前回は「Surface RT」が標準搭載しているオフィススイート「Office 2013 RT」を利用する際の注意点を確認した。iOS/Android搭載端末と比較し、Officeを満足に使えるのはWindowsタブレットの大きなメリットだ。Surface RTは長文入力に有利なオプションのType Coverもあるので、使いやすさへの期待は高まる。
それでは実際に、Suface RTで文書やプレゼンテーションを作成してみよう。今回は細かい作業にも対応できるように、オプションのType Coverに加えてマイクロソフトのBluetoothマウス「Wedge Touch Mouse」を導入した。
オフィスソフトの中で、筆者が最も期待していたのはPowerPointだ。というのも、WordやExcelと比べて、PowerPointは他のOffice互換アプリとの互換性が低く、表示崩れや機能の制限で、Android端末やiOS端末では編集はおろか閲覧すら満足に行えなかったためだ。
PowerPoint 2013 RTでは、起動するとまずテンプレート一覧が表示される。種類はざっと20以上あり、各テンプレートのプレビューも分かりやすい。スライドのデザインを選択し、テンプレート通りに文字を埋め込んでいくだけならば(多少面倒ではあるが)タッチ操作のみでも資料は作れそうだ。
一方で、ワードアートや吹き出しといった要素を入れるとなると、やはりマウスがほしくなる。細かな図表の配置ともなればタッチ操作では歯が立たず、タッチパッドでも微調整は難しい。Wedge Touch Mouseは機能を絞ったシンプルな2ボタンマウスではあるが、資料を作るときはこれくらいのマウスで十分といえる。
Office 2013 (RT版も含む)では「タッチモード」「マウスモード」という2種類の画面モードを用意しており、切り替えは画面上部のアイコンで行う。タッチモードでは各メニューボタンやリボンの各アイコンがマウスモードのときより大きくなる。これはタッチでの誤操作を防ぐための機能ではあるが、一般的なノートPCよりも画面が小さいSurface RTの場合、マウスを使う場合でもタッチモードの方が使いやすいと感じた。
メニューが大きくて分かりやすいため、アニメーションも簡単に付加できる。アニメーションを加えてスライドショーを行ってみたが、アニメーションの動きも滑らかだった。Type Coverで文字入力も楽に行えるので、スライドごとのメモやコメントの入力も手間がかからない。
RT版はOffice 2013のフル版と比較すると、古いメディアファイルやFlash動画の再生ができないという制限はあるものの、大多数のプレゼンテーションはこれらの機能なしでも成立する。結局、仕事用のノートPCと同じような感覚とスピードで、簡単なプレゼン資料を作ることができた。時間をかければ複雑な資料も作成できるだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.