VESAマウント対応で実売2万円台前半のモバイルディスプレイ「CIO-MBMN1080P」を試すモバイルディスプレイの道(2/2 ページ)

» 2021年01月05日 12時00分 公開
[山口真弘ITmedia]
前のページへ 1|2       

実は珍しい? 機能差がない2つのUSB Type-C端子を装備

 本製品は、USB Type-CとHDMI、2種類の接続方式に対応している。この2系統の接続方法を用意しているのは、昨今のモバイルディスプレイでは普通だが、本製品が珍しいのは、2つあるUSB Type-C端子のどちらでも映像信号の伝送が行えることにある。

 一般的に、USB Type-C端子を2基備えている場合、一方は信号伝送に対応しない電力供給専用であることが多い。本製品はどちらの端子も信号伝送に対応するため、他社製品のようなケーブルの挿し間違いが起こり得ない。ちょっとしたことだが、普段のストレスを減らす効果はあるだろう。

 本製品は、HDMIケーブル、USB Type-Cケーブル、USB TypeA→Cケーブルに加えて、USB電源アダプターも付属することから、コンセントから給電する場合も、USB充電器を買い足す必要がない。こうした付属品の充実ぶりはプラス評価だ。

CIO-MBMN1080P 2基のUSB Type-C端子は、どちらも映像信号伝送に対応する。他にmini HDMI端子も搭載する
CIO-MBMN1080P 接続先は画面右上にも表示される

 ただし、ちょっと困ったことに、本連載でこれまで使用しているThinkPad X1 Carbon(2019)は、USB Type-Cではケーブル1本で表示できず、もう一方のUSB Type-C端子を経由しての、外部電源からの給電が必須だった。

 その他のデバイス、具体的にはiPad ProおよびSurface Go 2ではいずれもUSB Type-Cケーブル1本での給電および映像表示に対応できたので、単純に電力が足りないだけのようだが、これまでなかった症例だけに若干の不安は残る。

CIO-MBMN1080P 本連載で、これまで使用しているThinkPad X1 Carbon(2019)はUSB Type-C接続では表示できなかった
CIO-MBMN1080P もう1つのUSB Type-C端子から給電すれば問題なく表示できる。外部電源に接続した場合も、またThinkPad X1 Carbon(2019)のUSB端子から給電した場合も同様だ
CIO-MBMN1080P 斜め方向から見たところ。IPS方式の液晶だが、やや暗くなりがちな傾向がある

 さて、これらHDMIおよびUSB Type-C端子は、全て本体の右側面に並んでいる。本製品をノートPCの右側に並べる場合には、反対側からケーブルが伸びることになるが、この方が(ノートPCの左側面にUSB Type-C端子がある前提ならば)ノートPCに本体をぴったり寄せられるので便利だろう。

 一方の左側面には、メニューを操作するためのダイヤルと、「戻る」キーを兼ねた電源ボタンが搭載されている。この他に、3.5mmのイヤフォンホンジャックも用意されており、本体内蔵のスピーカー(1W×2)と使い分けられる。

 メニューのインタフェースや項目は至って一般的だ。最近のはやりであるブルーライト低減モードも用意されている。音量調整は、独立した物理ボタンとしては用意されておらず、メニューの中から操作することになるのは、階層の深さを考えるとやや面倒だ。

CIO-MBMN1080P 接続端子が右側面にあるため、ノートPC側の端子が左側面にあると写真のようにケーブルが背面を横断する形になるが、ノートPCと隙間なく並べるには好都合だ
CIO-MBMN1080P 起動中は左側面の電源ボタン下にあるLEDが点灯する
CIO-MBMN1080P メニューは見やすく、階層も分かりやすいが、ジョグダイヤルの操作性はいまひとつだ
CIO-MBMN1080P 最近の製品では定番となりつつある、ブルーライトカット機能も備えている
CIO-MBMN1080P ボタン配置が別の面にアイコン表示されているのは、反対側の面から見た時も分かりやすくてよい

仕様は玄人好み。実売2万円台前半で買えるのは利点

 以上のように、スペック面では突出した特徴こそないが、2基あるUSB Type-C端子に機能差なく使えたり、またVESAマウントが利用できたりするなど、他社の製品にない細かな使い勝手が光る。玄人好みの製品といっていいだろう。

 それだけに、今回組み合わせたThinkPad X1 Carbon(2019)とケーブル1本で動作しなかったのはやや気になるが、販売元に問い合わせたところ、同社内で使用しているPCで検証した限りでは、同様の症状はないとのこと。とはいえDisplayPort Alternate Modeでの動作可否については、可能な範囲でその結果を公開してもらった方が、ユーザーとしては安心できるだろう。

 その上で、という条件はつくものの、実売2万円ちょっとという価格は、この手の製品としては非常にお買い得だ。Amazonなどでよく目にする、素性の知れない海外製のモバイルディスプレイに手を出すよりは、国内事業者が企画する本製品の方が、取り扱い説明書も日本語ということで、よほど信頼はおける。4K表示は不要、タッチ対応が必要ないユーザーにとっては、候補の上位に来る製品と言えそうだ。

CIO-MBMN1080P ベゼルはかなりスリムな部類に入る。幅は実測で約5.5mmだった
前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年04月25日 更新
最新トピックスPR

過去記事カレンダー