PCの新たな可能性を切り開く「Optane Persistent Memory」――「Intel Memory & Storage Day」レポート その2(1/5 ページ)

» 2019年10月21日 12時00分 公開
[鈴木雅暢ITmedia]

 Intelは9月26日、韓国ソウルでメモリやストレージに対する取り組みや技術などを紹介するイベント「Memory & Storage Day」を開催した。

 この記事では、同社の「Optane Persistent Memory」に関するトピックを中心にまとめる。

Intelが提案する新しいメモリ階層モデル

 IntelがMemory & Storage Dayを通じて繰り返し主張してきたのが、メモリ階層(Memory Hierarchy)の再構築の必要性だ。

 現代のコンピュータ(ノイマン型)では、CPUが演算を行うための命令やデータは、記憶装置(メモリ)から送り込まれる。CPUがベストパフォーマンスを発揮するには、CPUの演算性能と同等以上の速度で、記憶装置から命令やデータが送り込まれる状態が理想だ。

 極端なことをいえば、CPUの内部キャッシュのような超高性能メモリをHDD以上の容量で搭載することが理想といえる。しかし、現実的にはそのようなことは不可能だ。そのため、CPUに近い最上層に高性能なメモリ(キャッシュメモリ)を置き、下層に向かって徐々に性能を妥協しつつ、容量を増やしていく――これがピラミッド型の「メモリ階層」だ。

 これまでは、上層からCPUの内部キャッシュ、DRAM(メインメモリ)、NAND SSD、HDDといった階層構造で何とかしのいできたが、それもそろそろ限界に近づいている。データの増大ペースにDRAMの記録密度向上ペースが追いつけなくなりつつあることによる「キャパシティギャップ」や、データ増大に伴う処理性能要求の向上に対しアクセスレイテンシの大きなNANDフラッシュメモリでは対応できない「パフォーマンスギャップ」が生じているのがその理由だ。

 ここでIntelが提案するのが、Intelは「Optane Technology」を軸とした新しいメモリ階層の導入で、そのキーデバイスとなるのがOptane Persistent Memoryだ。

Rob Crooke氏 基調講演の冒頭に登壇したRob Crooke氏(Non-Volatile Memory Solutions Groupシニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャ)。Intelの戦略の概要を語った
従来のメモリ階層モデル データセンターにおける従来のメモリ階層モデル。DRAMとNANDメモリの間には深刻な容量とパフォーマンスのギャップが存在する
メモリ階層が限界に来ている理由(その1) データの増大がコンピューティングパワー、ストレージ容量、ネットワーク性能を押し上げていることが大きな要因だ
メモリ階層が限界に来ている理由(その2) クラウド、AI/リアルタイム分析、IoT(モノのインターネット)、エッジコンピューティングといったメガトレンドが処理するデータ量の増大を後押ししている
Optaneの役割 イノベーティブな「Optane Persistent Memory」と「Optane SSD」はDRAMとNANDメモリの間のパフォーマンス/容量ギャップを埋める
ストレージも、高性能化を要請されている ストレージもより大容量かつ高性能が要求されている。IntelのQLC 3D NANDメモリがそのコストパフォーマンスギャップを埋める
データセンターにおけるメモリ階層モデルの完成形 Intelが考えるデータセンター向けメモリ階層モデルの完成形
クライアントPCのメモリ階層モデル 現行クライアントPCのメモリ階層モデル
クライアントPCのメモリ階層の将来像 Intelが描く、近い将来のクライアントPCのメモリ階層モデル。高コストパフォーマンスのQLC 3D NAND SSDがHDDを置き換えると共に、Optane Persistent Memoryが新しい体験を提供する

 次のページでは、Optane Persistent Memoryの詳細を見ていく。

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