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» 2020年06月26日 12時00分 公開

短期連載「X1 Carbon(Gen 8)と私」第2回:「ThinkPad X1 Carbon」は3年間でどれだけ進化した? 2020年モデルと2017年モデルを比較する

レノボのフラグシップノートPC「ThinkPad X1 Carbon」に第8世代モデルが登場。その“ほぼ最上位”構成を数回に分けてレビューしていく。今回は、3世代前の“ほぼ最上位”構成とベンチマークテストで性能を比べていく。

[井上翔,ITmedia]

 レノボ・ジャパンが5月29日に発売した新たなフラグシップノートPC「ThinkPad X1 Carbon(Gen 8)」を短期集中レビューするこの連載。前回は、実機の写真を交えて進化点をチェックした。

 Gen 8には第10世代Coreプロセッサ(開発コード名:Comet Lake)が搭載されている。その製造元であるIntelは、2〜3世代前のCoreプロセッサとの比較と共にComet Lakeを紹介することが多い。

 ちょうど、筆者の手元には第7世代Coreプロセッサ(開発コード名:Kaby Lake)を搭載する「ThinkPad X1 Carbon(5th Gen)」がある。3世代前のCPUを搭載する、3世代前の製品だ。

 今回は、ベンチマークテストを通して3世代分の“進化”をチェックする。

ThinkPad X1 Carbon(Gen 8)の実機(日本語キーボード) ThinkPad X1 Carbon(Gen 8)の実機(日本語キーボード)

今回比較する2モデルのスペック

 この連載でレビューしているGen 8(2020年モデル)は「20U9S01N00」というモデルだ。前回のおさらいとなるが、主なスペックは以下の通りだ。

  • CPU:Core i7-10510U(1.8G〜4.9GHz、4コア8スレッド)
  • メインメモリ:16GB(8GB×2)LPDDR3x
  • ストレージ:512GB NVMe SSD(OPAL対応)
  • ディスプレイ:4K(3840×2160ピクセル)IPS液晶
  • キーボード:日本語配列
  • OS:Windows 10 Pro(64bit)
  • LTEモジュール:あり

 一方、比較対象となる5th Gen(2017年モデル)は筆者の私物の「20HRCTO1WW」というカスタマイズ(CTO)モデルだ。前回も述べた通り、ThinkPadのカスタマイズモデルは製品(モデル)番号だけではスペックを特定できない。筆者の個体は以下のような構成となっている。

  • CPU:Core i7-7600U(2.8G〜3.9GHz、2コア4スレッド、vPro対応)
  • メインメモリ:16GB(8GB×2)LPDDR3x
  • ストレージ:256GB NVMe SSD(OPAL対応)
  • ディスプレイ:フルHD(1920×1080ピクセル)IPS液晶
  • キーボード:米国英語(US)配列
  • OS:Windows 10 Pro(64bit)
  • LTEモジュール:あり

 ディスプレイとストレージ以外は、5th Genにおける“最上位”を選択している。ストレージは最小構成とし、現在は512GBのNVMe SSDに換装してある。

2台を並べる 左が5th Gen、右がGen 8。見た目が大きく変わっていないことが、ThinkPadの“強み”でもある

まずはCPU性能をチェック

 5th GenとGen 8の最大の違いは、CPUにある。片や2コア4スレッド、片や4コア8スレッドである。コアの数が倍になっただけでも、それなりの演算能力差があるはずだ。

 そこで、CPUの演算能力を試すべく「CINEBENCH R20」のCPUテスト(マルチコア)を実施することにした。結果は以下の通りである。

  • 5th Gen:584ポイント
  • Gen 8:1674ポイント

 Gen 8は、5th Gen比で約2.87倍のポイントを記録した。コア数の差だけでなく、最大クロック(周波数)の差も影響したものと思われる。

5th Genの結果Gen 8の結果 CINEBENCH R20の結果。5th Gen(左)と比べると、Gen 8(右)はコア数の増加と最大クロックの向上によって約2.87倍の性能向上を果たしている

総合的な性能向上は図れた?

 「世の中、CPU性能だけが全てではない」という声もあるだろう。そこで、ULの総合ベンチマークテストソフト「PCMark 10」を使って日常における使い勝手をスコア化することにした。

 まず、通常のテストを実施した。結果は以下の通りだ。数値は総合スコア、Essential(通常利用における基本性能)、Productivity(オフィスワークの生産性)、Digital Content Creation(写真や動画の編集/製作能力)の順で列記する。

  • 5th Gen:3408/7184/6436/2324
  • Gen 8:3952/7759/6555/3293

 CINEBENCH R20のスコアと比べると、両者の差はそれほど大きくないように見える。ただ、CPUコア数の差が影響しやすいDigital Content Creationでは、1000ポイント近い差が出た。

 写真や動画を扱う機会が多い人なら、5th GenからGen 8への買い換えは十分に“あり”といえそうだ。ただ、言い方を変えれば、写真や動画を扱う機会が少ない人は、まだ“ステイ”で良いということでもある。

PCMarkスコア(5th) 5th GenにおけるPCMark 10(通常テスト)のスコア
PCMarkスコア(Gen 8) Gen 8におけるPCMark 10(通常テスト)のスコア

 ターゲット層を考えるとニーズは少ないかもしれないが、3Dゲーミングに関するテストを追加したExtendedテストも実施してみた。結果は以下の通りだ。数値は総合スコア、Essential、Productivity、Digital Content Creation、Gaming(ゲーミング)の順で列記する。

  • 5th Gen:2410/7525/6357/2260/845
  • Gen 8:2694/6445/6594/3308/1013

 Essentialで数値が落ち込んでいることは気になるものの、その他のスコアはGen 8の方が良好だ。Gamingでは、CPUコアの数が影響する物理演算スコア(Physics Score)が2倍以上に伸びたものの、その他の値の伸びは大きくない。

 CPUコアやスレッドの数がものをいう作業をする場合は、Gen 8に買い換えるメリットは大きくなりそうだ。

PCMarkスコア(5th) 5th GenにおけるPCMark 10 Extendedのスコア
PCMarkスコア(8th) Gen 8におけるPCMark 10 Extendedのスコア

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