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» 2014年06月10日 19時00分 公開

“どこでもスキャン”を実現:完全ケーブルレスの魅力――iX世代のコンパクトスキャナ「ScanSnap iX100」を試す (2/2)

[瓜生聖,ITmedia]
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ScanSnapの性能を100%引き出すScanSnap Manager

 SSCA経由での読み込み処理はホスト側の負荷が軽くなるというメリットはあるが、GIプロセッサの画像処理には制約がある。ScanSnap Managerで接続すればScanSnapの性能を100%出しきることができる。

 ScanSnap Manager接続時だけ利用可能な機能としては、最高解像度のエクセレント(カラー/グレー600dpi、白黒1200dpi相当)モード、向き補正機能、OCR機能、A3キャリアシート対応などがある。ScanSnap ManagerはWindows/Macのみの提供となる。

SSCAではA3キャリアシートはサポートされない(画面=左)。ScanSnap Managerは今までのモデルのものと相違はない。装置の選択では複数のシートフィード型ScanSnapで共存できないのも同様だ。ただし、オーバヘッド型の「SV600」とは共存可能(画面=右)

画質をチェックする

 iX100はS1100同様、光学系にセルフォックスレンズ等倍光学系、イメージセンサにCIS、RGB3色LEDを光源とする。以下にiX500との画質比較を掲載する(スキャンサンプルは「ジーエーえくすぷろ〜らぁ No.101」(C)SBクリエイティブ/聖剣使いの禁呪詠唱・あわむら赤光/refeia)。

 ファイル形式はJPEG、圧縮率3とした。iX500のほうがややコントラストが強めに出ていたり、グラデーションの再現性がわずかによい、という差はあるものの、ファイルフォーマット、圧縮率や読み込み設定の調整で埋もれてしまうレベルだろう。

エクセレント(600dpi)の画質比較

スーパーファイン(300dpi)の画質比較

ファイン(200dpi)の画質比較

ノーマル(150dpi)の画質比較

 読み取り速度はA4用紙片面でノーマル/ファイン/スーパーファインで5.2秒、エクセレントで20.4秒。S1100ではそれぞれ7.5秒、35秒なので、30〜40%程度の速度向上だ。ただし、この読み取り速度は原稿搬送開始から排出までにかかる時間であり、データ転送にかかる時間は含まれていない。

 Scanボタンを押して「次の原稿をセットしてください」と表示されるまでは

ノーマル 10秒14
ファイル 11秒20
スーパーファイン 11秒80

という結果だった(SSCA/802.11g/アクセスポイントモード)。環境に依存する部分が大きいため、あくまで参考値としてとどめてもらいたい。

利用シーン

 ビジネスシーンでの活用方法はいろいろ考えられる。今やノートPCやタブレットを使って議事録をとったり、資料を確認したりすることは珍しくないが、取引先が用意した資料が紙ベースのものであることも多い。そうしたときにiX100でさっと読み取れば電子ファイルがなくても、プロジェクタなどで映して共有することができる。

 また、資料の印刷は行わず、事前に電子ファイルで資料を送ってくれ、と依頼しても、直前まで資料を作成していて応じてもらえないこともある。そんな場合は印刷した資料を1部だけ持ってきてもらい、その場でiX100でスキャン、evernoteやDropboxなどのクラウドストレージで共有して各自のタブレットやノートPCで閲覧するようにすれば、先方の印刷の手間や紙資源の無駄を減らすことができる。

 多数の出展社が集まる展示会などでも活用できそうだ。各企業のブースではパンフレットを配布していることが多いが、十数社も回ると相当量になる。しかも、その情報を社内で共有するためには帰社後にもう一手間が必要だ。iX100があれば会場の喫茶スペースなどでさっとスキャンしてクラウドストレージにアップしてしまえばいい。

 学生の場合だと試験前に過去問やノートをスキャンするという用途にも使える。たとえコピー機に長蛇の列ができていても、空いている講義室や食堂などでスキャンできるiX100ならなんの問題もない。

 そのほかにも、スマートフォンやタブレットに付加される「ドキュメントの取り込み」機能の利用価値は高い。Evernoteと組み合わせれば「すべてを記録する」環境がより快適になる。スマートフォンのカメラを使ってドキュメントを「撮影」している人もいるだろうが、画像のクオリティ、OCRの精度は段違いだ。なお、12月末日までの期間限定でEvernote Premium 3カ月分が同梱される点にも注目したい。

モバイルに必要な機能を見極めた設計思想

 コンパクトモデルであるiX100は、当然ながらモバイル用途を重視している。コストの許す限り高性能・高機能を追求できるフラッグシップモデルとは異なり、小型化・軽量化のために何を削り、何を残すか、あるいは追加するかが重要だ

 iX100の前モデルであるS1100は小型化のために両面読み取り、自動給紙機構を削った。iX100はそれを踏襲しつつ、重量増となってでもバッテリー内蔵という選択肢を選んだ。そしてiX500で培ったGIプロセッサを搭載し、本体内での画像処理、Wi-Fi対応を果たした。すべては「イロモノ」ではない正統進化であるからこそ、選択された機能だ。

 タブレットやスマートフォンの後ろにはクラウドストレージがある。どこにいても、実際にどこに保存されるかを気にすることなく利用できる。それと同時に、持ち運びができるから、どこにいても使うことができるiX100がある。アプローチは逆だが、結果として「できること」は似た性質を持つため、相性がよい。

 ScanSnap iX100は使い方を想像することが楽しいドキュメントスキャナだ。

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