新世代2in1ノート「VAIO A12 ALL BLACK EDITION」徹底レビュー(2/3 ページ)

» 2018年11月14日 19時22分 公開
[鈴木雅暢ITmedia]

クラムシェル状態で持ち運び、タブレットだけ取り出せる

 VAIO A12とキーボードユニットの装着はマグネットとガイドで簡単かつ確実に装着できる。差し込むと同時にロックされ、分離の際はヒンジ部にあるスライド式ロックレバーをアンロックしてから引き抜く仕組みだ。

 このロックレバーの使い勝手も非常に優秀。画面を閉じた状態でも開いた状態でも操作ができる他、レバーはアンロック側にスライドさせた段階でいったん固定されるため、レバーから手を離して、落ち着いて外すことができる。少しコツをつかめば閉じた状態から片手でレバーをスライドさせてアンロックし、タブレットだけを取り出すのも簡単だ。

ロックレバーは画面を閉じた状態でも開いた状態でも操作可能。クラムシェルを閉じた状態で持ち運びつつ、片手でアンロックしてタブレットだけサッと取り出すということも可能

 クラムシェル型デタッチャブル2in1は、持ち運びはドッキング状態で行うことが多いだろう。移動中などにタブレットとして使いたい場合、いったん全部取り出して画面を開いてアンロックして……などという手間がかかると使うことを諦めてしまうが、VAIO A12なら、クラムシェル状態で持ち運びつつ、タブレットだけを取り出すという、これまでできそうでできない製品が多かったことをサラリとできるのは素晴らしい。

スライドレバーはアンロック側(黄色地)にスライドさせると保留され、手を離してもロック側に戻らないため、落ち着いて外せる
タブレットを引き抜くとスライドレバーが自動的にロック側に戻る

5つのスタイルで運用、ワイヤレスキーボードモード

 VAIO A12とキーボードユニットは、180度反転させた状態でも合体が可能。そのため、タブレット単体の「タブレットモード」とクラムシェル型の「ノートPCモード」に加えて、クラムシェルから画面を180度反転させた「ビューモード」、そのまま画面を閉じた「ビュークローズモード」でも利用できる。

VAIO A12とキーボードユニットは、180度反転させた状態でも合体が可能。場面に合わせて5つのモードで使うことができる

 さらに、ワイヤレスキーボードユニットを使う場合は、分離した状態でリモートでキーボードとタッチパッドでの操作ができる「ワイヤレスキーボード」でも活用できる。画面を見せたい相手にしっかり見せられるビューモードやワイヤレスキーボードモードは、プレゼンテーションに最適だ。中でもワイヤレスキーボードモードは、別途ワイヤレスのリモコンやマウスを使うことなく、ワイヤレス操作ができるので、プレゼンテーションの幅も広がる。縦位置でも使うことができるのも便利だ。

分離した状態でもキーボードとタッチパッドが使えるワイヤレスキーボードモードは他の2in1にはあまり見られない機能。縦位置でキーボードやタッチパッド操作できるのは便利だ

モバイル時の安心感が桁違い! 独自の柔軟なバッテリーシステム

 公称のバッテリー駆動時間はタブレットのみで約7.7〜8.5時間。キーボードユニット接続時は7.4〜8.1時間となっている。セカンドバッテリーを内蔵するワイヤレスキーボードユニットの場合は、約14.4〜15時間のバッテリー駆動が可能だ。

 セカンドバッテリー搭載時の放電はキーボードから、充電はタブレットから行われる。つまり、タブレットへできるだけバッテリー容量を残すようにふるまう。また、タブレットのバッテリー容量が少なくなった場合にドッキングすると、キーボード側からタブレット側へ充電する機能も備える。キーボードユニットはモバイルバッテリーとしての役割も兼ねる。

 さらには、USB Type-CがUSB PDに対応しているため、USB PD対応のACアダプターやモバイルバッテリーが利用できる。さらにさに、USB PD非対応のスマートフォン用ACアダプターやモバイルバッテリーを使った「5Vアシスト充電」にも対応。出力が足りないアダプター、バッテリーを使えないようにするのではなく、補助的に使って駆動時間を延長したり、長時間かければ充電を可能にしようというVAIO独自の機能だ(ワイヤレスキーボードユニットには非対応)。

バッテリーレポートの表示。バッテリー容量は、タブレット本体、ワイヤレスキーボードユニットとも23.4ワットアワーだ
USB充電に関する機能は独自ユーティリティー「VAIOの設定」にまとめられている
標準で付属するACアダプターはUSB Type-Cタイプではなく、独自仕様の端子で接続する。出力仕様は45Wだ

 VAIOがテストしたところによれば、USB PD非対応の一般的なモバイルバッテリー(10000mAH)を接続して利用した場合、約5.5時間の駆動時間延長ができたという。また、一般的なスマートフォン用充電器(5V、1.5A)を仕様した場合に約5.5時間で満充電にできたという。いざというときに入手性が高いスマートフォンのACアダプターやモバイルバッテリーを利用できるのは実に心強い。

 ちなみに、標準で付属するACアダプターはUSB Type-Cタイプではなく、独自仕様の端子で接続する。出力仕様は45Wで、タブレットにワイヤレスキーボードユニットを接続した状態で約3時間で満充電にできる。

充実のインタフェース、LTE対応も可能

 タブレット本体に装備するUSB Type-Cは、充電機能に加えて、USB 3.0のデータ転送とDisplayPortによる映像出力(4K出力対応)も可能。タブレット側にはこの他にヘッドフォン・マイク兼用端子、音量調整ボタンを装備する。

 Windows Hello対応の認証デバイスとして顔認証対応のフロントカメラを搭載。オプションで約799万画素の高画質リアカメラ、指紋センサーの搭載も可能だ。

 キーボードユニット側には、新旧プロジェクター向け端子の主流であるアナログRGB出力(D-Sub15ピン)とHDMI、そして有線LAN端子と、ビジネスでの需要が高い端子をカバー。USBは合計で4ポート、SDメモリカードスロット(SDXC対応)も装備している。

 通信機能は、有線LAN、IEEE 802.11a/b/g/n/ac対応の無線LAN、Bluetooth 5を標準装備することに加えて、SIMフリーのWWAN(LTE 最大450Mbps)にも対応している。

左側面のインタフェース。タブレット側には特になく、キーボードユニット側にはUSB 2.0、SDメモリカードスロット(SDXC対応)、セキュリティロック・スロットがある
右側面。タブレット側は電源ボタン、音量調整ボタン、指紋センサー(搭載する場合)、SIMカードスロット、USB Type-C、ヘッドフォン・マイク兼用端子がある。キーボードユニット側の端子は、奥側からDC入力、有線LAN、アナログRGB出力(D-Sub15ピン)、HDMI、USB 3.0だ
背面部。金属製のオーナメント(飾りを兼ねた補強部材)含め、ALL BLACK EDITIONは全てブラックで統一されている

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