富士通は、5月14日に液晶一体型PCシリーズ「FMV ESPRIMO FH」を発表した。店頭販売向けモデルのラインアップは「ESPRIMO FH78/RD」と「ESPRIMO FH52/R」で構成する。出荷開始はどちらも5月23日からで、税込の実売予想価格は、ESPRIMO FH78/RDが約24万円強、ESPRIMO FH52//Rが約17万円前後だ。
上位モデルのESPRIMO FH78/RDは、IPS方式のタッチ対応23型1920×1080ピクセル表示の液晶ディスプレイを採用する。CPUにインテルが正式発表したばかりの“Haswell Refresh”世代の「Core i7-4710MQ」(2.5GHz/最大3.5GHz、4コア8スレッド、3次キャッシュ6Mバイト)を採用した。グラフィックス機能はCPUに統合したIntel HD Graphics 4600を利用する。システムメモリはDDR3L-1600を標準で8Mバイト、最大16Mバイト搭載可能だ。データストレージは容量3TバイトのHDDを搭載。また、BDXL対応Blu-ray Discドライブも備える。
AV性能を重視するESPRIMO FHシリーズでは、10ワット+10ワット+10ワットサブウーファー構成でパイオニア製大口径スピーカーユニットを本体ディスプレイスタンド部分に搭載する。設置角度を水平方向から下向きに35度下げて、音の広がりを考慮したほか、アルミダイキャストを採用して振動を抑えている。
テレビコンテンツ関連機能では、SNSとテレビ番組の連携や、自分が見たいアングルのカメラを選択できるなど、新しいテレビ番組の視聴が可能になる「HybridCast」に対応する(ただし利用できるのは6月以降の予定)。デジタル3波(地デジ/BS/110度CS)対応チューナーを内蔵し、最速1.5秒でテレビが起動する「クイックTV」や、高画質化エンジン「Dixel HDエンジン2」はそのまま継承している。
ユーザーの視線を認識して画面のスクロールやOSのチャームの表示を行う「視線アシスト機能」では、マウスホイールをクリックすると、画面で視点が当たっているとシステムが判断した部分を拡大する機能を追加した。
本体に搭載するインタフェースは、SDXC対応SDメモリーカードスロット、USB 3.0×4、USB 2.0×2(うち1つは電源オフ給電機能付き)、HDMI入力、マイク、ヘッドフォン、ギガビットLANなど。無線接続は、IEEE802.11a/b/g/nに加えてacにも対応した無線LANとBluetooth 4.0+HSを利用できる。
本体サイズは571(幅)×201(奥行き)×431(高さ)ミリ、重量は約10.8キロ。OSは64ビット版Windows 8.1 Updateを導入する。
ESPRIMO FH52/Rは、価格も重視したバリューモデルの位置づけで、基本仕様は2014年秋冬モデルのESPRIMO FH52/Mと共通する。ディスプレイは21.5型とESPRIMO FH78/RDより小型ながら、解像度は1920×1080ピクセルとフルHDに対応する。
本体サイズは最小傾斜時で518(幅)×175(奥行き)×410(高さ)ミリ、最大傾斜時で518(幅)×306(奥行き)×357(高さ)ミリと奥行きを減らして設置場所を選ばないコンパクトボディもそのままだ。重量は約7.1キロ。
本体のインタフェースはUSB 3.0を3基、USB 2.0を3基(左側面にある1基は電源オフUSB充電機能対応)、SDXC対応SDメモリーカード/メモリースティックPRO対応のカードスロットを備える。無線接続は、IEEE802.11a/b/g/nに加えてacにも対応した無線LANとBluetooth 4.0+HSを利用できる。なお、テレビチューナーは搭載しない。
機能面では、個人向けクラウドサービス「MyCloud」の機能を強化。これまで複数のアプリで管理していた写真、動画、音楽などのコンテンツを「My Cloudプレイ」アプリで一元管理することが可能になった。自宅のネットワーク対応レコーダーで録画した番組をPCやスマートデバイスにワイヤレスでダウンロードして持ち出せる機能も追加している。写真データの管理機能では、顔判別や日時での自動整理に加えて、任意のタグを追加して検索しやすくした。ゲストアカウントを発行し、PCの公開フォルダ内にあるコンテンツをゲストに公開できる機能にも対応している。
富士通の直販サイト「WEB MART」で提供されるカスタムメイドモデルでは、上位構成の「WF2/R」、エントリー構成の「WF1/R」のそれぞれで、ユーザーのカスタムが可能だ。
WF2/Rでは、CPUは店頭モデルと同じCore i7-4710MQだけとなるが、システムメモリで16Gバイトを選べるほか、ストレージでは容量2TバイトのHDD、テレビチューナーなしと価格を抑えた構成も選択できる。
WF1/Rでは、CPUをCore i3-3120M(2.5GHz)やCore i5-3230M(2.6GHz/最大3.2GHz)に強化できるほか、2TバイトHDD、8Gバイトメモリ、Blu-ray Discドライブといった構成を選択できる。また、直販モデル限定のボディカラー“シャイニーブラック”も用意する。
またWEB MARTでは、標準で1年間無料の電話サポートを2〜3年に延長できる「FMV延長電話サポート」、通常は購入後にユーザーが作成するリカバリディスクを富士通で行う「リカバリディスク作成サービス」を追加した。電話相談を初回から有料にすることで、価格を抑える「ミニマムサポート」も選択できる。
なお、FMV ESPRIMOシリーズには、液晶ディスプレイのチルト角度を柔軟に調整できる「FMV ESPRIMO WH」もあるが、こちらは既存モデルを継続販売する。
FMV ESPRIMO FH店頭モデルの概要(その1) | ||||||||
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シリーズ名 | モデル名 | タイプ | 従来比較 | CPU | メモリ | HDD | OS | 実売(税込) |
ESPRIMO FH | FH78/RD | 液晶一体型 | 新CPU、新OS | Core i7-4710MQ (2.5GHz/最大3.5GHz) | 8GB (DDR3L) | 3TB | 64ビット版 Windows 8.1 Update | 26万円強 |
ESPRIMO FH | FH52/R | 液晶一体型 | エントリーモデル化 | Celeron 1005M (1.9GHz) | 4GB (DDR3L) | 1TB | 64ビット版 Windows 8.1 Update | 17万円前後 |
FMV ESPRIMO FH店頭モデルの概要(その2) | ||||||||
シリーズ名 | モデル名 | 液晶 | 解像度 | チップセット | 光学ドライブ | GPU | TV/オフィス | 重量 |
ESPRIMO FH | FH78/RD | 23型ワイド (タッチパネル) | 1920×1080 | Intel HM86 | BDXL対応Blu-ray Disc | CPU統合 (HD 4600) | 3波デジ×2/Office Home and Business 2013(SP1) | 約10.8キロ |
ESPRIMO FH | FH52/M | 21.5型ワイド | 1920×1080 | Intel HM76 | DVDスーパーマルチ | CPU統合 (HD) | −/Office Personal 2013(SP1) | 約7.1キロ |
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