エプソンは5月13日、インクジェットプリンタ本体の貸与、インク、保守サービスが定額従量料金で利用できるサービス「エプソンのスマートチャージ」のラインアップ拡充を発表した。
従来のA3複合機に加えて、新たにA3プリンタ、A4複合機、A4プリンタの3モデルを追加し、2015年6月中旬から順次提供を開始する。モデルの拡充により、税別の最低使用料は従来の月1万円から月5000円に半減した(A4プリンタの場合)。今年度に3万2千件の契約件数を目指す。
スマートチャージは、エプソンがカラーインクジェットプリンタ/複合機を貸与し、月々の基本使用料を支払うことで利用できるサービス。複合機本体の購入が不要なため、導入コストが0円で済み、基本使用料金に一定の印刷枚数、インクなどの消耗品、オンサイト保守サービスまで含めたオールインワンのプランとなっている(機器の導入や搬入を希望する場合は別料金、消耗品に用紙類は含まず)。
サービスのプランは、カラー/モノクロの印刷比率や、給紙容量など機器構成により、計12種類から選択できる。従来の4プランに新しい8プランが加わった形だ。いずれも大容量インクの採用により、ランニングコストを抑えつつ、インク交換頻度の低減、廃棄物の削減を実現している。
最も安価なA4プリンタは月額基本使用料が5000円(税別)で、カラー400枚/モノクロ1000枚まで印刷可能な「スタンダードB」プラン、カラーとモノクロ合わせて700枚まで印刷可能な「フルカラーB」プランを選べる。この印刷枚数を超過した場合、スタンダードプランは1枚あたりモノクロ1.5円、カラー5円、フルカラープランは1枚あたり5円の追加料金がぞれぞれかかる。
エプソン販売 取締役 販売推進本部長の鈴村文徳氏は「導入コストが0円で、印刷ボリュームにかかわらず、インクと保守も含めて公平に安く提供できること、特にカラー印刷が低コストで済むことがスマートチャージの強み。分かりやすい料金プランにより、通常は時間がかかるプリンタの導入が、たった1〜2回の商談で決まることが多い。今後はプリンタもこのサービスの時代が来る」と、その特徴をアピールする。
2014年5月に初めて同サービスを発表した際は、「月1000〜5000枚程度を印刷するオフィス向けコピー機の代替」を想定していたが、新ラインアップでは「ページプリンタ置き換え」「インクジェット置き換え」「複合機への追加導入(分散配置)」をターゲットとする。同社はビジネスインクジェットプリンタ/複合機の単体販売にも注力しているが、「印刷枚数の多い環境ではスマートチャージを推す」(エプソン販売 販売推進本部 BP MD部 部長 北村光一氏)という。
同一法人内で複数台を契約し、プランや請求先などの適用条件が同じ場合、A4プリンタとA3複合機のように機器が異なっていても、その月の基本印刷枚数を複数台まとめて計算し分け合える「グループ割引」も用意している。
「エプソンのスマートチャージ」新プラン一覧 | ||||
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A3プリンタのプラン | ||||
本体 | A3単機能プリンタ(PX-S7050ベース) | |||
機器構成 | ベーシック | フルセット | ||
給紙容量 | カセット2段/831枚給紙 | カセット4段/1831枚給紙 | ||
印刷速度 | カラー/モノクロ 約24ipm | |||
耐久性 | 30万ページ | |||
インク容量 | 7万5000ページ | |||
プラン名 | スタンダードB | フルカラーB | スタンダードF | フルカラーF |
基本使用料金(月額) | 8000円(税別) | 1万円(税別) | ||
基本印刷枚数 | モノクロ2000枚、カラー600枚 | モノクロとカラーで合計1000枚 | モノクロ2400枚、カラー720枚 | モノクロとカラーで合計1200枚 |
提供開始時期 | 7月予定 | |||
A4複合機/プリンタのプラン | ||||
本体 | A4複合機(PX-M840Fベース) | A4単機能プリンタ(PX-S840ベース) | ||
機器構成 | ベーシック | ベーシック | ||
給紙容量 | カセット2段/580枚給紙 | カセット2段/580枚給紙 | ||
印刷速度 | カラー/モノクロ 約20ipm | カラー/モノクロ 約20ipm | ||
耐久性 | 15万ページ | 15万ページ | ||
インク容量 | 5万ページ | 5万ページ | ||
プラン名 | スタンダードB | フルカラーB | スタンダードB | フルカラーB |
基本使用料金(月額) | 6000円(税別) ※FAXはオプション(+月1000円) | 5000円(税別) | ||
基本印刷枚数 | モノクロ1000枚、カラー400枚 | モノクロとカラーで合計700枚 | モノクロ1000枚、カラー400枚 | モノクロとカラーで合計700枚 |
提供開始時期 | 7月予定 | 6月中旬予定 | ||
なお、同社は今後スマートチャージに採用したビジネスインクジェットプリンタの大容量インクモデルを2015年度中に、アジアなど50カ国以上に拡大する予定だ。「全世界の販売網を活用し、先進国だけでなく新興国でも、オフィスのプリンタにまつわる問題をインクジェットで解決していきたい」と、セイコーエプソン プリンター事業部 プリンター事業戦略推進部長 吉田潤吉氏は語る。
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