年度が切り替わるこの時期は新生活準備セールもあって普段以上に売れ行きが伸びるのは恒例だが、どこのショップでも「今年は例外」と口にする。
その1番の要因となっているのは消費税増税前の駆け込み需要で、ほとんどのショップはHDDの売れ方に端的に表れていると話していた。ZOA秋葉原本店は「PCパーツの中でも消費物という側面があって、ストックしておいても悪くならないということで、HDDをまとめ買いする人はかなり多いです」という。
それを見越してメーカーや代理店も在庫を大量に確保しているため、アキバ全体で品薄という状況にはなっていないが、「NAS向けシリーズはもともと複数台買いする人が多いので、人気がある大容量モデルはそろそろ厳しい状況になってくると思います」(某ショップ)との声もある。
同時に4月9日にサポート期限が切れるWindows XPの乗り換え特需も起こっているが、こちらは店舗ごとで影響の度合いに差があるようだ。影響大というBUY MORE秋葉原本店は、PCケースからCPU、グラフィックスカードに至るまですべてのパーツが異例のペースで売れており、主力のDDR-1600メモリは在庫切れが続出しているという。
スタッフは「『XPマシンの代わりだからそこそこの性能で』という人と、『せっかく乗り換えるんだから高性能なやつを』という人が同じくらい多いので、CPUやマザーを見ても、エントリー向けからハイエンドまで本当にまんべんなく売れています。毎日の仕入れ量が半端じゃない状況がずっと続いています」と語る。
一方で、「(XPのサポート終了は)昨年からずっと言われてきたとこなので、もう分かっているという方がほとんど。XP特需といえるものは、年末年始セールくらいでほとんど感じなくなりましたね」(某ショップ)といった声もいくつか聞いた。
おおざっぱにいえば、大規模な店舗ほど現在進行形でXP特需が起こっている印象が強いが、例外もある。少なくとも、消費税増税特需のようなアキバ全体の傾向ではない様子だった。3月末まではこの独特の雰囲気が続くだろう。
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