「DeskMini X300」に最新APUのRyzen 7 PRO 4750Gを突っ込んだDeskMini A300との比較も(2/3 ページ)

» 2020年10月08日 12時00分 公開
[田中宏昌ITmedia]

2種類のメモリクロックでテスト

 まずは、メモリを16GB(2400MHz駆動/8GB×2)の状態でX300とA300を比較した。なお、UEFIの設定はデフォルト設定(Auto)で、ここからのグラフでは緑系のスコアはA300での値を意味するので注意してほしい。

 CGのレンダリングスピードからCPU性能を測定するCINEBENCH R20では、A300で最も高速だった4コア8スレッドのRyzen 5 3400G(Zen+)に対し、現時点で最速のAPUである8コア16スレッドのRyzen 7 PRO 4750G(Zen 2)ではマルチコアで実に2.56倍、シングルコアでも1.23倍に飛躍しており、まさに圧倒している。

 なお、メモリを3200MHz駆動の32GB(16GB×2)に変更したところ、シングルコアはほぼ変わらず、マルチコアも1〜2%の向上にとどまった。

DeskMini X300 CINEBENCH R20のテスト結果。上の2つはX300でのスコア、下2つの緑系はA300でのスコアを意味する

 実際のアプリケーションを使ってシステムの総合性能を見るPCMark 10では、CINEBENCH R20ほどではないが、メモリ16GBの状態でもRyzen 7 PRO 4750Gを搭載したX300が、Ryzen 5 3400G搭載のA300に対して総じて上回った。具体的には総合スコアで9%、Productivityで22%ほど高速になっている。さらに同じAPUのAthlon 3000Gにした状態でもX300の方がおおむね好スコアをマークした。

DeskMini X300 PCMark 10のスコア。16GBメモリ(8GB×2)の場合

 一方、高速なメモリ(32GB状態)にしたところ、X300は元よりA300でもスコアが向上しており、少しでも性能にこだわりたい場合は高クロックのメモリを搭載するのがお勧めだ。

DeskMini X300 こちらは32GB(16GB×2)にしたPCMark 10のスコア。メモリクロックが2400MHzから3200MHz駆動になることでスコアが底上げされているのが分かる

 続いては、APU内蔵グラフィックスの性能を見るべく、3DMarkや「漆黒のヴィランズ ベンチマーク: ファイナルファンタジーXIV」を実施した。後者は「高品質(デスクトップPC)」とし、画面解像度を1920×1080ピクセルと1280×720ピクセルで比べている。

 Radeon RX Vega 11 GraphicsのRyzen 5 3400Gは、GPU SP数が704基で動作クロックが1400MHzなのに対し、Ryzen 7 PRO 4750GのRadeon Graphicsは512基で2100MHz駆動となる。3DMarkではいずれのテストでもX300のスコアが良かった。特にNight RaidではRyzen 5 3400Gに対して約1.5倍、Sky Diverでも約1.25倍と大きな差がついており、フレームレートも60fpsを超えていた。

 ただ、DirectX 12を使用するテスト「Time Spy」やDirectX 11を使用する「Fire Strike」といった内蔵GPUにとって高負荷なテストでは、さすがのRenoir(開発コード名)でも荷が重く、フレームレートは一桁台〜20fps前後だった。

 また、メモリクロックの影響が大きいグラフィックスのテストだけに、より高速なメモリとなる32GBの状態ではそれぞれのテストで確実に上積みがあり、フレームレートを底上げしたい場合は、ぜひ高速なメモリを用意したいところだ。

DeskMini X300 3DMarkのスコア。16GBメモリ(8GB×2)の場合
DeskMini X300 32GB(16GB×2)にした状態での3DMarkのスコア

 ファイナルファンタジーXIVでは、Ryzen 7 PRO 4750Gの1280×720ピクセルで5355の「とても快適」、1920×1080ピクセルでは3035の「やや快適」だったが、メモリを32GBにすると、それぞれスコアが上がって「とても快適」「快適」となった。

 こちらも、メモリを高速化するとスコアの向上が顕著で、フルHDの解像度なら快適に遊べそうだ。

DeskMini X300 漆黒のヴィランズ ベンチマーク:ファイナルファンタジーXIVのスコア(高品質)。メモリは16GBだ
DeskMini X300 こちらはメモリを32GBにした状態のスコア

 次に、気になる騒音について見ていこう。

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