Amazonの音声アシスタント「Alexa」の機能の1つに、ビデオ通話機能がある。画面付きスマートスピーカー「Echo Show」シリーズや、スマートフォンにインストールしたAlexaアプリを使い、別の部屋にいる家族を画面上で呼び出したり、実家の親などとリモートでビデオ通話が行えたりする機能だ。
もっとも、Alexaのコミュニケーション機能はこれら以外にも、家庭内の全端末にメッセージをブロードキャストする機能や、留守番電話のようにメッセージを残す機能など多岐に渡っていて、全貌がつかみにくい。製品リリース後に、しばらくしてから追加された機能がほとんどということもあり、Alexaの利用歴が長いユーザーでも理解できていない人は多いはずだ。
今回はこうしたAlexaのコミュニケーション機能のうち、ビデオ通話という用途に絞り、ケースバイケースで機能をどう使い分けるべきかを見ていく。以下では、画面付きスマートスピーカー3製品「Echo Show」「Echo Show 8」「Echo Show 5」をまとめてEcho Showシリーズ(あるいはEcho Show)と称しているので適宜読み替えてほしい。
まずは、ざっとAlexaのコミュニケーション機能を整理しておこう。Echo Showシリーズの「コミュニケーション」を開くと、以下の4つの機能が表示される。
このうち、「アナウンス」と「メッセージ」はいずれも音声を送信する機能で、動画には対応していない。つまりビデオ会話ができるのは「呼びかけ」「コール」の2つということになるが、ではこの両者は何が違うのだろうか。
まず「呼びかけ」だが、同じAmazonアカウントに登録されている別デバイス1台を指定して通話を行う機能だ。実際には別アカウント間でも通話は可能なのだが、事前にお互いを許可する必要がある。後述の「コール」と区別するためにも、「同じアカウントでの通話機能」と考えた方が混乱しなくて済む。
この「呼びかけ」の特徴は、相手側が応答ボタンを押さなくとも、自動的につながってしまうことだ。言うなれば家族がいきなり部屋の中にスッと現れるイメージで、最初はやや面食らう。別アカウントとのやりとりが許可制になっているのも、この仕様からすると当然だ。
イメージ的に近いのは、部屋間の内線電話だ。新型コロナウイルスの影響が続く現在であれば、別室で隔離されている家族とコミュニケーションを取るのに最適だ。相手が応答ボタンを押さなくとも自動的につながってしまう仕様も、相手が寝たきりで体を動かしにくい状況ならば意味を持ってくる。
ちなみに、Alexaアプリを入れたスマホへの発信はできないが、その逆、つまりAlexaアプリを入れたスマホからEchoデバイスへの発信は行える。この場合はモバイル回線を経由しても接続できるので、隔離されている家族の枕元に置いたEchoデバイスを外出先から強制的に呼び出して、容態を尋ねることも可能だ。
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