ASRockの「DeskMini A300」は、約1.92Lの小型ボディーにAM4ソケットを搭載することで、コンパクトながらパワフルな性能を楽しめる人気のベアボーンキットだ。さらにM.2スロットだけでなく、2基の2.5インチSSD/HDDを装備できる拡張性の高さも魅力である。本体サイズは、約155(幅)×155(奥行き)×80(高さ)mm、容積では1.92Lと非常にコンパクト。電源は内蔵せず、120WのACアダプターで駆動する。
サイコムでは、このDeskMini A300をベースにさまざまな工夫を施したオリジナルモデル「Radiant SPX2700A300A」を用意している。吸気口部分にマグネットで着脱できる防塵(ぼうじん)フィルターを標準で付属したり、発熱の高いM.2 SSD用にオリジナルのヒートシンクをBTOで追加できたりするのが特徴だ。
搭載できるCPU/APUはGPU内蔵でTDP 65Wまでとなるが、Picasso、Raven Ridge、Bristol Ridge(いずれも開発コード名)と、RyzenからAthlonまで選択肢の幅は広い。アキバでは第3世代Ryzen ThreadripperやRyzen 9 3950XといったハイエンドCPUの話題で持ちきりだが、CPUだけで25万円(税込み、以下同)もするお高いCPUは高根の花という人も多いだろう。
その点、Ryzen 5 3400Gなら4コア8スレッドでも1万9500円前後で済むし、最近では7700円前後と低価格ながら、倍率ロックフリーのAPU「Athlon 3000G」も登場するなど、現実的に手の届きやすいレンジで選択肢が増えている。
Intel製CPUに比べて内蔵GPUの描画性能は総じて高く、ビジネスシーンだけでなくライトなゲームタイトルも楽しめるのも心強い限りだ。そこで、ここではサイコムのPCをベースに4コア8スレッドから2コア4スレッドまで、4つのAPUを用意し、パフォーマンスを計測した。CPUを交換するだけでどれだけの性能差が出るのだろうか。
ベンチマークテストの環境 | ||||
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APU | Ryzen 5 3400G | Ryzen 5 2400G | Ryzen 3 3200G | Athlon 3000G |
開発コード名 | Picasso | Raven Ridge | Picasso | Picasso |
アーキテクチャ | Zen+ | Zen | Zen+ | Zen |
コア数 | 4コア8スレッド | 4コア4スレッド | 2コア4スレッド | |
キャッシュ(L2+L3) | 6MB | 5MB | ||
動作クロック | 3.7GHz〜4.2GHz | 3.6GHz〜3.9GHz | 3.6GHz〜4.0GHz | 3.5GHz |
TDP | 65W | 35W | ||
GPU | Radeon RX Vega 11 | Radeon Vega 8 | Radeon Vega 3 | |
GPUコア | 11 | 8 | 3 | |
グラフィックス周波数 | 1400MHz | 1250MHz | 1250MHz | 1100MHz |
ストレージ | 500GB WD BLACK SN750(WDS500G3X0C) | |||
メモリ | 8GB DDR4 SDRAM(DDR4-2400)×2 | |||
OS | 64bit版Windows 10 Home(1903) | |||
税込み価格 | 1万9500円前後 | 1万6500円前後 | 1万2500円前後 | 7700円前後 |
次のページでは、APUごとにベンチマークテストを実施し、それぞれでの性能を計測する。
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