普段はMacを使っていても、仕事で使うアプリケーションがWindows OSにしか対応しておらず、仕事上両方のOSを使うという話をよく耳にします。とある知り合いは「いつもMacBookを持ち歩いているけれど、会社の経費精算だけWindowsから行う」とこぼしていました。
そこで今回は、macOS上でWindows OSも使う方法をいくつかご紹介します。
最も分かりやすいのは、Macの標準機能「Boot Camp」を使う方法です。「Boot Campアシスタント」を使い、画面の指示に従うことで、Windowsをインストールできます。
Boot Campでは、macOSとWindows OSを切り替えて使うことになるため、2つのOSを行き来するために再起動が必要になります。つまり、同時に2つのOSを実行することはできません。Mac本体のデザインが好きだけれど、OSは慣れ親しんだWindowsを使いたいというユーザーや、それぞれのOSでやる作業が独立している人に向いています。
もう1つはMac向けの仮想化ソフトを利用して、Windows OSを実行する方法です。Mac上でWindowsも同時に使えるので、Boot Campのように再起動してOSを切り替える必要ありません。しかし2つのOSが稼働するため、メモリとCPUへの負荷が高くなります。
macOS向けの主な仮想化ソフトには、「Parallels Desktop」、「VMware Fusion」、「VirtualBox」などがあります。
代表的な仮想化ソフトの1つ、Parallelsの最新版「Parallels Desktop 13 for Mac」が8月25日に発売されました。今秋リリース予定のmacOS High Sierraと、Windows 10の今秋の更新で搭載が予定されている新機能に対応します。
今バージョンの最大の特徴は、MacBook ProのTouch Barをサポートした点です。WindowsアプリケーションをTouch Barに追加できるほか、Windowsアプリケーション内でもTouch Barを使えるようになります。
Touch Barに対応するWindowsアプリケーションは、Microsoft Word、Excel、PowerPoint、Outlook、およびブラウザのInternet Explorer、Microsoft Edge、Google Chrome、Mozilla Firefox、Opera など、ユーザーの使用頻度の高いアプリケーションを優先的に採用。
アプリによって表示されるボタンが変わるTouch Barのメリットを生かすため、その他のアプリケーションでも、ユーザー自身がTouch Barをカスタマイズする機能も追加しました。
また、連絡先をタスクバーに表示するWindows 10の新機能「People Bar」をMacにも活用。macOSではDockに連絡先のアイコンが追加でき、クリックすると素早くコンタクトをとることができます。
さらにMacで動画などを画面の角に小さく表示させる「ピクチャ・イン・ピクチャ」機能を、新しいビューモードに採用。仮想マシンを常にライブの状態で表示できるため、同一画面上で並行して作業を進めるなどのマルチタスキングが可能になります。
ほかにもパフォーマンスの向上やグラフィックの改善、シンプルなツールをそろえたMac向けToolboxのバージョンアップなど、さまざまな機能が強化されました。
このように仮想化ソフトは、OSを複数使えるだけでなく、それぞれのOSの機能を取り込み、相乗効果を生み出すものもあります。仕事のスタイルや用途にあわせて、最大限のパフォーマンスを発揮できるものを選びましょう。
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