、添付媒体の再作成、梱包し再出荷する仕組み。「初期出荷時に(可能な限り)戻す+もちろん保証付きで新品と同じサポートが受けられる、が基本。現状販売となる中古ショップでの販売形態とは、この点で“より安心”であると、自信を持ってアピールできる」(NECパーソナルコンピュータ 保守サポート事業部東日本テクニカルセンターの星野敬正センター長)


photophoto リフレッシュPCは、診断から出荷まで再生プロセスを統合管理する「リユースシステム」により再生される。「製造番号から製造時より一元管理できているのが“ならでは”。安心してお売りしていただき、かつ使っていただけるよう、ほぼ完ぺきにリユースするのがNECリフレッシュPCの特長。“安心感”が大きく違います」(NECパーソナルコンピュータの星野センター長)

 一般的に使用済みPCの売却においては、

  • 買い取り価格が不安(買いたたかれたりしないか)
  • 箱など、購入時よりすでに紛失しているものがある
  • 店頭まで持ち込むのが大変
  • PC本体や買い取り申込時情報などから個人情報が漏れたりはしないか

 などが不安要素として浮上する。

 まずは買い取り価格について。NECリフレッシュPCは、新品製造拠点のNEC米沢事業場の個体別製造管理情報ともリンクした「リユースシステム」により、診断・査定・再生検査・出荷まで作業指示や情報を統合管理する仕組み。このシステムを用い、誰がやっても同様の査定ができる体制を整えている。

 “ある個体”の出荷時仕様はどんな構成で、いつ製造のものか、付属品は何かといった情報をNEC米沢事業場のデータベースより、合わせて、都度更新・管理する買い取り上限価格データを独自リユースシステムのデータベースにて参照し、きちんと動作するか、部品欠品はないか、本体にキズはないかなど表示される項目に沿ってチェックして査定する。例えば買い取り上限額4万円と設定されているLaVie Lに対し、付属マウスがないのでマイナス1000円、Officeのインストールメディアがないのでマイナス1万円、ボディに“どの程度”のキズが付いているので上限額より8%減といった感じだ。

photophoto 買い取り上限額は日々推移する。2年から3年経過でグッと落ちる傾向、さらにノートPCよりデスクトップPCが下落幅が大きくなる傾向がある。NECでは[リユースシステム」により個体それぞれの現時点買い取り上限額、添付品の種類といった査定メニューを統合表示することで、誰がやっても同様の公平な査定ができるようになっている

 最低額が下がってしまう大きな要因は、「部品や付属品の欠品(特にOfficeのインストールメディア、ワイヤレスキーボード/マウスなど)」と「キズ」だという。逆に、購入時の梱包箱がなくても査定には影響しない。買い取りは修理時と同じ“銀ばこ”と呼ばれるPC梱包専用の箱を持ってユーザー宅へ引き取りに出向く体制としており、再生完了後はリフレッシュPC専用の新品梱包箱で出荷する仕組みのためだ。

 主観的な評価となりがちな本体キズは、過去の事例をもとにS、A、B、C、Dと5段階にランク付けし、それぞれ上限額より何%減という評価軸になる。ただ、同社評価でかなりキズがある──とされたD評価の個体は、天板を交換し、“新品同様(修理済み)”に再生して出荷するというので、購入側としてはこの点も安心。「8時間修理」の迅速さを特長とする修理拠点でもある群馬事業場ならではの利点が生かされている。

photophotophoto ボディのキズは意外と査定にひびく。写真=中央のキズはランクDとのことで、ここまでのキズがある天板を新品に交換・修理して再生する(つまり、これほどまでのキズがあるNECリフレッシュPCはほぼ存在しない。購入時は安心だ──ということだ)
photophotophoto 「高く買い取ってもらえる」4つのポイントは、(1)上限価格をチェックする (2)キズをつけない、たばこもNG (3)添付品はすべて保管しておく (4)改造NG だそうです

 ちなみに、上限価格は時が経過するほど下がっていくが、発売より2年から3年経過を境に急落する傾向がある。特にノートPCよりデスクトップPCが顕著に下がるという。この傾向を考えると、2〜3年前だが現在も通用するパフォーマンスを備える当時のハイエンドモデル──例えば“地デジ機能ほぼ全部入り仕様”の「VALUESTAR W」シリーズなどがかなりお得なのではとのことである。


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