Alexaデバイスでスマートホームデバイスをタッチで操作できる画面は、今回紹介したFireのデバイスダッシュボードが初めてというわけではない。よく似た画面は他にもいくつかある。
1つは、Fireを「Showモード」に設定している状態で、画面を右から左へとスワイプした時に表示されるショートカット画面だ。こちらはアイコンがカラフルで分かりやすい反面、階層が深いことから手間がかかる。またタブレットモード時は利用できない。
そのため、タブレットモード時はデバイスダッシュボード、Showモード時は左スワイプで表示されるショートカットといった具合に、各モードごとに使い分けるのが妥当だ。ちなみにこのデバイスダッシュボードの方がアイコンは小柄で、多数のデバイスを接続している場合の一覧性は高い(ただし視認性は劣る)。
もう1つ、Alexaアプリの「デバイス」画面も、このデバイスダッシュボードとよく似た画面だ。ただしこちらは「カテゴリ」と「グループ」での表示に限られており、このデバイスダッシュボードのような、よく使うデバイスをピン留めするような機能はない。階層も深いので、呼び出しやすさという点でもデバイスダッシュボードが有利だ。
ただし、デバイスダッシュボードはあくまでも、デバイスの操作を簡単に行うためのもので、デバイス自体の追加や変更は行えない。それらを行いたければ、Alexaアプリを使うことになる。
以上のように、類似の機能と比べてみると、
というのが、デバイスダッシュボードの特徴であることが分かる。特にホーム画面からすぐ呼び出せるのは大きなメリットで、これがあるからこそFireタブレットを使おうとする人は今後出てくるはずだ。
とはいえ、まだ発展途上の印象は否めない。中でもアイコンは配色も同じで見分けがつきにくい他、オンとオフも反転表示させただけで分かりづらい。アクセシビリティーを意識しているのかもしれないが、その割にピン留めのピンだけは無駄に色がついていたりと、どうも一貫性がない。
ちなみにGoogleのスマートディスプレイ「Google Nest Hub」にも類似の機能はあるが、そちらの方が圧倒的に見やすい。本製品も、ジャンルごとに色分けしたり、オンの状態ではいかにもアクティブであることが分かる配色を採用したりすれば、直感的に把握しやすくなりそうだ。
また、ピン留めの数を減らせないのもネックだ。例えばFire HD 8の場合、アイコンが横に4つまで並べられるので、利用頻度が高いものから4個、もしくは(2段使って)8個並べたいのだが、どれだけ数を減らしても最近使ったデバイスが自動的に追加され、アイコンは9個以上に増えてしまう。これは現状、回避策はないようだ。
以上のように、音声での操作ができない時に便利なツールなのは間違いないが、現状では急いでリリースしただけの、いわばモックアップに毛が生えたレベルだ。機能自体は有用なので、半年後〜1年後に、見違えるように進化していることを期待したいものだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.