もう1つ、「スマートホームスキル」で動作するデバイスかどうかも、チェックしておいた方がよい。スマートホームデバイスを動かすためのAlexaスキルには「スマートホームスキル」と「カスタムスキル」の2種類があるが、カスタムスキルを使っている場合、そのデバイス固有の「呼び出し名」を音声コマンドに含める必要がある。
例えば、スマートホームスキルであれば「Alexa、電気をつけて」で済むところ、カスタムスキルでは「Alexa、○○(呼び出し名)で電気をつけて」と、音声コマンドが長く言いにくいものになってしまう。
カスタムスキルはスマートホームスキルに比べ、エアコンの温度設定のような機器特有の操作をメーカーが細かく作り込めるのが利点だが、音声コマンドが長ければその分、認識率も下がるし、何より言いにくい。どうしても詳細な操作にこだわるのでなければ、現状ではカスタムスキルにしか対応しないデバイスは、なるべく避けた方が無難だ。
またカスタムスキルだと、Alexaアプリの「定型アクション」が利用できないのも大きなネックだ。定型アクションは、複数の機器を1つの音声コマンドで制御できる機能で、例えば帰宅時に自室の照明とエアコンを同時につける、といったことができる。自宅内のスマートデバイスが増えると利用頻度が高くなる機能だ。
だが、この定型アクションが使えるのはスマートホームスキル対応のデバイスだけで、カスタムスキルにしか対応しないデバイスは選択肢にすら表示されないため、自然と仲間外れになりがちだ。
将来的に定型アクションがカスタムスキルをサポートする可能性もなくはないが、こうした観点からも、現時点ではカスタムスキルにしか対応しないデバイスよりも、スマートホームスキルに対応したデバイスを選んだ方が安全パイだろう。
ちなみに、スマートホームスキルかカスタムスキルかどちらかを見分けるには、そのデバイス向けのAlexaスキルを探し、スマートフォン向けアプリの画面で詳細情報を確認すればよい。スマートホームスキルを使っていればその旨が、カスタムスキルを使っていれば呼び出し名が書かれているので一目瞭然だ。
あるいは前述の「Works with Amazon Alexa」バナーはスマートホームスキルを使っていることが認定条件の1つであるため、そちらで判別してもよい。
なおラトックシステムの「RS-WFIREX3」のように、現状ではカスタムスキルにしか対応しないが、将来的にスマートホームスキルへの対応を予告しているデバイスもあり、こちらであれば用途に応じてユーザーが選択できる可能性が高い。こうした先の見通しまでチェックしておけば、より失敗を減らせるだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.