実際に使っていくと両者の印象は大きく変わってくる。デルのほうが精細すぎて、文字が読みづらいのだ。
ディスプレイは、サイズが大きくなるに従って、全体を見渡せるように画面と目の距離を離すのが一般的だ。視力がコンタクトをつけて1.0という筆者の場合、15インチMacBook Pro Retinaの内蔵ディスプレイでは40センチほど離して見ているが、デスクに置いた24型クラスの液晶ディスプレイでは70センチぐらいがちょうどいいと感じる。このデスク上の距離において、LGの34UM95-Pは普通に文字が読めたが、デルのUP2414Qは顔を近づけないとツライ。
画素ピッチで見ると、LGの34UM95-Pは0.2325ミリ/約110ppi、デルのUP2414Qは0.137ミリ/約185ppiだ。同じデスクに据え置きで使いそうなディスプレイで見てみると、24型でフルHDの一般的なディスプレイなら0.277ミリ/約92ppi、27インチのiMacなら0.233ミリ/約109ppiなので、デルの数値がいかに突出しているかが分かる。15インチMacBook Pro RetinaでRetina表示を解除したとき(0.086ミリ/約294ppi)の「細かすぎるだろこれ(笑)」というインパクトに近い。
Windows 8では、デスクトップの文字サイズだけ調整できるため、この細かさでも使えるが、我らがOS X 10.9.2は今のところ同等の機能は備えていないので打つ手がない。
もう1点、デルのUP2414Qは、15インチMacBook Pro Retinaではリフレッシュレートが30Hz以下になってしまう。リフレッシュレートは、画面を1秒間に何回書き換えるかという数値で、高ければ高いほど滑らかな表示ができる。実際、原稿作成や写真編集がメインの筆者の用途では30Hzでも特に不満は感じなかったが、ネットを調べると気にしている方も多いようだ。こちらのレビュー記事にもあるように、デルのUP2414Qは60Hzで表示するためにいくつかの手順を踏む必要がある。
と、ここまで来てよくよく調べてみると、そもそも15インチMacBook Pro Retinaの場合は、
とアップルのサポートページで宣言されていた。ギャー! DisplayPortで接続して使えていたのは、サポート対象外だったのね……とHDMIでつなぎ直してみたが、当然のごとく60Hzは選べるわけがなし。
強引になんとかならないかと、DisplayPortケーブルにつなぎ直し、解像度やリフレッシュレートを調節できるシェアウェア「SwitchResX」をインストールして、3840×2160ピクセル/60Hzを選んでみたものの、表示の一部が乱れたうえ、さらに元の解像度に戻せなくなるというひどい仕打ちにあった。この辺、Mac Proなら変わってくるのかもしれないが、今のところ15インチMacBook Pro Retinaではいろいろと制限がある。
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