Intel NUCで最新SSDを比較してみたさらば平成、さらば水冷、いくぜNUC(1/2 ページ)

» 2019年02月22日 14時30分 公開
[田中宏昌ITmedia]

 とある自作PCユーザーが平成最後の年にふと目覚め、ほぼ5年ぶりにPCを新調した経緯をまとめた本連載。前回の記事では、Intelが提唱したNext Unit of Computingこと「NUC」(ナック)にメモリとSSD、OSをインストールして、5年前のハイエンドPCと性能などを比べてみました。

 第4回となる今回は、完成したIntel NUCを使ってNVMe SSDのハイパフォーマンスモデルをテストしてみました。

Intel NUC Intelの新型NUCファミリーで最上位のベアボーンモデルとなる「NUC8i7BEH」

最新のSSDモデルをテスト

 一口にSSDといっても、PCI Express(NVMe)やSerial ATAといったインタフェース、QLCやTLC、MLCやSLCなどのNANDフラッシュメモリ、コントローラーに加え、フォームファクターやコネクタの形状などで千差万別です。

 Intel NUCには、ストレージ用にSerial ATAとM.2のコネクタが1基ずつ用意されています。M.2スロットの形状はKey Mで、長さはType 2242とType 2280に対応し、SATAもしくはPCIe Gen3×4いずれかの接続をサポートしています。さらにIntel Optaneメモリーも装着できるので、別途HDDと組み合わせることで比較的安価かつ高速な大容量ストレージ環境も構築が可能です。

 今回はNVMe SSDの中から、ハイパフォーマンスモデルとなるウエスタンデジタルのSSD「WD BLACK SN750 NVME SSD」と「WD BLACK NVME SSD 2018」を比べてみました。どちらも片面実装タイプの現行モデルで、フォームファクターはM.2(2280:22×80mm)、容量は1TBでそろえました。

ウエスタンデジタルSSD ウエスタンデジタルの「WD BLACK NVME SSD 2018」(左)と最新モデル「WD BLACK SN750 NVME SSD」(右)のパッケージ
ウエスタンデジタルSSD どちらも片面実装タイプで、コントローラーやメモリは表面にまとまっています
ウエスタンデジタルSSD 裏面はフラットに仕上がっています。上がSN750、下がWD BLACK 2018です

 前者のシーケンシャルリードが最大3470MB/s、シーケンシャルライトは最大3000MB/s、後者はそれぞれ最大3400MB/s、最大2800MB/sという公称値です。Samsungの「EVO 970 Plus」などライバル機に比べると多少の上下はありますが64層の3D TLC NANDを採用したSSDとしてはハイエンドに属するモデルで、PCI Express 3.0×4(約3.94GB/s)の限界に迫りつつあるのが分かります。

 以前のNVMe SSDは高負荷が続くと激しい発熱に見舞われ、性能が低下するという問題もあったのですが、現行モデルはそこまで極端なことはなくなっています。ただ、放熱に配慮した方がベターなのは変わりなく、最新のSN750はヒートシンク付きモデルが3月に発売される予定になっています。

 このIntel NUCも、M.2スロットの上部にあたるケースシャシーに熱伝導シールが用意され、ボディー全体で放熱するように工夫が施されています。そのため、SN750のヒートシンク付きモデルといった特殊形状タイプは装着が難しい形です。

Intel NUC ケースカバーを開けたところ。M.2スロットの形状に合わせて熱伝導シールが貼られています(左)

 ユニークなところでは、ウエスタンデジタルが無償で提供しているユーティリティー「WD SSD Dashboard」に違いが見られます。新モデルのSN750では、SSDの省電力機能を無効にして常にSSDの性能をフルに発揮するという「ゲームモード」が追加されました。従来モデルでは利用できず、SN750ならではの特徴となっています。

 このゲームモードを常時利用するのであれば、SSDの冷却は真剣に考えた方が無難でしょう。また、モード切り替え時にはシステムの再起動が必要になります。

Intel NUC ウエスタンデジタルが提供しているユーティリティー「WD SSD Dashboard」の画面。新モデルのSN750では新たに「ゲームモード」が追加されています
Intel NUC こちらは前モデルでの画面。ゲームモードの選択肢がありません
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