「Richland」はリッチなパフォーマンスを見せてくれるのかコスパ重視なら(1/3 ページ)

» 2013年06月06日 11時28分 公開
[石川ひさよし,ITmedia]

電力性能比の向上にポイントを置いた小改良

 AMDは、「Richland」ことAMD Aシリーズの新製品、A10/A8/A6各モデルをリリースした。Llano、Trinityに続く、第3世代のAPUである。

 今回試したのは、AシリーズAPUのなかでも最上位となる「A10-6800K」。前世代の最上位APU「A10-5800K」のポジションを引き継ぐ製品であることは、型番が示している。なお、Intel同様、末尾の「K」はアンロックの「K」である。AMDのプロセッサではKの付くモデルが多く、オーバークロックを楽しみたい人の目印になる(関連記事:AMDが第3世代のデスクトップ向けAPU「Richland」を投入)。

Socket FM2プラットフォームに対応するAMD Aシリーズのフラッグシップ。型番の刻印の位置がA10-5800Kとは異なる。ただ、同じFM2対応APUであるため、違いはそのくらい

製品名 A10-6800K A10-5800K A10-6700
コードネーム Richland Trinity Richkland
コア数 4 4 4
スレッド数 4 4 4
定格クロック(GHz) 4.1 3.9 3.7
ターボ時クロック(GHz) 4.4 4.2 4.3
L2キャッシュ(KB) 2x2048 2x2048 2x2048
製造プロセス 32 32 32
TDP 100 100 65
DDR3メモリ 2133 1866 1866
チャネル数 0 2 2
グラフィックス Radeon HD 8670D Radeon HD 7660D Radeon HD 8670D
GPUコア数 384 384 384
GPUコア周波数(MHz) 844 800 844
DirectXバージョン 11 11 11
H/Wデコーダー UVD 3.0 UVD 3.0 UVD 3.0
ソケット FM2 FM2 FM2

 6000番台のAシリーズでは、CPUコアが「Piledriver」、GPUコアが「Radeon HD 8000」シリーズだ。前者はTrinityから受け継ぎ、後者はTrinityからアップデートされた点だが、GPUコアのアーキテクチャとしては「VLIW4」で大きな変更はない。

 内部アーキテクチャの見直しを図り、消費電力を抑制したうえで、最大周波数をさらに引き上げることに成功したのがRichlandのポイントだ。A10-6800K対5800Kでは、定格クロックが4.1GHz対3.9GHz、Turbo Coreによる最大クロックが4.4GHz対4.2GHzと、200MHzほど引き上げられている。

CPU-Zの画面。左がA10-6800K、右が5800Kだ。命令セットやキャッシュレイアウトに変更はなく、違いはクロックが程度

 統合GPUのRadeon HDに関しては、コア数に変更なく384基のまま、しかしGPUコアクロックは844MHzへと、44MHzほど引き上げられた。また、グラフィックス性能に影響する部分として、次のメモリサポートの拡大が挙げられる。

GPU-Zの画面。左がA10-6800K、右が5800Kだ。シェーダー数は同じで、異なるのはGPUコアとメモリのクロック

 A10-6800Kでは、DDR3-2133メモリがサポートされる。これは、A10-5800KでDDR3-1866がサポートされた際と同様、オーバークロックメモリを用いてパフォーマンスを引き上げる、ということを意味する。ただし、同じRichlandでも、A10-6700など下位のモデルでは従来同様DDR3-1866までのサポートになるので注意したい。

今回使用したメモリのSPD情報。AMPとXMP、双方のDDR3-2133モード情報が書き込まれており、マザーボードからプリセットが適用できる

 このように、Richlandの強化ポイントは、電力性能比の向上に加え、CPUコア周波数の向上、GPUコア周波数の向上、そしてメモリの周波数の向上という3つの周波数を引き上げたことだ。

 一方、A10-6800KのTDPは、5800Kと同じ100ワットとされている。1つ下のA10-6700対A10-5700はともに65ワットと、上位APUより緩和される。ただしA10-6700の場合は前述のとおりDDR3-1866までのサポートとなるため、サポート範囲内での動作となると、グラフィックメモリの帯域幅はほぼ同等となる。CPU、GPUコアの周波数の向上分のみのパフォーマンスアップとなるため、A10-6800Kと比べると1つ強化ポイントが減る形だ。

 ソケットは、Trinityと同じFM2が用いられる。チップセットも引き続きAMD A85X/A75/A55が利用される。この点でマザーボードのアップグレードコストはかからない。CPU交換のほかは、場合によってBIOSのアップデートが必要になる程度である。PiledriverのAシリーズAPUも、引き続き100ドル台〜それ以下の価格設定がなされており、手軽に買える高性能GPU統合CPUとして楽しめるだろう。

 それではベンチマークテストで性能を見ていこう。

関連キーワード

Intel対AMD | AMD | APU | Temash | Kabini | 省電力


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