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「Surface Pro 4」さえあれば、何もいらないは本当か?Surface Pro 4完全検証(最終回)(1/3 ページ)

» 2015年12月26日 13時00分 公開

Surface Pro 4はモバイルノートPCの買い替え候補になる?

 日本マイクロソフトの「Surface Pro 4」を徹底検証する本特集。これまでパフォーマンス携帯性ディスプレイと筆圧ペンType CoverおよびSurfaceドックをそれぞれレビューしてきた。

Surface Pro 4 日本マイクロソフトが国内で販売している「Surface Pro 4」

 最終回ではその総括として、クラムシェルノートPCとの違いに注目し、Surface Pro 4の実力を評価していく。Surfaceシリーズのキャッチフレーズは「これさえあれば、何もいらない」だが、モバイルノートPCの買い替え候補にSurface Pro 4を検討している人も少なくないはずだ。4世代に渡って進化してきた高性能WindowsタブレットPCのSurface Pro 4は、2in1デバイスとしてどれくらいモバイルノートPC代わりになるのだろうか。

 以下の評価は、それぞれクラムシェルノートPCの標準に対して、Surface Pro 4がどのくらいに位置にあるのかを星の数で示した。モバイルノートPCを買うつもりで安心して買えるレベルが星5つというイメージだ。先代からの進化をざっくり見る意味でSurface Pro 3の評価も併記したが、仕様の詳細な比較はバックナンバーを参照してほしい。

パフォーマンス

Surface Pro 4
☆☆☆☆★☆(星6つ)
Surface Pro 3
☆☆☆☆(星4つ)

 パフォーマンス、動作時の騒音とボディの発熱については、第1回で検証した。テストしたCore i5モデルに限って言えば、Core i5-6300U(2.4GHz/最大3.0GHz)の性能はキッチリと引き出しており、高負荷をかけてもパフォーマンスの低下がみられなかった。放熱設計はSurface Pro 3より改善されている。

 SSDはPCI Express 3.0 x2接続ということで、PC向けの最速クラスではないものの、十分快適に使えるパフォーマンスを実現しており、スペック的にも運用レベルでも、クラムシェルのモバイルノートPCと互角以上の性能を誇る。

 なお現在、モバイルノートPCはほとんどが第5世代Core(開発コード名:Broadwell)を搭載しているだけに、いち早く第6世代Core(開発コード名:Skylake)を搭載しているぶんだけ星を1つ上積みしている。最新世代では主にグラフィックス性能が向上しており、ゲームを中心にはっきりとしたアドバンテージが確認できる。

第6世代Core搭載 最新の第6世代Core(開発コード名:Skylake)を搭載し、パフォーマンスも放熱面も問題ない
CrystalDiskMarkスコア Surface Pro 4のCrystalDiskMark 5.0.3スコア。シーケンシャルリードは1499MB/秒と、Surface 3のeMMCに比べて10倍以上、Surface Pro 3搭載SDDと比較しても3倍近いスコアだ。4Kリード/ライト性能も優れている

携帯性

Surface Pro 4
☆☆☆☆★☆☆(星7つ)
Surface Pro 3
☆☆☆☆★☆☆(星7つ)

 ここでの携帯性とは、ボディの持ち運びやすさとバッテリー駆動時間を総合したものだ。こちらは第2回で評価した。Surface Pro 4単体の重量は公称約786グラム(Core m3モデルのみ約766グラム)、Type Coverを含めると約1096グラム(Core i5モデル)になり、評価機の実測値もほとんど変わらなかった。バッテリー駆動時間は公称約9時間に対して実測6時間50分と短めだった。

 Type Cover込みでも大抵のクラムシェルノートPCより軽く、バッテリーも実用レベルを確保している。付属のACアダプターも小型軽量だ。タブレット単体として運用できる点も合わせて、クラムシェルノートPCより身軽に運用できることは間違いないだろう。

携帯性に優れたボディ 重量はタブレット単体で約786グラム、Type Coverを含めると約1096グラム(Core i5モデルの場合)。12型クラスのモバイルPCとして携帯性は高いレベルにある

インタフェース

Surface Pro 4
☆☆☆(星3つ)
Surface Pro 3
☆☆☆(星3つ)

 ノートPCの代替として考えた場合、最もネックになる点がインタフェースまわりだろう。こちらも第2回で評価した。ディスプレイ出力がMini DisplayPortである点はまだしも、USBが1基(USB 3.0 Type-A)のみ、メモリカードスロットもmicroSD(SDXC対応)という点は、やはりノートPCとして考えると使いやすい仕様とはいえない。

Surface Pro 4の主要インタフェース 右側面にはMini DisplayPort出力、フルサイズのUSB 3.0、ACアダプタやドッキングステーションを接続する専用端子のSurface Connectを配置している。その他、ヘッドセット端子やmicroSDメモリーカードスロットを備えているが、クラムシェルノートPCに比べて端子の数は最小限だ

 Bluetoothを活用する、純正アクセサリのドッキングステーション「Surfaceドック」や市販のUSBハブなどを使うなど、補う方法はさまざま用意されているが、利便性は本体標準の装備には及ばない。それで十分なのかどうかは、慎重に判断する必要があるだろう。

Surfaceドック 純正アクセサリの「Surfaceドック」は、4基のUSB 3.0、2基のMini DisplayPort、音声出力端子(35ミリ)、1000BASE-Tの有線LANを搭載する
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