日本HP、新社長の吉田氏が就任会見――2015年10月までに分社化を完了させる企業文化にほれた

» 2015年01月08日 17時00分 公開
[田中宏昌,ITmedia]

 1月8日、東京都内で日本ヒューレット・パッカード(日本HP)が新社長の就任会見「Celebrating a new chapter for HP Japan〜日本HPの未来に向けて〜」を開催した。日本HPでは、2014年4月から米HP 上級副社長 エンタープライズグループ & マネージングディレクター アジア太平洋・日本地域担当のジム・メリット氏が日本HPの社長執行役員を兼任していたが、2015年1月1日付けで吉田仁志(よしだひとし)氏が代表取締役 社長執行役員 エンタープライズグループ事業統括に就任した。

 吉田氏は、1983年に伊藤忠グループ事業会社へ入社、以降はケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズやノベル、SAS Institute Japanで社長職を歴任、SAS Instituteでは副社長 北アジア地域統括も兼務していた。

会見する吉田仁志 代表取締役 社長執行役員 エンタープライズグループ事業統括

 「ソフトウェアだけでなくハードウェアの経験も豊富で、力強いパートナーだ」とメリット氏から紹介された吉田氏は自身の略歴を紹介した後、「日本に貢献していきたい、次の世代へ日本をいい状態にしたうえで渡していきたいと考えてきた。HPは世界ナンバーワンのIT会社で、すばらしい企業文化を持った会社だ」と述べ、「利益の追求だけでなく、社会に貢献しなければならないというHP Wayに深く共感した。HPを元気にできれば、日本経済や世界経済に貢献できるのではと考えて入社を決めた」と続けた。

吉田氏のポイント

 「IT業界は大きな変換期にあり、今までとは違った社会のあり方が問われている。その中で、ITの果たす役割は非常に多く、HPの役割も当然大きい。そして、その変革の先頭に立っていきたい」とし、「向こう90日はパートナーやお客さま、社員の意見を聞いていくが、さらなる顧客志向を追求し、お客さまの業績に貢献する方法は何か、何ができるのかを追い求めていきたい」と語った。

 また、日本HPの課題については、「まじめで、会社を愛する社員が多い印象だ。一方で“くそまじめ”すぎる傾向があると思うので、もう少し俯瞰(ふかん)的な視点でお客さまの課題に向き合うよう変えていきたいし、もっともっと自分たちが取り組んでいることをみなさんにアピールしていきたいと考えている」とまとめた。

2015年は分社化の年

 会見では、ジム・メリット氏が発表済みの分社化について触れ、「2015年は分社化を行う年。世界で断行し、積極的に投資を行っていく。それは日本でも同様だ」とし、「2014年にHPは創立75周年を迎え、ここ日本でも51周年を迎えた。日本はHPをよりよい会社にしてくれたし、鍛えてくれた。これこそが真のパートナーシップであると考えている」とスライドで説明。

米HP 上級副社長 エンタープライズグループ & マネージングディレクター アジア太平洋・日本地域担当のジム・メリット氏
2014年にHPは創立75周年、日本で1963年に横河電機と合弁会社「横河ヒューレット・パッカード」を設立して51周年を迎えた

 「この分社化は加速を早めるため、IT業界の変化について行くために断行する。もっともっとお客さま、パートナーについて行く、価値を提供するために分社化を実行するが、HPイノベーションのDNAは新会社に継承していく。もちろん、日本でも成功するつもりだ」と力強く語った。

同社の会計年度が終了する2015年10月までに、サーバなど企業向けIT機器やサービスが主体の「Hewlett-Packard Enterprise」と、PCやプリンタ事業を手掛ける「HP Inc.」に分割する
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