ARM セグメントマーケティング担当バイスプレジデントのイアン・ファーガソン氏は、IOTの実現は、リソースの効率化を実現し新しいサービスが誕生することで、ARMのパートナーに大きなチャンスになると訴える。ただ、ファーガソン氏もIOTがもたらす問題点に言及し、膨大な数のデバイスがネットワークに接続できるシステムと規格の標準化も必要で、かつ、セキュリティにも考慮したうえで接続できることを補償しなければならないと述べている。
ファーガソン氏は、IOTの導入事例をいくつか紹介しているが、そこでは、ウシやヒツジに取り付けたバイタルデータデバイスをネットワークに接続して健康管理に利用している「スマートアグリー」などを取り上げていた。それらでIOTを導入する対策は、街路灯向けソリューションと腕時計対応ソリューションは同じでないと述べた上で、一方で、省電力で低コストであることはIOT導入のすべての事例で共通すると訴えた。
このようなIOTで導入するセンサーとデバイスは、例えばシューズにセンサを組み込み足を痛めないでうまく走られるようにコントロールする「スマートシューズ」から、それらのセンサーのハブとなるモバイルデバイスなど多彩な形態をとるが、そのあらゆるセンサーとデバイスをARMのプロセッサは対応できるとファーガソン氏は述べる。
さらにファーガソン氏は、現代のソリューションは搭載するセンサー技術とデータを活用するアプリで差別化を図っているとし、これからのユーザーは、デバイスに搭載するセンサーとそのセンサーを活用するアプリで、購入するモデルを選択すると語っている。「顔認識や視覚効果を多用したユーザーインタフェースなど、デバイスも進化した。さらに、高いパフォーマンスを要求する動画撮影における手振れ防止機能も利用できるようになってきた」(ファーガソン氏)

あらゆるものにセンサーを組み込んでネットワークに接続できる時代になると(写真=左)、デバイスの選択は搭載するセンサーとそのセンターで取得したデータを活用するアプリがポイントになるとファーガソン氏は主張する(写真=右)また、こちらも最近よく聞くようになったキーワード「ビッグデータ」についても、「ビッグデータはリトルデータから始まる」(ファーガソン氏)と、モバイルデバイスなどのセンサーで取得したミクロなデータを収集してビッグデータを構築するという流れから、ここでもARMを採用するセンサーやデバイスが貢献していることをアピールする。また、ビッグデータを扱うサーバやデータセンターでは膨大な消費電力が問題となっており、省電力性能を向上して、かつ、高性能を確保するために、サーバソリューションもARMはカバーできると訴えた。
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