ベンチマークテストで性能をチェックしよう。評価機は最上位ベースモデル「LM-AR330X2-SH」の標準構成で、CPU(APU)はA10-7870K、メモリは16Gバイト(8Gバイト×2)、メインデータストレージは128GバイトのSSD(Kingston V300シリーズ)、電源が350ワット(80PLUS Bronze)、OSが64ビット版Windows 8.1 Updateという内容だ。
CINEENCHのレンダリングテストのCPUスコアはCPUのマルチスレッド性能を反映する。ただ、A10-7870KのCPUコアは4コアだが、浮動小数点演算回路はIntel CPUでいえばHyper-Threading対応の2コア(2コア4スレッド)と同等であり、スコアもデスクトップ向けCPUとしてはIntelのCore i3以下にとどまる。モバイル向けのCore i7-5600Uよりは少しよいといった程度だ。
CrystalDiskMarkで測定したSSDの性能は以下に掲載した通り。ライト性能がいまひとつだが、128Gバイト(SSDは容量が少ないと並列アクセスの単位が少なくなり性能的に不利な場合が多い)ということもあって仕方がないだろう。ランダムアクセス性能はHDDに比べれば断然よく、操作のレスポンスは十分に快適といえる水準にある。より高速なSSDが必要ならば、BTOではIntel 535やCrucial BX100などを選びたい。
CPU性能だけでなくGPU性能、ストレージ性能も含めた総合的なパフォーマンスが測定できるPC Mark 8ではHomeのスコアが3238と、スタンダードPCとして十分な値をマークしている。CINEBENCHのようなCPUのみに高負荷がかかる処理は、家庭での通常用途ではまれなので、総合的な使用感ではIntelのCore i5あたりを搭載したモデルに比べてても見劣りは感じないと思われる。
3D描画性能を見る3DMarkのスコアは、FireStrikeで1672、SkyDiverで6376と、CPU内蔵GPUとしてはトップクラスのスコアをマークしている。FINAL FANTASY XIV:蒼天のイシュガルドベンチマークでも、DirectX 9モード(1280×720/標準品質)では「とても快適」、DirectX 11モード(1280×720/標準品質)でも「快適」と、画質設定次第で十分プレイできるスコアが出ている。
動作音は、アイドル〜低負荷時が35〜36デシベル。前面正面に顔を7〜8センチくらいの距離まで近づければ、ファンが動作していることが分かるという程度だ。高負荷時、特にGPUに高い負荷がかかる処理になると45デシベル前後と動作音は大きくなるが、空調や家電などが普通に動作している部屋であれば、それほど気になるような音ではないだろう。
マウスコンピューターの直販サイトで販売されている価格は、64ビット版Windows 8.1 Updateを搭載した標準構成で8万9424円(送料/税込)となっている。
最新のAPUに加えて、PC3-19200対応の高速16Gバイトメモリ、SSDとHDDのデュアルストレージを搭載する内容を考えれば、買い得感は高い。CPUだけでなく、グラフィックス、ストレージまで含めた総合的なまとまりがよく、家庭向けの実用PCとしてお勧めできる。コンパクトなボディながら拡張性も確保されているので、PC自作に興味がある方なら、将来的には拡張して楽しむこともできそうだ。
なお、同じA10-7870Kを搭載したモデルでも、8Gバイトの標準メモリ(PC3-12800)を搭載したモデル「LM-AR330X」ならば、7万8624円(送料/税込)で用意されている。家庭向けの実用PCとしてはこちらでも十分なパフォーマンスがあるので、合わせて検討してほしい。
→PC USER特設ページ「mouse computer station」
超コンパクトなスティック型PC「m-Stick MS-NH1」が人気沸騰! 4K対応IGZO液晶+GTX 970Mの快速ゲーミングノートも!!
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.