韓国でもプリペイドSIMカードの販売が一般的になってきた。
日本と同様に、韓国は携帯電話サービスの利用は回線契約を行うのが一般的な国。ただ、ここ1、2年でMVNO(大手通信事業者の回線を借り受けて通信サービスを展開する通信事業者)の数が増えており、韓国国内の、主に低所得者層向けに低料金なサービスを行っているほか、一部の事業者は海外渡航者向けのプリペイドSIMカードの販売もはじめている。とはいえ、購入は簡単ではなく、音声通話しか利用できないなど、使い勝手は正直あまりよくなかった。
ところが2012年の後半あたりからその状況が少しずつ変わりはじめた。中でもMVNO大手のEvergreen MobileはWebサイトを日本語を含む多言語表示に対応させ、SIMカードの購入もオンラインで行えるなど、外国人にもある程度の使い勝手を考慮している。データ通信についても「通信量500Mバイトまで」といった、いわゆる一般的なプランも用意している。
Evergreen Mobileのサービス「EG SIM」はスマートフォン向けのサービスである。ノートPCでもEG SIMを入れたスマートフォンのテザリング機能経由で使用可能だ。今回試したところ、テザリング利用の制限はなかった。
とはいえこのEG SIM、“EG”といえども利用開始までの道のりは長かった。EG SIMのオンライン購入から、実際に利用できるようになるまでの過程をリポートしよう。
EZ SIMの料金プラン | 価格 |
---|---|
韓国内通話料 | 4ウォン(約0.39円)/秒(10%課税) |
日本への通話料 | 450ウォン(約43円)/分(10%課税) |
従量制データ通信量 | 55.8ウォン(約5.4円)/1Mバイト |
データパック100M | 5500ウォン(約532円)/100Mバイトまで |
データパック500M | 11000ウォン(約1064円)/500Mバイトまで |
データパック1G | 16500ウォン(約1597円)/1Gバイトまで |
その他 | SIMカード(電話番号)は60日間有効。データパック500M/1GはOlleh WiFiも利用可能。データパックは30日間有効 |
EG SIMは韓国国内でも店頭販売されているが、在庫がなかったり、英語がうまく通じないケースが多い。また、スマートフォンにてWi-Fiスポット利用のためのMACアドレス登録(後述)は現地購入の場合はすぐに行えない。
というわけで今回は、オンラインで手続きし、現地に到着してから指定場所でSIMカードを受け取るという流れのサービスを利用してみた。購入は、まずWebサイトよりオンラインでユーザー登録を行い、続いてプリペイドSIM製品を購入手続きする2ステップ。SIM無料キャンペーンもひんぱんに行っているようなので、韓国渡航が近い人はまめに同社のWebサイトをチェックしておくとよいかもしれない。
サイトは日本語表示にも対応している。会員登録はWebサイト上部にある「会員登録」から。その後に自分の苗字、名前、メールアドレス、自分が定めるパスワード文字列を入力する。メールアドレスは「重複チェック」部分を押して重複をチェックしてから次に進むのだが、普段使用するChromeではうまく動作せず。こちらはInternet Explorerでやり直すと大丈夫だった。
IEで「重複チェック」のJavaScriptは動作したが、今度は韓国語のみのポップアップ表示で残念ながら意味は分からないが……ま、「重複なし」ということだろう。入力後は「登録」ボタン。再度韓国語表示のみのポップアップが表示されたが今度は「登録完了」ということだろう。サイトの作りが完全には他言語対応となっていないのは、ま、仕方がない。メールアドレスと設定したパスワードでログインできたので登録は一応完了していた。ただ、ユーザー登録程度でこの面倒とは……先が思いやられる。
続いてプリペイドSIMカードのオンライン購入手続きを行う。
「商品購入」→「SIMカード購入」へ進むと、SIMカードの注文画面となる。ここでSIMカードのサイズを選ぶ。……のだが、選択項目のうち、「すべて」が追加料金なしであるのに対し、「スタンダード(標準サイズ)」と「マイクロ(Micro)」が5500ウォン(日本円換算約531円 2013年11月末現在、以下同)追加、「ナノ(Nano)」は9900ウォン(約956円)追加となる。「すべて」と、この区別がまったく分からない(苦笑)。
とりあえず今回はMicroサイズ希望のため、「マイクロ」を明示的に選択した。続いて受け渡し方法。空港あるいはソウル市内で受け取りたい場合は「受け渡し場所」を、自宅への配送を希望するなら「宅配サービス」を選択する。現地受け渡し場所は仁川空港、明洞、江南のEvergreen Mobile本社が選べる。
データプランは通信量「100Mバイト」「500Mバイト」「1Gバイト」までのプランを選択する(ただここは、後日のSIMカード受け取り時には希望が反映されていなかった。ここはなしにして、後で自分で料金を追加するほうがよさそうである)。
ひとまず今回選択したのは「SIMカードはMicroサイズ」「受け取り場所」「1Gバイトプラン」のオプション。このあと下にある「Buy」をより次へ進む。
次の画面で個人情報などを入力する。ところがInternet Explorerではここで次へ進めなくなった。ここはChromeだと大丈夫なようだ(苦笑)。……再度ChromeでSIMカード注文作業をやり直し、必要項目を埋めていく。
受け取り場所を指定すれば、配送場所として受け取る場所も自動で入力される。STEP 3の利用者の本人(実名)確認では、パスポートをスキャンないし適当に写した画像を用意し、送信する必要がある。スマートフォンのカメラで撮ったデータで十分である。
STEP 4はMVNOの親回線、KTの公衆Wi-Fiサービス「Olleh WiFi」利用のため、持ち込むスマートフォンのIMEI番号とMACアドレスを入力する。すこぶる面倒だ。ページの「SIMロック解除の可否」欄は、SIMロックフリーの端末であればYesを選択する。
ようやく支払い手続きだ。「お支払い方法」よりクレジットカード番号入力のポップアップ画面が開く。カード番号を入力して「Send」、次の画面でCVV2番号(クレジットカード・セキュリティコード)を入力して再び「Send」。
すると、豪快に文字化けした画面が表示された。
購入が無事済んだかはっきりしないが、Webサイトの「マイページ」→「特別注文の確認」へ進むと、注文したSIMカードは決済完了となっていたので大丈夫だったようだ。これで注文作業は完了。あとは、今回指定した仁川国際空港での受け取りを行うだけである。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.