ゲームの世界も“Netflix化”していくのか:ITはみ出しコラム

» 2019年06月16日 06時00分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]

 今年も世界規模のゲーム見本市「E3(Electronic Entertainment Expo)」がロサンゼルスで開催されました。ソニーが参加しなかったこともあり、あまりチェックしていませんでしたが、感想としては「ゲームの世界もNetflix化していくのか」というところです。

 Netflixは、毎月支払う定額料金で動画をストリーミング(ダウンロードも可能)で楽しむサブスクリプションサービスです。

 ゲーム業界でもサブスクリプションサービスは数年前からありますが、ダウンロードしてプレイするものが中心でした。“Netflix化”とは、ゲームも、PCやMac、スマートフォンなどにインストールしたアプリ(またはWebブラウザ)からストリーミングでプレイするということです(ゲームが遊び放題なのか、一部ゲームが無料なのかなど、サービスの内容はそれぞれです)。

 ストリーミングでゲームを楽しむ大手のサブスクリプションサービスとしては、既にソニーの「PlayStation Now」があります。

ps now ソニーの「PlayStation Now」

 日本では利用できませんが、Microsoftは「Xbox Game Pass」、NVIDIAは「GeForce NOW」(まだβ版なので無料)といったサービスを海外で提供しています。

GeForce NOW NVIDIAの「GeForce NOW」

 そこに、E3の前からGoogleは「Stadia」を、Microsoftは「Project xCloud」を、Appleは「Apple Arcade」を発表しました。各社で内容は違ってひとくくりにするのはちょっと乱暴ですが、いずれもサブスクライブするとゲームをストリーミングでプレイできます。

Stadia xCloud Apple Arcade Googleは「Stadia」、Microsoftは「Project xCloud」、Appleは「Apple Arcade」を発表

 E3ではさらに、ゲームメーカー大手のBethesdaがサブスクリプション制ストリーミングサービス「Orion」を、Ubisoftが初のサブスクリプションサービス「UPlay Plus」を発表しました。UbisoftのはEAの「Origin Access」と同様にゲームをダウンロードするサブスクリプションサービスですが、将来的にはGoogleのStadia経由で利用できるようになるとみられています。

Orion Bethesdaの「Orion」

 E3では、スクウェア・エニックスもサブスクリプションサービスに参入するかもしれないヒントがありました(これがストリーミングなのかダウンロードなのかはまだ不明)。松田洋祐社長がGame Informerのインタビューで、ストリーミングサービスのための社内プロジェクトを立ち上げ、プラットフォームを横断して利用できるようにするよう取り組んでいると語ったのです。

 少し前に動画のストリーミングサービスが群雄割拠状態だなぁと思ったばかりですが、今度はそれがゲームの世界でも始まろうとしています。

 動画のストリーミングサービスもまだ、どこが勝つのか見えません。それぞれにどれだけ独占でキラーコンテンツを出し続けられるかにかかっていそうです。それは、ゲームも同じでしょう。

 動画との大きな違いは、ゲームの場合は操作に対する画面表示の遅延が許されないこと。だから、遅延のないサービスを提供するためのインフラがしっかりしているかどうかは重要です。

 その点、Azureを持っているMicrosoft、Microsoftとの提携を発表したソニー、Google CloudとTensorFlowを持つGoogleは強そうです。NVIDIAももちろん、そこがウリです。

microsoft & sony XboxのMicrosoftとプレステのソニーが、クラウドベースのゲームとAIで提携(発表時の写真)

 ユーザーとしては、サブスクリプションの方式や特徴、価格がそれぞれ微妙に違うので、どこに入るか比較検討するのが大変そうです。ストリーミングサービスによっては専用ゲーム機を買わずに済みますが、やりたいゲームごとに複数のサービスにサブスクライブしなければならないとしたら、物入りなことになりそうです。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年10月23日 更新
  1. 「iPhone Duo」を1週間使って分かった、全部盛りではない“上質さ” 心地いい開閉ヒンジの内部を見るために“非破壊検査”してみた (2026年10月21日)
  2. FCCLが「FMV Keyboard X」の一般販売を開始 ハイスペックマウス「FMV Mouse X」も同時発売 (2026年10月22日)
  3. スマホは「バッグの中」から「外」へ AULUMUのスリングバッグ2種で移動時のプチストレスを解消した (2026年10月22日)
  4. 約22万円の新型「Mac mini」で初めてのローカルAI体験 ストレージの価格高騰対策にピッタリかも (2026年10月20日)
  5. 若者向けのカラフルな新「Dell 14S」が日本上陸 11月1日まで4.5万円引きの14万9800円から (2026年10月22日)
  6. 「iPhone Duo」は開けばiPad、閉じればiPhone? いいえ「別ジャンル」です──使うと見えてくる、Appleが考える「フォルダブルスマホ」の流儀 (2026年10月21日)
  7. 実家に眠るVHSとCD、帰省中にデジタルで残すには? PC不要のビデオキャプチャーとCDレコーダーが使える! (2026年10月21日)
  8. 14型モバイルノートPC「FMV Note U」に新モデル登場 約634gモデルに加えて「ゴジラ-0.0」コラボモデルも (2026年10月22日)
  9. PFUから33万円キーボード「HHKB Professional Elite」登場! 英語配列のみで有線特化の“原点回帰” 全世界300台限定 (2026年10月22日)
  10. アイオー、テレビ録画用HDD計4シリーズの新モデルを発売 (2026年10月21日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー