プロナビ

Chromium Edgeで何が変わる? 2020年のWindows 10Windowsフロントライン(1/2 ページ)

» 2019年09月06日 12時00分 公開

 Windows 10の標準ブラウザである「Edge」が、従来の「EdgeHTML」を使ったエンジンから、Googleらが推進する「Chromium」をベースとしたエンジンへと切り替える大胆な構想が発表されたのが2018年12月のことだが、それから約5カ月が経過したタイミングで「Microsoft Edge Insider」のサイトが開設され、「Canary」と「Dev」の2つの配信チャネルを介した“Chromium Edge”の開発途上版をテストする環境が提供された。

Edge InsiderのWebサイト

 それからさらに4カ月以上が経過し、それまで「Coming Soon」で予告されていたβチャネルでの開発途上版の配信が開始された。対象となるのはWindows 7/8.1を含むサポートが継続されているWindowsプラットフォームの全て、ならびにmacOSで、現在Edge InsiderのWebサイトにアクセスすると、まずβ版のダウンロードを促すリンクが表示されるようになっている(従来のCanaryやDevにも引き続きアクセスできる)。今回はこのChromium Edgeの最新事情について少し触れたい。

β版に到達したChromium Edge

Chromium Edgeの特徴と注意点

 Microsoftによれば、Edge Insiderを開始して以降Chromium Edgeは100万件以上のダウンロードを達成し、14万件以上のフィードバックを得たという。またChromium Projectに対しても現時点で1000以上のコミットを行っているとのことで、一定の成果を得つつある。

 これまでは主に開発者や先行ユーザーを対象としたものだったが、今回のβチャネル提供をもって「the next version of Microsoft Edge is ready for everyday use」を旗印にしており、一般ユーザーや企業ユーザーを含むより多くのユーザーに利用してほしいという。

 βチャンネルにおいてもChromium Edgeは引き続き「プレビュー版」の扱いの域を出るわけではないが、現在Windows 10 Insider Program参加者で、Fast Ring向けに提供されている2020年前半リリース予定の大型アップデート「20H1」に何らかの形でマージされ、2020年中にはかなりの数のWindows 10ユーザーに拡大することになるだろう。なお、このタイミングで脆弱(ぜいじゃく)性の洗い出しを行う賞金総額3万米ドルのBug Bounty Program開催を告知している。

Bug Bounty Program開催の告知

 また、Microsoftでは今回βチャネルにリリースされるChromium Edgeについて、2019年5月に開催されたBuild Conferenceで予告していた次の機能が既に含まれていることを報告している。エンタープライズ向け機能の紹介が中心で、Chromium Edgeの目指すターゲットがより多くの企業ユーザーのIEからEdgeへの誘導であることがうかがえる。

  • Microsoft SearchとBingの統合
  • Internet Explorer modeのMicrosoft Edgeへの統合
  • Windows Defender Application Guardによる信頼されていないサイト閲覧の保護

 目玉となるのは2つめの「Internet Explorer mode」で、いわゆるInternet Explorerの「Enterprise Mode」をEdge上で実現する。詳細はFAQでも触れられているが、FlashやActiveX、Silverlightなどのプラグインを除く過去のIEの動作を忠実に再現するよう実装が行われており、現状のWindows 10で過去のアプリケーションの互換性を維持するためだけにIE11を起動していたようなケースでも、全てChromium Edgeで代替できる方向で開発が進められている。

 この他、Chromium Edgeのβチャネル版で実装されていない機能でも、順次CanaryやDevのチャネルで追加が行われ、βチャネルへと環流されてくることになる。適時チェックしているといいだろう。

 一方で注意点もある。例えばWindows 10では比較的早期から搭載されていたEdgeブラウザでの「EPUBコンテンツの閲覧機能」だが、Chromium Edgeではサポートされない。Neowinなどが報じているが、2020年に現行のEdge(EdgeHTML)からChromium Edgeに置き換えが行われたタイミングでこの機能は無効化される。

 元々、EdgeでのEPUBコンテンツ閲覧機能はMicrosoft Storeでの電子書籍販売に合わせて実装されたものだが、同サービスは2019年4月に終了しており、購入済みコンテンツに対する返金をMicrosoftでは行っている。同社のプラットフォーム戦略を支援すべく比較的盛りだくさんの機能が投入されたEdgeだが、Chromium Edgeへの移行の中で、近年の同社のエンタープライズ市場への再フォーカスを反映する形で機能が絞られつつあるように思う。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年03月11日 更新
  1. 10万円切りMacが17年ぶりに復活! 実機を試して分かったAppleが仕掛ける「MacBook Neo」の実力 (2026年03月10日)
  2. 新型「MacBook Air」はM5搭載で何が変わった? 同じM5の「14インチMacBook Pro」と比べて分かったこと (2026年03月10日)
  3. 「MacBook Neo」を試して分かった10万円切りの衝撃! ただの“安いMac”ではなく絶妙な引き算で生まれた1台 (2026年03月10日)
  4. 最新Core Ultra X7 358Hの破壊力! 16型OLED搭載で内蔵GPUがディスクリート超え!? Copilot+ PC「Acer Swift 16 AI」レビュー (2026年03月10日)
  5. 「iPhone 17e」実機レビュー! 9万9800円で256GB&MagSafe対応 ベーシックモデルの魅力と割り切り (2026年03月09日)
  6. 自作PCを売却して「Mac Studio」へ ローカルLLMサーバ移行で得られた驚きの“ワッパ”と安心感 (2026年03月09日)
  7. 引き算ではなく「厳選」の1台 実機で分かった「iPhone 17e」が“2026年の本命”になる理由 (2026年03月09日)
  8. Windows 10と11のシェアに起きた2月の“異変”と、“Windows 12”フェイクニュースが生まれたワケを読み解く (2026年03月09日)
  9. Apple「Mac Studio」の512GBメモリ構成が消える 256GBオプションも18→30万円に値上げ (2026年03月09日)
  10. リュック1つで展示会セミナーの音響セット構築レポ 現場で得た“2.4GHz帯混信地獄”を生き抜く教訓 (2026年03月11日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年