2016年7月29日の無償アップグレード期限まで50日を切った「Windows 10」だが、日本マイクロソフトはWindows 7/Windows 8.1を利用しているユーザーのWindows 10移行に注力している。同社が6月10日に開催した記者向け説明会では、直近の取り組みやWindows 10無償アップグレード期限後の動きについて解説している。
現在、Windows 7/Windows 8.1からWindows 10へのアップグレードは無償で行えるが、期限となる7月29日以降は有償となる。この場合、安価なアップグレード版は用意せず、現状のパッケージ製品やダウンロード製品、もしくは企業向けボリュームライセンスの購入が必要となる。パッケージ版とダウンロード版の価格はWindows 10 Homeが1万7600円(税別)、Proは2万5800円(税別)だ(参考記事)。
ちなみに7月29日以降は、アップグレードやWindows 10の購入を促すポップアップなどは一切表示されなくなるという。なお、Windows 10へのアップグレードを促す通知に注力する理由として、以前の「Windows XP」サポート終了時に「(サポート終了を)もっと早く知りたかった」というフィードバックを受けてとのこと。
さらに、「Windows 7 RTM(非SP1)」および「Windows 8(非8.1)」のユーザーに対しては、6月中旬以降、Windows 10アップグレードの情報をサインイン(ログイン)画面に表示するという。
Windows 7/Windows 8.1では、アップグレードの通知(GWXアプリ)でアップグレードを拒否する方法が分かりづらい設計になっているなど、一部で批判の声が挙がっていた。これが“半強制的”といわれる理由だが、この点について日本マイクロソフトは「ユーザーにキャンセルする選択肢をしっかり用意している。アップグレード後も30日以内なら元のバージョンに戻すこともできる」という見解を示した。
半強制的と批判されるそもそもの争点は、前述したようにユーザーを惑わすようなガイドに問題がある。ネット上で、「朝起きてPCを起動したら、Windows 10になっていた」といった体験談を目にするが、これはWindows 10にアップグレードする意思のないユーザーにキャンセルの方法がうまく伝わっていないという象徴的な出来事といえるだろう。
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同社は「ユーザーのWindows 10アップグレードに対する不安を取り除くことができればアップグレードしてくれると考えている」とし、電話やチャット、Twitterによるサポートを用意するほか、非常に初歩的な内容をビデオで提供するなど、特に初心者へ向けたサポートを中心に引き続き注力する方針とした。
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