Amazonの「Fire」シリーズは、Amazonのコンテンツを楽しむために最適化されたタブレットだ。Androidをベースとした独自OS「Fire OS」を採用しているが、元のAndroidにはない独自の機能や設定項目も多く、デフォルトの状態ではそれらが有効になっていることが多いせいで、予想外の挙動をすることもしばしばだ。
本稿では、Fireタブレットを買ったら早めに設定しておきたい5つの項目について、その具体的な手順を紹介する。既にFireを長く使っているという人は、これらが設定できているかをチェックしてほしい。
今回のTipsは、2020年7月現在の現行機種(Fire 7、Fire HD 8およびFire HD 8 Plus、Fire HD 10)を対象としているが、現行のFire OSが動作する他のモデルについても、ノウハウとして通用するはずだ。
Fireの「ビデオ」は、本体ストレージに空き容量があると、そこにお勧め作品を自動的にダウンロードする「On Deck」という仕組みを搭載している。視聴中作品の次の話数を先読みでダウンロードするのとは異なり、未知のタイトルを断りなくダウンロードし、ストレージにため込んでおく仕様だ。
これらのコンテンツは、実際にそれらを視聴するならばダウンロード時間の節約になるが、興味が全くないジャンルの作品であることもあり、たいていの場合はストレージの無駄遣いになる。ダウンロードの容量は最大でも数GB程度であり、またストレージ容量が必要になれば自動的に削除されるとしているが、そもそもダウンロードするだけでネットワークのトラフィックを消耗することになるので、オフにしておくのがよいだろう。
Fireは、デフォルトではスクリーンセーバー画面に広告が表示される設定になっている。スワイプでロックを解除しようとしてうっかりタップしてしまい、いきなり購入画面にジャンプさせられることもしばしばなので、オフにしておきたいところだ。これらは、Fireの設定画面からはアクセスできず、「広告」アプリでオフにする。
ちなみにFireはKindle端末と違って「広告付きモデル」「広告なしモデル」という区別はなく、広告アプリでロック画面の広告を無効にするだけで済む。広告付きモデルを買ってしまうと後からは広告を非表示にできないKindleユーザーは、それゆえ広告をオフにできないと誤解しているケースも多そうだ。
Fireのデバイス名は、Kindle本などのコンテンツをPC上で購入した時の送信先を識別するための重要な要素だ。デフォルトでは「何台目のFire」といった名前がつけられており、どれがどれかを区別するのが難しい。機種名など、シンプルな名称に変更しておいた方がいいだろう。
ただし、複数台のKindleやFireを所有していると、デバイスの一覧で後ろの方に表示されることもしばしばだ。表示順序が2番目以降だと、Kindle本の購入時やサンプルの送信時にいちいち送信先をプルダウンメニューから選び直さなくてはいけないので、デバイス名の先頭に「.」をつけておこう。こうすれば、常にリストの先頭に表示されるようになり、送信先を毎回選び直さなくてよくなる。
次に、スマートスピーカーとの使い分けや視聴履歴の扱いなどをチェックしよう。
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