6月13日、新しいアップルストアが表参道にオープンしました。開店時間の午前10時前にはカウントダウンが始まり、カウントがゼロになると同時に、盛り上がりは最高潮に。表参道店の扉が開かれ、並んでいた人々が続々とスタッフとハイタッチしながら入店するおなじみの光景が見られました。
これまで国内のアップルストアは、札幌店、仙台一番町店、渋谷店、銀座店、名古屋栄店、心斎橋店、福岡天神店の7店舗でした。今回の表参道店は、8年ぶり8店目の直営店となります。世界では16カ国に400店舗以上のアップルストアが展開されており、そのうち半分以上の255店舗が米国にあります。
ここでアップルストアの歴史を振り返ってみましょう。アップルストアは2001年5月19日、米国バージニア州マクリーンとカリフォルニア州グレンテールに誕生しました。2001年はITバブルが弾け、アメリカは不況の最中でしたが、開店2日間で2店舗合わせて7000人以上が来店し、売上は60万ドル近くに上りました。
その後アップルは続々と店舗数を増やし、2003年11月、日本初のアップルストアである銀座店がオープン。初めて海外進出を果たした73番目のアップルストアである銀座店には、なんと5000人のファンが行列を作りました。
現在、店舗はトルコ、ブラジルなどワールドワイドで拡大中です。アップルの2014年第2四半期の業績発表によると、直営店の売上は52億2700万ドル。前年同期比はほぼ横ばいですが、2010年以降順調な推移を見せています。
なぜアップルストアは拡大を続けられるのでしょうか? 成功要因の1つは、製品購入後のアップルユーザーのライフスタイルまでを提案している点にあります。
小売店の中には、店舗を製品を展示や販売するための場所として設計している場合が少なくありません。しかしアップルストアでは、サポート窓口である「ジーニアスバー」やワークショップ、プロ用ソフトを無料で学べる講座「Pro Labs」など、製品の販売で終わらない手厚いサービスが提供されています。
アップルストア表参道のオープンにかけつけた米Appleのシニア・マーケットディレクターであるデニー・トゥーザ氏(Denny Tuza)は、「多くの店では単に商品を販売するだけで終わりだが、アップルはそこからが始まりだと考えています。そこから一生続くみなさまとの関係が始まるのです」とコメントしています。
さて、日本はiPhoneの販売シェアが約7割に達するといわれているほど、アップルファンが多いことでも知られています。ただ、その割にはアップルストアは全国でたった8店舗とやや少ない印象。家電量販店内に独立した販売スペースを持つ「アップルショップ」が全国140店舗以上ありますが、美しい建築が漂わせるあの独特の雰囲気はアップルストアならでは。もうちょっと直営店を作ってほしい気もしますね。
アップルさん、広島や横浜、金沢あたり、どうですか?
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