「第3回 モバイル端末・周辺機器 展」で展示されていた小型PC「GPD Pocket」の技適(技術基準適合証明等)の認証番号について続報だ。
「GPD PocketはWi-Fiで5GHz帯を使用するにもかかわらず、この番号は2.4GHz帯しか認証していないようだが」ということを筆者はGPD Technologyのブース担当者に質問したが、その場では「確認して折り返す」という回答だった。
その後、「これは別の会社が販売する『自撮り棒』の技適番号なのでは」という指摘がネットユーザーから上がり、調べてみると、その番号は福岡県でiPhone向けのカバーやアクセサリーなどを取り扱う「スペックコンピュータ」という会社が販売する自撮り棒に表示された番号だということが分かった。
これについて、GPD Technology、GPD Pocketの国内販売代理店エム・シー・エム・ジャパン、スペックコンピュータの3社にそれぞれ話を聞いた。
―― GPD Pocket展示機の技適番号の件ですが。
深澤氏 把握しています。GPDがいい加減に書いた番号だと思います。現在、GPDに正式な技適番号を確認しているところです。無線モジュール自体は「GPD WIN」と同じものだと聞いています。GPD WINと同じ番号で問題ないならそれでいき、取り直しが必要ならするとのことです。
―― 日本の販路では正式な技適番号を取得したものを販売するという認識で問題ありませんか?
深澤氏 はい。そのようにGPDと約束しています。
―― 中国のGPDというPCメーカーが、貴社の自撮り棒の技適番号をPCに印刷しています。何か関係などありますか?
スペックコンピュータ 初めて聞きました。確認しましたが、そちらのメーカーと弊社で技術提供などの関係は特にありません。
上記2社に取材した後、エム・シー・エム・ジャパンからGPD Technologyの回答を頂いた。回答内容は以下の通り。
話をまとめると、「展示機に印刷していた技適番号は(なぜスペックコンピュータの番号を使ったのかは不明だが)フェイクで、これから取得する。日本のMakuake経由で販売する分に関しては技適を取得したものを販売するが、米Indiegogoから出荷する製品には技適番号の印刷が間に合わないかもしれない」ということだ。
Makuakeで出資したユーザーにとっては一安心だが、より早く米Indiegogoに出資していたユーザーにとってはやや不安が残る結果になりそうだ。
それにしても、サンプルでウソの技適番号を印刷することは、電波法の第三十八条の七の3、「何人も、第一項(第三十八条の三十一第四項において準用する場合を含む。)、前項、第三十八条の二十六(第三十八条の三十一第六項において準用する場合を含む。)、第三十八条の三十五又は第三十八条の四十四第三項の規定により表示を付する場合を除くほか、国内において無線設備又は無線設備を組み込んだ製品にこれらの表示又はこれらと紛らわしい表示を付してはならない。」とあり、同法に抵触する恐れもある。
外国企業だから国内法に疎いというのは理解できなくもないが、それが免罪符になるわけではない。魅力的なデバイスだからこそ、法に従って販売してほしいと重ねて願うばかりだ。
R(技術基準適合証明)の表示は、技術基準適合認定(電気通信事業法)ではなく技術基準適合証明(電波法)であるという指摘を受け、訂正しました。
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