「XPS 15 2-in-1」は絵師の夢をかなえるか 人気イラストレーターが徹底検証(5/6 ページ)

» 2018年09月22日 11時00分 公開
[refeiaITmedia]

彩色

 さてさて、一番心配だった工程が一応終わったので少しほっとしました。色を塗っていきましょう。

発色とトーンが安定しているので、淡い色使いもしやすいです

 最近テストしたものの中では一番オン荷重が大きいので心配しましたが、多少意識してさえいれば上の画像のような淡い部分も塗っていけます。……と思ったのですが、今までの他機種のレビューでは体験しなかった、新たに気になる点が出てきてしまいました。「引っ張るようなストロークが途切れやすい」のです。

 ペンは普通、少し斜めに持ちます。それを、傾けた方に押すように描いた場合はペン先が摩擦で押されて筆圧検知が大きい値に、その逆に引くように描いた場合は、摩擦でペン先が引っ張られて筆圧検知が小さい値になることは理解してもらえると思います。

 この現象自体は普通のことで、Cintiq Proでも起こりますし、棒状の芯を採用していないApple Pencilですら起こることは手元で確認しています。仕方ないし気にするほどでもない、というのがこれまでの自分の結論でした。

 しかし、本機では、オン荷重が大きいことと、光沢画面のわりに摩擦があること、他にペンの構造なども関係しているのでしょうが、傾けた方向に引っ張るストロークが、軽いとはいってもちゃんとした筆圧をかけているつもりなのに出ない、または途中でぷつぷつと切れてしまう、ということが何度も起こりました。

 自分の場合は、彩色で薄めに広く引きたい場合に問題が出やすいストロークになりがちなので、ストレスを感じます。

 とまあ……いろいろありましたが、最後にPhotoshop CCで色や形をいじって光の効果などを加えて完成しました。

完成

 それにしても、もちろん期待もしていましたが、動作速度には感心しました。

 ゲーミング用途を見据えてIntel製ではなくAMD製GPUを内蔵するまでして作られたCPUを搭載した本機の処理能力は、さすがに高いです。細かい性能は他のレビューを見てもらうとして、CPUは先代ぐらいのデスクトップ向けCore i5と同等の計算パワーがあります。

 CLIP STUDIO PAINTのようなCPU偏重のアプリでもデスクトップ機に近い感覚で大きいブラシを振り回せる一方で、Photoshop CCなどのCPUに加えてGPUがあると有利になりやすいアプリでは、通常のノートPCに入っているIntel UHD Graphicsとは比較にならないパワーのRadeon RX Vega Mが働いてくれます。

 実際に、他の機種のレビュー時より大きめの解像度で作業をしてみていますが、やや単純な構成の絵という事もあって、普段使っているCore i7とGeForce GTXのデスクトップ機よりもモッサリしているように感じる場面はありませんでした。

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