キーボードの使い勝手はどれだけ変わる? CHUWIの8型超小型PC「MiniBook」を試す夏の超小型PC特集(1/3 ページ)

» 2019年08月07日 09時00分 公開

 今回取り上げる「MiniBook」は、中国CHUWIがクラウドファンディング(Indiegogo)で出資を募集している超小型PCだ。ディスプレイサイズは8型で画面解像度は1920×1200ピクセルと、既に紹介してきたGPD Technologyの「GPD Pocket 2」や、One-Netbook Technologyの「OneMix2S」といった7型ディスプレイ搭載モデルと比べて画面サイズが一回り大きい。

MiniBook CHUWIの超小型PC「MiniBook」

7型よりも一回り大きい液晶ディスプレイを搭載したMiniBook

 そのおかげで、キーピッチが標準的なアルファベットキーで約19mmとデスクトップPC向けキーボードとほぼ同等のサイズを確保できている。ただし、その一方で本体サイズは201(幅)×128.6(奥行き)×19.3(厚さ)mm、重さが約660gと、7型ディスプレイ搭載モデルと比べて大きく(OneMix2Sと比べて幅が20mm、奥行きが18.6mm、厚さが2.3mm程度大きい)、ボディーは重い(同じくOneMix2Sと比べて約145g重い)。

 上記のスペック的なサイズと重さ、搭載するインタフェース、キーピッチとキーレイアウト、そして、クラムシェルスタイルとタブレットスタイルに変更できる2in1構造などについては、既に掲載したフォトレビューで取り上げた通りだ。

MiniBook 天面部分にCHUWIのロゴがある

 本記事では、MiniBookの「8型ディスプレイ」「19mmのキーピッチ」がもたらす使い勝手の良さと、「大きくなった本体サイズ」「重くなった本体重量」のトレードオフについて実際に使用して検証した。

 なお、MiniBookは現在Indiegogoでクラウドファンディングを実施中だが、CPUやメモリ容量、ストレージ容量が異なるモデルの他、メモリやSSDの増量などを選択肢として用意している。

 今回評価するのは、CPUが4コア4スレッドのCeleron N4100(1.1GHz〜2.4GHz)で、メモリが8GB、ストレージがeMMC 128GB、キーボードはASCII配列という構成だ。そのため、処理能力の評価では2コア4スレッドのCore m3-8100Y(1.1GHz〜3.4GHz)を搭載した上位構成とは異なる。もっとも、キーボードやポインティングデバイスの使い勝手、本体のサイズと重さに由来する取り回しなどの考察は、いずれのモデルでも共通だ。

ストレスがかなり減ったMiniBookのキーボード

 超小型PCというカテゴリーにおいて、やはりMiniBookの評価はキーボードの使い勝手と重量とのトレードオフをユーザーそれぞれがどのように捉えるか、に左右されるだろう。

 とはいえ、スマートフォンでもなく、13.3型クラスのディスプレイを搭載したモバイルPCでもなく、MiniBookを選ぶならば、そのユーザーの利用目的としてはスマホにはない物理的なQWERTYキーを使った文字入力と、13.3型モバイルPCの重さ1kg弱、本体サイズは一般的な約300(幅)×200(奥行き)×15(厚さ)mm前後よりも明らかに軽くて小さいボディーによる使い勝手を求めるはずだ。いきおい、キーボードの使い勝手と本体のサイズや重さのトレードオフが重要になってくる。

 MiniBookのキーボードは、OneMix2Sの拡大版といえる。光学式のポインティングデバイスを「B」「N」キーと、2分割した左右スペースキーの間に配置し、スペースキーの下に左右のクリックボタンを配置したり、通常のキーボードでは「0」「P」「L」キーより右にあるキーを別な場所に移したりとキーレイアウトは似通っている。

MiniBook MiniBookのキーボード。バックライト機能を備える
MiniBook こちらはOneMix2Sのさくらピンクエディション

 MiniBookの場合、主要キーのキーピッチは19mmあるので指の動きには余裕があり、その意味でストレスはたまらない。OneMix2SとGPD Pocket 2ではタイプするときに中指と薬指、薬指と小指がすれることがあってそれがストレスとなる場合もある。筆者は、キーピッチが狭いキーボードを長期間使っていたときに、自然と親指と人差し指、中指を使う“3本指タイピング”を習得してしまった経験を持つが、MiniBookでは5本指タイピングでも隣接する指がすれることはない。

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