Dynabook株式会社(以下、Dynabook)が7月9日、独自イベントの「dynabook Day 2019」にて新サービス「Enterprise Mobility+Security導入支援サービス」を発表し、国内株式市場に2021年度中の上場を目指すとした。
イベントの冒頭、同社代表取締役社長兼CEOの覚道清文氏が「2019年6月でdynabookブランドが30周年を迎える。ノートPCのパイオニアとしての教示を胸に、先進的な価値を具現化するものとして大切に守っていき、さらなる商品化を進めていく」とした。
さらに「2018年に社名を東芝クライアントソリューションからDynabookに変更し、新たな企業ビジョンとして『コンピューティングとサービスを通じて世界を変える』を制定した。『人に寄り添う、社会を支える、真のコンピューティング(dynabook as a Computing)』と『ユーザーを起点に考えた新しい付加価値・サービス(dynabook as a Service)』という2つの軸を追求し、一層の事業拡大を進めることで、2021年度中に国内株式市場へ上場を目指していく」(覚道氏)と改めて発表した。
上場までの道筋としては、「年次単位で黒字化を定着させた後に申請という流れをイメージしており、売上規模も順調に増えている。ハードウェアへの依存を下げた上で、サービスや課金サービスで顧客と長い付き合いの中で収益を上げていき、それを続けることが投資家の期待に応えることだ。今後も事業体質の改善を続けていく」と述べた。
このコンピューティングの分野は、dynabookシリーズに加え、デスクトップPCや、モバイルエッジコンピューティングデバイスといった商品領域の拡大を図り、サービス事業の分野にでさらなる事業拡大を推し進めるという。
具体的には、国内サービス商品をサービス、デバイス、プラットフォームの3つに体系化し、それぞれを組み合わせるて顧客に最適な提案をワンストップで提供する他、サービスやソリューション商品を強化して事業領域を拡大し、2019年度中に「サブスクリプションメニュー」を展開するとした。
その第1弾として、クラウドサービスの導入で顧客のIT管理を支援する「Enterprise Mobility+Security導入支援サービス」も発表し、8月1日よりサービスを始める。Microsoftが提供するセキュリティとモバイル管理を行うプラットフォームで、導入支援サービスだけでなく、ヘルプデスクサービス、運用代行サービスなども用意される。
シャープグループの一員となったことで、覚道社長は「シャープによる組織改革やホンハイとの調達活動によるコストダウンがこの9カ月で大きく貢献し、黒字基調になってきた。販売面でシャープとの協業、特にB2Bで効果が出てきている。ただ、長い目でみて安定していくには、ハードウェアへの依存を下げつつサービスにも軸足を置いてやっていくことが必要だ。その1つが今日発表のサービスとなる。国内の法人事業では、売り上げの40%程度がハードウェアの本体以外から出ており、全体としては20%程度をサービスで稼げればいいと思っている」と見通しを語った。
今後については、8Kの分野でインプットとアウトプットの間にある編集作業を容易に行えたり、簡単に色補正を行えたりするようなソリューションを検討中で、5GサービスはフォルダブルPC、5Gの環境で利用できるモデルなどを考えているとした。
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