最後に気になる騒音についてだが、CINEBENCH R20を実行しながらiPhoneアプリの「デジベル X」で計測(本体から15cm離れた場所で計測)したところ、X300+Ryzen 7 PRO 4750Gの組み合わせでは最大51.7dBでシステム全体の消費電力は118W、Athlon 3000Gでは42.5dB、48Wだった(UEFIはAUTO設定)。ちなみに、A300+Athlon 3000Gは40.5dBで48Wという値だ。
A300では高負荷時でもあまり気にならなかったノイズだが、X300では搭載するAPUによってファンの風切り音が耳障りに感じる場合もあった。X300になってヒートシンクが大型化したが、静音性を重視する場合はサードパーティー製のファンなどの導入を検討したいところだ。
一方の発熱は手の触れる部分で気になるところはなく、アイドル時の消費電力は10W未満で収まるなど優秀だった。
DeskMini X300となって、最新APUをサポートし(A300でサポートしていたBristol Ridge世代のAPUは非対応)、パフォーマンスアップも期待通りの仕上がりだ。最大64GBのメモリや4台のストレージを収納可能という高い拡張性をA300から継承しつつ、最新世代のRyzen PRO 4000Gシリーズに対応しながら、価格が税別1万9880円とA300登場時と変わらないのもうれしいところだ。
同時発売となる第10世代Core対応の「DeskMini H470」に対して、内蔵GPUの性能を含めて性能は期待できる。X300では、インタラクティブUEFIでAPUやGPU、そしてメモリのクロックも細かくチューニング可能で、その点でも追い込む余地があるのは魅力だ。ただし、Ryzen PRO 4000GシリーズはAPUの倍率にロックがかけられており、消費電力の面からはRyzen 7 PRO 4750Gでのオーバークロックは避けた方が無難だろう。
いずれにせよ、小型で高性能、しかも柔軟性の高いモデルとしてA300と同様、長く人気を保つ1台と言えそうだ。
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