14ナノ世代SoC「Broadwell」の実働デモをIntelが公開Atomより省電力な「Quark」も(1/2 ページ)

» 2013年09月12日 14時27分 公開
[鈴木淳也(Junya Suzuki),ITmedia]

Broadwellを初公開、2 in 1の推進に改めて言及

 米Intel主催の開発者会議「Intel Developer Forum 2013」(以下、IDF 2013)が9月10日(現地時間)から3日間の日程で米カリフォルニア州サンフランシスコ市内で開催されている。Haswellローンチから一段落した今年のIDFの目玉は、14ナノメートル製造プロセスを初めて採用した「Broadwell」アーキテクチャや、Atomの次世代プラットフォームである「Bay Trail-T」の詳細だ。

 今回のIDFでは、前任のPaul Otellini氏が退任してからCEOとしては初のIDF登壇となるBrian Krzanich氏、そしてプレジデントとしてRenee James氏が登場し、2人体制でのキーノートスピーチとなった。

 Krzanich氏はHaswellローンチによりさらに薄型軽量のUltrabookデザインが登場したことを強調しつつ、今回初公開となる14ナノメートル製造プロセスのSoCを搭載した「Broadwell」の実働マシンによるデモを披露した。

Intel初となる14ナノ世代のSoC「Broadwell」を初公開。同社CEOのBrian Krzanich氏が手に持つのがBroadwellを搭載した実働マシン

 Broadwellは、Intelが推進する「Tick-Tock」戦略のうち、製造プロセスをシュリンクする「Tick」にあたるもの。同社の主力プロセッサとしては初のSoCを採用した「Tock」の「Haswell」アーキテクチャを引き継ぎ、次のTockである「Skylake」までをつなぐ重要なプラットフォームとなる。

 Krzanich氏によれば、Broadwellは今年2013年中に製造がスタートし、2014年にはメーカー各社から当該プロセッサ搭載製品が登場することになるという。2013年の年明けは、このBroadwellマシンに関する話題が多数登場して市場を賑わせることだろう。

 また、PCクライアント部門担当シニアバイスプレジデント兼ジェネラルマネージャのKirk Skaugen氏によれば、Broadwellは製造プロセスのシュリンクで増加したトランジスタの多くをグラフィックス処理の部分に割り振っているといい、「Tick」のシュリンク世代ながら比較的アーキテクチャの改良が多かった「Ivy Bridge」と同様、Haswellから比較的大きな変更が加えられている可能性がある(詳細は2日目に行われるSkaugen氏のキーノートで語られるだろう)。

 そしてKrzanich氏がフォームファクターのバリエーションを広げる試みとしてプッシュするのが「2 in 1」だ。明確な定義はないが、通常のPCとタブレットの間に位置し、両者の特性を持つフォームファクターだといえる。あるときはタブレットのように利用できる一方で、いざというときにはキーボードと組み合わせての本格的な作業も可能というものだ。「ディタッチャブルPC」というキーボードドックとタブレットの分離・合体が可能な典型的なモデルのほか、先日発表されたばかりの専用キーボードと組み合わせて使うソニーのタブレットPC「VAIO Tap 11」などがステージ上で紹介された。

Intelが最近プッシュしている「2 in 1」フォームファクター。タブレットと汎用ノートPCの両方の特性を持つ製品となる。例えば、典型的なものが「ディタッチャブルPC」と呼ばれるもので、写真のBay Trailマシン単体ではノートPCとして動作し、キーボードからディスプレイを取り外すことでタブレットPCとして利用できる

 またIntelプラットフォームならではの強みとして、WindowsとAndroidと両方のOSを同時サポートできる点をKrzanich氏は挙げている。Windows RTのように制限つきのPC体験しか現状では提供できていないARMプラットフォームに対し、IntelプロセッサであればCoreプロセッサであろうが、Atomであろうが、変わらずベストな体験を提供できるというのが同氏の説明だ。

先日発表したばかりのソニー「VAIO Tap 11」も紹介。こちらはタブレットPCに専用キーボードをマグネットで張り付けて持ち運ぶ形態になっている

WindowsとAndroidの両OSをサポートできるのがIntelプロセッサを搭載したタブレットの強み。年末商戦に向け100ドルを下回る製品投入を目指す

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