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» 2014年02月13日 11時00分 公開

SOHO/中小企業に効く「NAS」の選び方(第1回):今さら聞けない「NAS」のメリットとデメリット (2/2)

[山口真弘,ITmedia]
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NASのデメリット

 それでは逆に、内蔵HDDや外付けのUSB HDDなどと比較した場合の、NASのデメリットについて見ていこう。

 1つは、外出先からのアクセスに制限があることだ。VPN経由でのログイン、NAS側のリモートアクセス機能を使ってのログイン、さらにNASとクラウドを同期させてクラウド上のデータにアクセスするなど、いくつもの方法はあるが、内蔵HDD並みのシームレスな使い勝手で外出先からNAS上のデータが利用できるかというと、やや無理がある。この辺りは利用頻度も考慮しながら、うまく運用でカバーしていく必要がある。各社がさまざまなソリューションを用意しているので、次回以降の連載の中でじっくり見ていきたい。

 もう1つ、NASの黎明(れいめい)期からネックとされてきたのはデータの転送速度だ。インタフェースの理論値ベースで比較すると、内蔵HDD/SSDで用いられるSerial ATAは最大で6Gbps、外付けHDDで用いられるUSB 3.0は5Gbps、NAS(ギガビット対応)は1Gbpsだ。あくまで理論値なので単純に転送時間が5〜6倍かかるというわけではないが、日頃から最新のPCを常用していて、かつギガバイト級のデータを絶え間なくコピーしているような極端な環境だと、体感的にも遅く感じる可能性はある。

 もっともこれは最新規格の話で、今なお多くのオフィスで主流と考えられるUSB 2.0のHDDは480Mbpsだ。Serial ATAにしても初期の製品は1.5〜3Gbpsなので、ギガビットLANのNASに乗り換えたところで転送速度の違いに気づかなかったり、むしろ高速に感じる場合もありうる。

 昔はNAS内のデータをCDやDVDに焼く場合も、データをいったん内蔵HDDなどにコピーしてからライティングソフトを起動してやる必要があったが、今はまったく気にする必要はないし、家庭用のNASであればテレビ番組の直接録画を前提としている製品も多い。つまり、こうした機能を実現できるだけの速度が確保できている。

 転送速度の問題は、かつてNASが敬遠される要因の1つだったのは事実だが、一部のヘビーユースな利用環境を除いて、現在ではまったく問題にならないと考えてよいだろう。ただし、LAN上はほかのパケットも流れているので、あくまでも環境次第であることも確かだ(実際の速度はネットワーク環境やNAS自体の性能にもよる)。

 このほか、利用にあたっての初期設定が必要なことがNAS導入のハードルを上げている。USB HDDのように物理的につなげただけでドライバがインストールされてすぐに使えるわけではなく、LANへの接続、アクセス権限を行うためのユーザーやグループの設定といった作業が必要だ。

 かつては専用ユーティリティを管理用PCにインストールして作業を行わなくてはいけなかったのが、現在はブラウザベースで設定できるようになり、負荷はかなり軽減されている。とはいえ、初期設定はNASを使ううえで避けて通れない道だ。もちろん、そこを乗り越えれば、PC内蔵HDDやUSB HDDにはないメリットが享受できることは言うまでもない。


 以上、ざっとNASのメリットとデメリットについて紹介した。次回は家庭用と法人用のNASの違いや、具体的な機能について紹介したい。

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