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» 2020年02月03日 06時01分 公開

Windowsフロントライン:Windows 7の延長サポート終了を迎えてのあれこれ (1/3)

2020年1月14日に延長サポートが終了したWindows 7だが、その前後でさまざまな話題を集めている。それらの中から、興味深いものを見ていこう。

[鈴木淳也(Junya Suzuki),ITmedia]

 Windows 7の延長サポート終了(End Of Support:EOS)が2020年1月14日に宣言されてから日が経ったが、まだ一部に混乱がみられるようだ。今回はそんなWindows 7にまつわる“After All”な話題を集めてみた。

欧州でWindows 7の追加サポート購入に政府が1億円以上出すケースも

 1つめは一部で話題になっていた、ドイツ政府の「Windows 7 Extended Security Updates(ESU)」に関するもの。ドイツの地元紙Handelsblattによれば、ドイツ連邦政府内では現在3万3000台のWindows 7マシンが稼働中であり、ESUを契約しての継続サポートに約80万ユーロ(日本円で約9600万円)の追加投資が必要になる可能性があるという。

 単純計算すれば、80万ユーロの金額を3万3000台のPCで割ると1台あたり24ユーロ程度の金額となり、これはESUにおける1台あたりの最初の1年間にかかるサポート提供費用に等しい(米国では1台あたり25ドルで、金額的には24ユーロとほぼ等価)。つまり、今後どれだけの期間で移行できるかは不明なものの、少なくとも最初の年のサポート問題を乗り切るために、3万3000台分のESUを契約する必要があるという計算だ。

Windows 7 EOS ドイツの首都ベルリンにあるブランデンブルク門

 またHandelsblattによれば、実際に政府内でどのような形でPCを含むシステムが稼働しているかといった全体像が把握できておらず、より深刻な状態である可能性もあるという。把握できている範囲でいえば、例えばベルリン内では全8万5000台のマシンのうち、2万台でWindows 7がいまだ稼働している状況だ。こうしたWindows 7 EOSの問題は以前から把握していたものの、最終的な解決までさらに100万ユーロを超える追加費用が発生する可能性もあるようだ。

 さて、ドイツとWindowsといえば、過去に特定ベンダーの依存を嫌って独自のLinux拡張を行ってシステムを導入したものの、後にサポート費用の増大でWindows環境への移行を発表したミュンヘン市の事例が知られている。

 このミュンヘン市と今回のドイツ連邦政府の件は、いずれもサポートにまつわる問題だったが、別にOSのサポート終了や費用の増大で混乱が起きているのは、何もドイツだけの話ではない。

 例えばZDNetのCatalin Cimpanu氏によれば、アイルランドのHealth Service Executive(HSE)が2020年だけで110万ユーロの追加サポート購入費用に費やしているという話がある。

 Microsoftによれば、Windows 7 EOSを迎える比較的前の段階から大手企業などを中心にESUに関する相談が増えていたといい、やはり分かってはいても大きな組織ほどシステム移行は容易ではないということが改めて分かる。

Windows 7 EOS ミュンヘン中心部のマリエン広場

 次は、Microsoft自身が引き起こしたトラブルだ。

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