では、実際に使ってみよう。Echoでタイマーをセットし、カウントダウンが始まると、本製品に残り時間が転送され、LEDによるカウントダウンが開始される。残り1分を切るまでは分単位、残り1分を切ると秒単位でのカウントダウンに切り替わる。
カウントの残りがゼロになると、LEDが何度か点滅したあと消灯する。本製品はあくまで残り時間を表示しているだけなので、本製品側で何らかのボタンを押してアラームを止めたり、音声で呼びかけて止めたりするギミックはない。アラームの停止操作は、通常通りEcho本体で行うことになる。
以上のように、本製品のメリットは残り時間の可視化だが、もう1つ、複数のタイマーを同時にセットしている場合に、それらをまとめて表示できる便利な機能も備える。
以下は3分、14分、30分のタイマーを同時にセットした状態だが、もっとも短い3分のタイマーのみ通常通りの表示で、14分と30分のタイマーは、該当する時間のところにだけLEDが点灯する。3分のタイマーが終わったら、次に短い14分のタイマーが通常の表示に戻る仕組みだ。少々ややこしいが、見方を覚えればすぐに慣れる。
本製品は、Echoを通じてでしか時刻合わせができないなど、Echoデバイスではなく、Echoデバイスの周辺機器という位置付けの製品だが、セットアップを終わらせた後、Echoの電源をオフにするとどうなるのだろうか。
実際に試してみたところ、Bluetoothが接続されていないことを示す青いLEDは点滅するものの、時刻表示そのものはその後も継続された。そのまま半日ほど放置してみたが、この状態は変わらなかった。従って、停電などのトラブルで一時的にEchoが使えなくなっても、時刻表示そのものができなくなる心配はなさそうだ。
またAlexaアプリからBluetoothの連携を解除し、どのEchoにもひもづいていない状態になった場合も、時計表示は引き続き利用できる。連携を解除した瞬間に初期化されることはないので、別のEchoデバイスにひもづけ直す場合も安心だ。
以上が本製品の機能だが、最後にいくつか気になった点を挙げて本稿の結びとしたい。
1つは、時計で表示できるのが「時」「分」だけで、「秒」は表示できないことだ。一般的な壁掛け時計では、1秒毎に秒針が動く「ステップ秒針」か、それとも滑らかに秒針が動く「連続秒針」かという違いはあっても、秒針そのものが省略されている製品は少ない。壁掛け時計として使うに当たり、この仕様になじめない人はいそうだ。
もう1つは、ネットワーク上に複数のEchoがあっても、タイマー機能と連動するのはあくまでも1台のEchoに限られることだ。室内に2台のEchoがあり、タイマーのカウントダウンを開始したのがたまたま連携していない側のEchoだった場合は、本製品で残り時間は表示されない。
もともとEchoのタイマー機能は個々のEcho上で動作するもので、複数台での共有は行えないことに加え、本製品はBluetooth経由で1対1で接続する仕組み上、複数のEchoと同時に連携できないのは当然だ。とはいえ、Echoを複数設置している環境では、うっかり別のEchoでカウントダウンを開始してしまい、本製品に表示されないミスは、容易に起こりうる。
解決策があるとすれば、タイマーを使うEchoだけを別のウェイクワードに変更しておき、タイマー利用時はそのウェイクワードで呼びかけるくらいだろう。普段から複数のEchoでタイマー機能を使っているユーザーは要注意だ。
そして最後に言及しておきたいのは、本製品のデザインだ。世界的に有名なキャラクターにケチをつけるつもりは毛頭ないが、部屋の雰囲気に合わない、自分の趣味に合わない人は少なくないだろう。キャラクターを採用しているからといって、キャラクターの声でお知らせしてくれるギミックがあるわけでもない。
現時点で本製品は、このデザインしか発売されておらず、米国で発売されているモノトーンデザインのモデルは、日本では入手できない。5980円という価格はやや割高とはいえ、機能自体は有益なだけに、ラインアップの追加は早期にお願いしたいところだ。
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