14ナノ世代SoC「Broadwell」の実働デモをIntelが公開:Atomより省電力な「Quark」も(2/2 ページ)

» 2013年09月12日 14時27分 公開
[鈴木淳也(Junya Suzuki),ITmedia]
前のページへ 1|2       

新しい領域への挑戦

 タブレット市場では比較的食い込みに成功しているIntelだが、現在トレンドをけん引しているスマートフォン市場ではその限りではない。それはx86とARMというアーキテクチャの違いだけでなく、Qualcommが提供しているような通信モジュールとのチップセット環境を十分に提供できていないなど、さまざまな要因があると考えられる。

 こうした状況に対して、Intelは22ナノメートル製造プロセスという業界でも最先端のプロセスを使ったスマートフォン向けSoCの高パフォーマンスに加え、同社としては初のLTE対応で対抗する。来年以降は14ナノメートル製造プロセスも視野に入れるほか、キャリア・アグリゲーションで現行の倍の通信パフォーマンスを実現する「LTE Advanced」への対応もうたっている。

22ナノメートルシリコンで製造されたSoC搭載のスマートフォン。LTEモデムを搭載

LTE Advancedについても言及。キャリアアグリゲーションにより、35Mbpsを倍の70Mbpsまで引き上げる

 そしてARM対抗としてさらにIntelが打ち出してきたのが「Quark」という新プロセッサファミリーだ。「Quark X1000」はPentiumの技術をベースに、Atomよりもさらにコンパクトで省電力駆動を可能にするSoCだ。ARMのCortex-Mシリーズに該当する制御系プロセッサの位置付けになっており、主に組み込みやウェアラブル機器での利用を想定する。

 Intelは今回のIDFで「Internet of Things」という標語を掲げ、何十億ものデバイスがネットで相互接続される世界をアピールしているが、Quarkはまさにこれを実現するピースの1つということになる。

今回初公開となる新プロセッサファミリー「Quark」。「Quark X1000」は一般的なAtomプロセッサより省電力であり、「Internet of Things」のキーワードで示される数多くのデバイス同士が接続されたネットワークの世界を実現する。Krzanich氏が手に持つのはX1000のチップと開発用のリファレンスボード

 このように、ハイエンドのデータセンター向けプロセッサからPC向けプロセッサ、ウェアラブル・コンピュータ用の制御チップまで、幅広い領域を最新の半導体技術でカバーできるのがIntelの強みだという。

 キーノート後半を担当した米IntelプレジデントのRenee James氏は、これまでのムーアの法則の推移とプロセスルール縮小についての説明を行い、今後の可能性について言及している。これまで何度も「不可能」との評価を受けながら、数々の技術的バリアを突破しており、今後のロードマップ実現でも何らかのブレイクスルーが期待できるとの見方を示している。

 また、ムーアの法則が続くことで実現できる成果の1つとして、医療機器の例を紹介した。患者の健康状態を把握する測定機器は、従来であれば専用の大型装置が必要だったものが、技術の進化で体に身につけられる程度のサイズにまで縮小し、さらに将来的にはセンサーを内蔵したシール状のデバイスにまで変化していくという。その点で、技術の進化の可能性と市場の広がりはまだまだ無限に広がっているといえるだろう。

データセンター用ハイエンドプロセッサからウェアラブル・コンピュータまで、幅広い領域をカバーする(写真=左)。ムーアの法則と今後のプロセスルール縮小についても言及。これまで不可能とされながらも数々の技術的バリアを突破しており、今後も何らかのブレイクスルーが期待される(写真=中央/右)

ムーアの法則が続くことによる成果の1つとして、身体状況を測定する医療機器の例を紹介。これまでは専用の巨大な機器が必要だったのが、現在ではRenee James氏が身につけているようなサイズのものに。さらに将来的にはセンサーを内包したシール状のデバイスにまで進化していくという

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年10月24日 更新
  1. “置き場所に困る”大容量ポタ電の壁を打破! 冷蔵庫を3日動かすEcoFlow「DELTA Gen4」シリーズが日本上陸 (2026年10月23日)
  2. 若者向けのカラフルな新「Dell 14S」が日本上陸 11月1日まで4.5万円引きの14万9800円から (2026年10月22日)
  3. 折りたたみ型から薄型まで! スマホやタブレットで“本気”の文字入力に使える持ち運び用キーボードを選ぶコツ (2026年10月23日)
  4. FCCLが「FMV Keyboard X」の一般販売を開始 ハイスペックマウス「FMV Mouse X」も同時発売 (2026年10月22日)
  5. 「Galaxy Watch9」を1週間使って分かったこと Pixel Watchと比べた使い勝手は? (2026年10月23日)
  6. 「iPhone Duo」を1週間使って分かった、全部盛りではない“上質さ” 心地いい開閉ヒンジの内部を見るために“非破壊検査”してみた (2026年10月21日)
  7. 天空が12月25日に発売する「GPD WIN Max 3」国内正規版 実機に触れてきた (2026年10月23日)
  8. 約22万円の新型「Mac mini」で初めてのローカルAI体験 ストレージの価格高騰対策にピッタリかも (2026年10月20日)
  9. スマホは「バッグの中」から「外」へ AULUMUのスリングバッグ2種で移動時のプチストレスを解消した (2026年10月22日)
  10. PFUから33万円キーボード「HHKB Professional Elite」登場! 英語配列のみで有線特化の“原点回帰” 全世界300台限定 (2026年10月22日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー