税込み2500円の低価格ネットワークカメラ「ATOM Cam」+Echo Showで監視システムを作って分かったこと山口真弘のスマートスピーカー暮らし(2/2 ページ)

» 2020年10月21日 12時00分 公開
[山口真弘ITmedia]
前のページへ 1|2       

音声コマンドは「見せて」「隠して」

 では実際に使ってみよう。

 本製品の映像をEcho Showで見るには「(カメラ名)を見せて」と呼びかければよい。これは本製品に限らず、他のAlexa対応ネットワークカメラでも同じだ。「開いて」ではエラーになるので要注意といえる。

 カメラ名については、セットアップ時に付けた製品名の「ATOM」でも構わないが、一般的には部屋名で呼び出すのが無難だろう。これは複数台設置した時に「子供部屋を見せて」「リビングを見せて」といった具合に、場所で指定できるようになるからだ。

 表示できるのは、現在撮影しているリアルタイムの映像のみで、画角も完全固定だ。これはカメラがパンチルト非対応だからではなく、Echo Show側にコントロールのためのオプションがないからだ。パンチルト対応の他社カメラも画角は固定になるので、本製品側の問題ではない。

Atom Cam カメラを呼び出し中。数秒〜十数秒程度かかる
Atom Cam 映像が表示された。画質などの設定はAlexa上ではなく、本製品の設定アプリから行う

 やや気になるのが映像の遅延だ。ネットワーク経由の伝送ということで、遅延ゼロでの表示は元より難しいのだが、他社製品では同一環境でせいぜい遅延は5秒以下のところ、本製品は十数秒もの遅延がある。さすがにこれではモニタリング目的で使うのは厳しい。

 そこでATOMのスマホアプリを開き、画質の設定を「HD」から「360P」に変えたところ、遅延が10秒を切る程度まで短縮された。アプリで映像を表示する場合の遅延は1〜2秒なので差は依然としてあるが、このレベルなら使えなくはない。遅延でひどく困ったら、まずはATOMアプリの側で、設定を変更してみることをお勧めする。

 このことからも分かるように、カメラの画質、180度回転、さらにはナイトビジョンなどの設定は、ATOMアプリで行った設定がそのまま反映される。もともとスマホアプリで視聴する映像をEcho Showで割り込んで見ている格好なので、これは当然だろう。本製品に限らないが、何か設定を変えるには、Alexaアプリではなくカメラのアプリをチェックするとよい。

Atom Cam 画質はATOMの設定アプリ上で切り替える(左)。この他、ナイトモードや180度回転もこのアプリ上で切り替えられる(右)

 なお、表示を終了する場合は「カメラを非表示にして」と呼びかける。普通に考えると「カメラを終了して」「カメラを消して」あたりが妥当だが、これらは受け付けられない。「終了して」だと、いかにもカメラの電源に干渉してオフにするように解釈できるので、そうではない(=映像を見せなくするだけ)という意味なのだろう。

価格も安く、Echo Showを使った監視カメラシステム構築に適する

 以上のように、スマホのロックを解除してアプリを起動する手間をかけなくとも、手元にあるEcho Showに一声かけるだけでカメラの映像が見られるのは便利だ。遅延があるため、カメラ経由のリアルタイムでのコミュニケーションは望み薄だが、室内の様子をざっくりと見る目的ならば問題なく使える。

 パンチルトには非対応だが、そもそも対応であってもAlexaからのコントロールはできず、コントロールの自由度が高すぎると外部からののぞき見も心配だ。例えば他社のパンチルト対応製品は、スマホからの操作で水平方向に360度回転できるが、仮にアクセス権限が乗っ取られた場合、室内がのぞき放題となる。本製品は画角固定なので、その心配もない。

 気をつけたいのは、本製品はAlexaのみ対応で、Google Homeに非対応であることだ。ホームページでは「対応予定」とされているが、しばらく更新がなく、不透明なままだ。本製品の元になったとみられる海外製品は既にサポートしており、技術的には問題なく対応できるはずだが、他製品と比べた場合、この点はネックになるだろう。

 ともあれ低価格な製品ということで、ホームユースでなるべく予算をかけずに、Echo Showを絡めた監視カメラシステムを構築するにはうってつけだ。既に本製品を入手済みの人も、Alexaと連携させてどのような用途で使えるか、実際にチェックしてみてはいかがだろうか。

Atom Cam 本製品の付属品一覧。取り付け用の金具類が充実している
前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年05月10日 更新
  1. 新型「iPad Pro」がM3チップをスキップした理由 現地でM4チップ搭載モデルと「iPad Air」に触れて驚いたこと (2024年05月09日)
  2. 個人が「Excel」や「Word」でCopilotを活用する方法は? (2024年05月08日)
  3. M4チップ登場! 初代iPad Proの10倍、前世代比でも最大4倍速くなったApple Silicon (2024年05月08日)
  4. Core Ultra 9を搭載した4型ディスプレイ&Webカメラ付きミニPC「AtomMan X7 Ti」がMinisforumから登場 (2024年05月08日)
  5. iPad向け「Final Cut Pro 2」「Logic Pro 2」登場 ライブマルチカム対応「Final Cut Camera」アプリは無料公開 (2024年05月08日)
  6. パナソニックがスマートTV「VIERA(ビエラ)」のFire OSモデルを6月21日から順次発売 Fire TVシリーズ譲りの操作性を実現 (2024年05月08日)
  7. SSDの“引っ越し”プラスαの価値がある! 税込み1万円前後のセンチュリー「M.2 NVMe SSDクローンBOX」を使ってみる【前編】 (2024年05月06日)
  8. これは“iPad SE”なのか? 新型iPadを試して分かった「無印は基準機」という位置付けとシリーズの新たな幕開け (2022年10月24日)
  9. NECプラットフォームズ、Wi-Fi 6E対応のホーム無線LANルーター「Aterm WX5400T6」 (2024年05月09日)
  10. マウス、モバイルRyzenを搭載した小型デスクトップPC「mouse CA」シリーズを発売 (2024年05月08日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー