最新インタフェースが魅力のSurface対抗2in1タブレット「HP Elite x2 1012 G1」USB Type-C、WiGig(2/4 ページ)

» 2016年03月25日 09時00分 公開
[石川ひさよしITmedia]

ちょうどいいサイズ感と解像度を狙った液晶ディスプレイ

 液晶ディスプレイは12.1型で、10型クラスの安価なタブレットが主に採用するサイズより一回り大きく、13型クラスのクラムシェル型モバイルノートよりもコンパクトといったちょうどよいサイズ感だ。パネル駆動方式はIPSを採用し、視野角も各角度85度(上下左右170度)と広い。さらに先に述べた通りElite x2 1012 G1のキックスタンドは無段階で角度調節ができるため、融通が効くのもポイントだ。

液晶ディスプレイ 12.1型で1920×1280ピクセル。アスペクト比は3:2だ。IPSパネルで視野角や発色の面も良好。スタンダードな解像度に縦方向を増やした格好で、フォントサイズなどもちょうどよい。そして表計算ソフトや文書作成ソフトなどを開いた際は、より多くの行数を一度に表示できる

 ディスプレイ解像度は1920×1280ピクセルで、アスペクト比は3:2となる。3:2と言えばSurface Pro 4と同様だが、Elite x2 1012 G1は標準的な解像度に抑えたところがポイントとなるだろう。解像度が高すぎず低すぎず、テキストのスケーリングを低く抑えられる。この点、多くのアプリケーションでレイアウトやフォントの崩れを感じずに済むだろう。

 もちろん10点マルチタッチをサポートしているが、それに加えてデジタイザペンも利用できる。ペンはワコムのWacom AES(アクティブ静電結合方式)を採用している。画面からペン先が浮いた状態でもポイント位置を認識したり、ペンで入力する際に手のひらを置いても誤認識しないパームレストリジェクション機能を搭載していたりと、使い勝手は良好だ。

 ペン側に電池を必要とするのが唯一のデメリットだが、1日1時間フルの使用で7.5カ月駆動すると言う。それこそ絵を頻繁に描く用途でもないかぎりペンをフルに使用するということは少ないことから、一般的な用途の範囲では長期に渡ってバッテリー交換せずとも動くだろう。乾電池は単6(E96やLR61とも呼ばれる)を採用しており、さすがにコンビニでは入手が難しいが、家電量販店では取り扱われているようだ。

Wacom AES採用のデジタイザペンを採用。ビジネスモデルだけにセキュリティなどの面をアピールしているが、お絵かき用途にも期待が持てる感触だ

コストパフォーマンス、省電力性能に優れた第6世代Core Mプロセッサを採用

 Elite x2 1012 G1は、プロセッサに第6世代Core Mプロセッサを採用している。Core Mはタブレット向けにTDPを5W程度に抑えたプロセッサで、TDPを抑えつつもSkylake譲りのパフォーマンスを持ち、廉価なAtomプロセッサ搭載タブレットよりも一つ上のパフォーマンスレンジを実現できる。

プロセッサにはSkylake世代のCore Mを採用。評価機ではCore m3-6Y30が採用されていた

 評価機に搭載されていたのはデュアルコア、Hyper-Threading対応で4スレッド実行が可能なCore m3-6Y30(900MHz/最大2.2GHz、2コア/4スレッド、3次キャッシュ4MB)で、定格が900MHz、ターボブースト時で2.2GHzというスペックになる。とくに消費電力を抑えたプロセッサということもあり、定格時、ターボ時のクロックがかなり抑えられている。ラインアップには上位のCore m5/m7プロセッサ搭載モデルも用意されているので、Core m3搭載モデルはエントリー向けという位置付けだ。3次キャッシュは4MB。TDPは4.5W、コンフィグラブルTDPにも対応しており、実際のところどのレンジで用いているのかは不明だが、省電力であることは間違いない。

 グラフィックス機能はプロセッサに統合されたグラフィックスを用いている。グラフィックスの名前はIntel HD Graphics 515で、動作クロックはベースが300MHz、最大で850MHzとなる。こちらもクロックに関してはかなり抑えられている。Intelのグラフィックスでは、GT1/Gt2/GT3といったグレードがあるが、Intel HD 515は中間のGT2に位置する。GPU-Zを見ても詳細なスペックが引き出せないが、恐らくEUは24基ではないだろうか。EU数はまずまず多めで、クロックは控えめという組み合わせの印象だ。

GPU-Zから見たCore m3-6Y30内蔵のIntel HD Graphics 515の仕様。グラフィックスメモリはメインメモリと共用だ

 メインメモリは4GBで、オンボード実装となっている。メモリスロットは搭載していないので増設はできない。プロセッサ側では最大16GBまで対応しているので、4GBという32bitOSでも十分な容量にとどまる点は少々もったいない。ただしコスト上昇を招くパーツでもあるため、とくにエントリー向けモデルでは仕方がないだろう。最上位のCore m7プロセッサ搭載モデルではここが8GBとなるようなので、より多くのメモリを利用したい方は、上位モデルを検討したい。

メモリはLPDDR3-1866で4GB。デュアルチャネルの認識

 ストレージは128GBのSSDを搭載する。仕様を見るとM.2 SSDだが、接続インタフェースにはSerial ATA 3.0を採用している。評価機に採用されていたのはSamsungのMZNLN128HCGR-000H1。クライアント向けSSDに属する製品で、シーケンシャルリードは最大540MB/秒、ライトは最大140MB/秒といった仕様とされる。ただし、製品ロットによっては異なる可能性があるだろう。128GBという容量は、ビジネス向けであればOSと業務アプリケーションをインストールするのに十分だが、個人用途では少々心もとないかもしれない。データファイルに関しては、本体内蔵のmicroSDカードスロットにメモリカードを装着することで補うのがいいだろう。また、こちらも上位のCore m7搭載モデルなら256GBとなる。

CrystalDiskInfo 6.7.5から見たストレージ
128GBのうち、Cドライブとしては115.88GB程度を認識。空き容量は86.3GB程度だった
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