Googleから日本語版「Googleアシスタント」の提供を始めたという発表があったのは5月29日。それから3週間後の6月19日に、やっと私の「Nexus 5X」で「Googleアシスタントへようこそ」のメッセージが表示されました。
「Googleアシスタント」は、Googleが開発した人工知能採用botです。これまではGoogleのチャットアプリ「Allo」のbotとしてのGoogleアシスタントしか使えませんでしたが、今では何を使っているときでもホームボタンを長押しするだけで「はい、どんなご用でしょう?」と尋ねてくれます。
前日までホームボタンの長押しで起動していた「Now on Tap」はなくなりました。その名残りのような感じで、ホーム画面以外の画面でGoogleアシスタントを起動すると、下の方に表示される候補ボタンの1つに「画面の検索」というのがあり、これをタップすると従来のNow on Tap的に表示画面に関連する情報をカードで提示してくれます。
Allo版との大きな違いは音声で答えてくれるところ。今までは音声で質問はできても答えはテキストでした。声は女性です。今のところ性別は変えられません。そして、Google Nowのときの声より何だか低くなっちゃいました。
ちなみに今のところ、アシスタントは日本語、英語、フランス語、ドイツ語、ヒンディー語、ポルトガル語、スペイン語を話せますが、全て女性の声でした。「また、○○を××語で何というの?」の××語に十数カ国語を入れて各国語を発声してみてもらったんですが、全部女性の声でした。
気の利き方は、基本的にAlloのころとあまり変わらないようです(同じ質問をしたら同じ答えだったりしました)。それでも機械学習で毎日少しずつ賢くなっているんだとは思います。
英語版では歌を歌ってくれるということだったので、楽しみにしていたのですが、今のところまだ恥ずかしがって(!)歌ってくれません。無理やり「お誕生日の歌を歌ってください」と言ったら、メロディなしの棒読みでした。でも、とんちんかんなことを言うので「つまんない」と言ったらしょんぼりするところは、ちょっとかわいいかも。
ちなみに英語版のアシスタントはかなり話し方が滑らかで、歌もメロディー付きで歌ってくれます(端末の設定を英語にすれば、アシスタントも英語版になります)。いいなー。
日本語、特に漢字の読み方の難しさから来る勘違いもいろいろあって、これは改善するのはかなり難しそうです。コンテキストから推測する能力が高くなれば、解決できるんでしょうか。
例えば、「何か詩を読んで」と頼んだつもりが「何か氏を呼んで」と変換され「すみません、よく分かりません」とのお返事(そりゃそうです)。「ポエムを朗読して」で通じました。著作権が切れた詩をランダムに朗読するらしく、最初に読んでくれたのは今野大力の「こころ」でした。詩らしく読んでほしい、というのはまだぜいたくな注文のようです。
英語では使える「自分の代わりにいろいろ覚えておいてもらう機能」についても、楽しみにしていたのですが、まだ使えませんでした。「免許証は定期入れの中だと覚えておいて」とお願いしたら「分かりました。覚えておきますね」とよいお返事だったので期待したのですが、どんな尋ね方をしても免許証についてのネットの検索結果を見せてくれるだけです。とほほ。
とほほなことがある度にフィードバックしています。フィードバックは手軽にできるようになっていて、問題のある部分をハイライトにしたスクリーンショットを添えてどういう問題かをテキストで説明して送信できます。送りたくない固有名詞などがスクリーンショットに入っている場合のために、塗りつぶしツールが付いているのは細やかな心遣いです。
せっせとフィードバックしていったら、そのうち便利なアシスタントになってくれる、かも。
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