従来、XPOWERシリーズでは、オーバークロックを重視した多彩な機能を用意してきた。Z170A XPOWER GAMING TITANIUM EDITIONで一番インパクトのあるOC機能といえば「OC Dashboard」だ。これは、着脱可能なコントローラモジュールで、電源のオン/オフ、BCLKの増減やCPU倍率の変更、残留電圧を放出する「DISCHARGE」ボタン、BIOS進入モードである「GO2BIOS」ボタン、液体窒素冷却では「SLOW MODE」の適用可否などが設定できる。
OC Dashboardはドーターカード形状で、カードの裏にあるコネクタをマザーボード上の専用コネクタに装着できるほか、付属のケーブルで接続すれば、ワイヤードリモコンのようにも利用できる。なお、マザーボードには「EASY BUTTON 3」として電源ボタンやリセットボタンなどを備えているので、一部の機能はOC Dashboardと重複する。ただし、あくまで簡易なEASY BUTTON 3と、本格的なオーバークロック設定ができるOC Dashboardでは、その用途は異なっている。
OC Dashboardは、マザーボード上の「V-CHECK POINTS 2」の端子との干渉を避けた切り欠きを設けているので、ケーブル接続のときは当然として、マザーボード上に装着した状態でもでもV-CHECK POINTS 2が利用可能だ。V-CHECK POINTS 2は、従来同様、マルチメータのような計器を接続し、必要な部分の電圧をリアルタイムで計測するためのものだ。特にオーバークロックにおけるベンチマークテストで、PCがリセットするような状況において、その原因を+12ボルトの変動から確認するといった用途で有効な機能だ。
また、マザーボードの基板に「DIRECT USB」と呼ぶUSB Type-Aを備えている。オーバークロックの設定では、PCケースに収めるのではなくバラック状態で行うことが多いが、こういう環境において、バックパネルから離れた方向からもUSBメモリを差すことで、バックパネルに手を回す手間を省くものだ。さらにUSB Type-AからSerial ATA変換ケーブルを利用すれば、ホットスワップベイのUSB化が可能だろう。スペックによるとUSB 3.1であるようなので、速度の面でも問題ない。
このほか、BIOS切り替えスイッチ付きの「MULTIBIOS II」、各PCI Express x16スロットの使用可否を強制的に変更する「CEASEFIRE」機能などを備えている。
オーバークロックで安定した動作に大きく影響する基板設計では、電源回路は16フェーズで、DrMOSを採用している。チョークコイルには、特別な「Titaniumチョーク」を採用した。外部だけでなく、内部にもチタンを用いているようで、耐久性や安定性に寄与するのはもちろん、デザイン上のアクセントとしても有効だ。これに、MSIが独自に定める品質基準“Military Class”に準拠する「Hi-c CAP」や低ESRの「DARK CAP」などを組み合わせている。
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