恵安「KIPD4K156」は、ノートPCと組み合わせて使える15.6型のモバイルディスプレイだ。USB Type-CとHDMIに両対応するなど昨今のトレンドを押さえつつ、4K解像度(3840×2160ピクセル)に対応していることが最大の特徴だ。
現行のサブディスプレイの多くはフルHD(1920×1080ピクセル)の解像度が一般的だが、本製品は4Kというワンランク上の高精細な表示を実現している。それでいて実売価格は3万円台中盤(3万2000円〜3万6500円前後)と、驚くべきリーズナブルさである。フルHD解像度で実売5万円台の従来製品を滅ぼしかねないプライスだ。
ただし、ここまで高い解像度となると、CPUやメモリ、また電力の消費量において、一般的なモバイルディスプレイとは違った制限がないかは気になるところ。今回は前回までと同じく、ThinkPad X1 Carbon(2019年モデル、以下ThinkPad)を用い、本製品の使い勝手をチェックしていく。
まずは基本的な仕様をチェックしていこう。解像度は前述のように4Kとなっており、実に282ppiというタブレット並みの高解像度だ。
液晶パネルはTFTだ。製品ページでは「光沢」、取扱説明書では「非光沢」と記載がバラバラだが、現物を見る限りではかなり映り込みがあることから、前者が正しいようだ。視野角度は水平/垂直ともに170度となっている。
インタフェースはUSB Type-CとHDMIという、最近のモバイルディスプレイでは一般的な組み合わせだ。ただし本製品は、USB Type-Cでの接続時に制約がつく場合がある。詳しくは後述する。
付属品の中で目を引くのは、ハウジングの形状が異なる2本のUSB Type-Cケーブルが入っていることだ。これは一方がデータ通信用、もう一方が給電用で、チェッカーで確認したところ前者はUSB 3.2対応、後者はUSB 2.0対応品だ。前者を2本付属するとコストがかかるため、電源供給に絞ったローコストなType-Cケーブルを追加したと推測される。
重量は約960gとなっているが、これは本体単体の重量で、付属のスタンド兼用のカバーを装着した重量は実測で約1.5kgとなる。最近のこのクラスの製品はカバーとの合計で1kgを超える製品もあるが、本製品はかなり重い部類に入る。さらにケーブル、充電器も持ち歩く必要があるため、モバイルユースでの利用を考えている人は要注意だ。
続いて、スタンド兼用カバーの使い勝手を見ていく。
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