先述の通り、CPUは第9世代Coreシリーズに属するCore i7-9750Hを搭載。クリエイティブノートPCやゲーミングノートPCで定番的に搭載されている高性能ノートPC向けプロセッサだ。
前世代の「Core i7-8750H」(2.2G〜4.1GHz、6コア12スレッド)と比較すると、動作周波数が上がり、シングルスレッドとマルチスレッドの性能も向上しており、ビジネスはもちろん、クリエイティブやゲームなど、さまざまな用途で快適に使える。
これも先に述べたが、独立GPUとしてGeForce GTX 1650も搭載している。最新世代の「Turingコア」を採用した最新のメインストリーム向けGPUで、4GBのビデオメモリを備える。
描画性能は、先代の「GeForce GTX 1050 Ti」と「GeForce GTX 1060」の中間程度。フルHD(1920×1080ピクセル)程度の解像度であれば、たいていのゲームは中〜高画質で楽しめる。処理的に重たいゲームでも、画質設定を落とせば十分にプレイ可能だ。
プレビュー表示やフィルタ処理などを高速化するGPUアクセラレーション(NVIDIA CUDA)にも対応しているので、対応するクリエイティブアプリケーションなら処理速度の向上を期待できる。
m-Book Wシリーズは、DDR4 SO-DIMMスロットを2つ備え、M.2 SSDと2.5インチストレージを1つずつ搭載できる。
メインメモリは標準でDDR4-2400(PC4-19200)の8GBモジュールを2枚(計16GB)搭載するが、カスタマイズするとアクセスがより高速なDDR4-2666(PC4-21300)モジュールを選んだり、最初から最大容量の16GB×2(合計32GB)を搭載したりできる。メモリのアクセス速度差がパフォーマンスに影響する場面はかなり限られるので、予算に余裕がある場合のみ検討すればよいだろう。
ストレージは標準でSerial ATA接続の256GB M.2 SSDを搭載している。カスタマイズすると、最大2TBまでの2.5インチHDDを追加できる他、M.2 SSDをより高速なPCI Express接続(NVMe規格)のものに変更したり、NVMe規格でもより高性能なSamsung Electronicsの「PM981」に変更したりできる。容量まで含めると、実に多くの選択肢が用意されている。
液晶ディスプレイのサイズは17.3型で、表示解像度はフルHDだ。表面はノングレア(非光沢)仕上げのため、照明や外光などが映り込みにくく、視認しやすい。
液晶の配向方式は記載されていないが、評価機の目視の視野角は上下/左右とも広く、斜めから見ても表示が破綻しないため、IPS系のパネルを使用していると思われる。
エックスライトのカラーキャリブレーションセンサー「i1 Display Pro」を用いて実測したところ、輝度は290ニト、コントラスト比1163:1、標準の色温度7435K、色域はsRGB面積比99.9%(カバー率93.6%)だった。クリエイティブ用途にも使える水準だろう。
キーボードはテンキー付きで、主要キーのキーピッチは約18.2mm、キーストロークは約1.8mmという仕様だ。フルサイズよりはわずかに狭いピッチだが、この程度ならすぐに慣れるだろう。
スイッチの感触はやや反発が強く、フカフカしたソフトな感触があるが、底部の剛性はしっかりしていて、たわみなどはない。RGB LEDバックライトも備えており、付属のユーティリティーソフトウェアで発光色を調整できる。
キーボード手前には2ボタン式のタッチパッドを搭載している。段差がないフラットタイプなので慣れるまでは使いにくいかもしれない。パッドの左上には「Windows Hello」対応の指紋センサーを備えており、指をそっと置くだけでログインできるので便利だ。
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