手のひらサイズでもゲーミング! 「GALLERIA mini 1060」じっくりレビュー(2/2 ページ)

» 2018年02月09日 06時00分 公開
[高橋望ITmedia]
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ベンチマークにPUBGしてみた

 続いてベンチマークを実施していく。なお、今回のベンチマークはIntel製CPUにて発見されたバグである「Meltdown」と「Spectre」の修正パッチを適用した環境で計測したため、パッチが提供されていない状況で測定された結果より、一部の結果の数値が低い可能性がある点をご留意いただきたい。

KB4056892が当該のパッチとなる

 標準構成で選択されているSSD「HFS256G39TND-N210A」の速度も十分な結果といえる。この速度に満足できないヘビーユーザーの場合は、NVMe接続のSSDへの換装を考えた方が良いだろう。

「CrystalDiskMark」でのSSDのスピード測定結果

 ストレージの増設には、M.2スロットを利用するものと、本体ボード側の特殊なSATAコネクターを通してSATA接続のドライブを増設する2つのパターンに分かれる。SATA規格のSSD・HDDを増設することはできるが、スペースやエアフローを考えると、なるべくM.2スロットの利用が望ましいだろう。

 ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマークのスコアは11261で「非常に快適」と表示された。

 続いて3DMarkの結果は以下の通りである。

GPU SCORE 3628
CPU SCORE 4816
Graphic Test1 23.91
Graphic Test2 20.61

 カジュアルなゲームをプレイするには十分なスペックだが、AAAタイトル級のハイエンドスペックを必要とするゲームについてはやや心もとない結果といえる。ただ、このサイズでこれだけの結果が出ているのは十分な結果といっていいだろう。

 実際に本モデルを利用して、「夕飯はドン勝だ!」という謎フレーズを生み出したことでも話題のバトルロワイヤルゲーム 「PLAYER UNKNOWN'S BATTLE GROUDS」(以下、PUBG)をプレイしてみた。

「夕飯はドン勝だ!」こと「PUBG」(PLAYER UNKNOWN'S BATTLE GROUDS)

 ストレージがSSDであることや、CPU・GPU共に高速なモデルであることもあり、動作にストレスを感じることなくプレイできた。PUBGはグラフィックスよりも多人数でわいわいプレイすることを前提としたゲームなのだが、ゲーム自体が若干重めの仕様となっており、そこそこのスペックをもったPCが必要となる。

 グラフィックの設定を「高」にした場合は、フレームレートが60〜90fpsを前後する結果になり、「ウルトラ」に設定すると30〜60fpsを前後する結果となった。120Hz対応のゲーミングモニターを利用している場合はグラフィックの設定を「中」にする必要があるだろう(いずれもSteamの付属機能を利用して目視で確認)。

 他にも、少々古いゲームになってしまうが、世界中で大ヒットしたFPSゲーム「Call of Duty : Modern Warfare 2」や「Call of Duty : BlackOps」のキャンペーン(シングルプレイヤーで進めるストーリーモード)をプレイしたところ、グラフィックスの設定をHighに設定しても、ヌルヌルサクサクと動作した。新しいPCを購入したらSteamからダウンロードして、キャンペーンをプレイするぐらいこれらのゲームが大好きなのだが、実はメインで使っているPCのスペックがGALLERIA Miniよりも劣っており、メインPCよりもヌルサクに動くさまを見ると、少し心が折れそうになってしまった。

ゲーミング、こたつの上、テレビサイドと用途はさまざま

 本モデルはGALLERIAブランドからも分かるようにゲーミングPCとして販売されているが、筐体のサイズを考えればさまざまな用途で使うことができる。

 純粋にゲーミングPCとして考えれば、LANパーティーで真価を発揮するのは間違いない。一般のゲーミングPCはとにかくサイズが大きく、日本の国内で持ち運ぶ考慮が二の次になっている傾向がある。その点、本モデルであれば衝撃の対策を行った後、キャリーケースにでも放り込んでしまえば持ち運びは簡単だ。USBから給電できるモバイルディスプレイと合わせれば、かなり魅力的な製品となる。

 最近ではゲーミングノートPCが販売されており、その性能の進化の著しさにやや気おされてしまう部分もあるが、本モデルはデスクトップ向けCPUを搭載しているという大きなポテンシャルがある。ここは、プレイするゲームによっては優位に働くこともあるはずだ。

 また、ゲーミングPC以外でも多くの用途が考えられる。例えば本体のコンパクトさを有効活用するならば、今の時期多くの人が恩恵を享受している、こたつの上におけるゲーミングPCというのはインパクトが大きい。普通のゲーミングPCは机の上に置かれることは想定されておらず、多くのユーザーが机の下にPCを置いているだろう。

 一方、本製品を利用すればこたつの上にゲーミングPCを気軽に設置し、こたつでぬくぬくと暖まりながら、気楽にゲームができるのである。もちろん「あ、これはちょっと真面目にやらないと」と感じたときは、机と椅子がある環境に本体を持って移動すれば、火花を散らす戦いに切り替えることも簡単だ。

 もう1つ考えられるのは、テレビサイドに置くPCだ。最近ではAndroidのセットトップボックスやスマートテレビの普及の兆しが見られているため、徐々に業界自体の注目度が下がっている使い方なのだが、本製品のコンパクト・高スペックな仕様を考えればいろいろな用途が思い浮かぶ。本製品は4K60Hzの出力に対応しているため、4Kのテレビに接続すれば4K画質のYouTubeを閲覧できる。

 最近では複雑な操作を必要とせず、ゲームパッドを使ってプレイできるゲームも多くなってきた。そのようなゲームの場合は大画面のテレビで、みんなでワイワイ楽しみながら……というのも悪くない。ハイスペックなPCをテレビの隣に置けるのは、無限の可能性を秘めており、利用者によって多くの用途が思い浮かぶだろう。もし、テレビサイドに設置できるハイスペックなPCを探している場合は本モデルが有力候補になる。

 最後に考えられるのが、机のスペースを取らないハイスペックPCというニーズだ。事情は人それぞれあるだろうが、昔からコンパクトPCの需要というのはこういった所から生まれている。本体サイズが小さければ、開いたスペースを有効活用ができる。PCには最低限の場所しか取られたくない、できれば小さい方が良いなど、そういったニーズにも応えられる製品といえるだろう。

 以上がレビューとなるが、いかがだっただろうか。確かに小型のゲーミングPCと聞くとやや風変わりなイメージを受けるが、製品としてのクオリティーは高く、目立った問題点もなかった。それよりもサイズのポテンシャルを生かした活用方法を考えるのが面白かったため、筆者も1台購入したいモデルだ。

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