3月5日、VAIOのフラグシップノートPC「VAIO Z」の新モデルが4年ぶりに登場する。ITmedia PC USERでは以前、その外観的な特徴を解説する記事を掲載している。
新しいVAIO Zは、Intelの新型CPU「Core H35プロセッサ(開発コード名:Tiger Lake-H)と」、PCI Express 4.0接続の高速SSDを搭載している。これらは、ノートPCとしての快適さにどのようなメリットをもたらすのだろうか。Web通販限定の最上位モデル「SIGNATURE EDITION」の実機(製品版)を通してチェックしていく。
新しいVAIO Zのストレージは「第四世代ハイスピードSSD」だ。一般的な言い方に直すと、PCI Express 4.0接続の超高速SSDを採用している。シーケンシャル(連続)読み出し速度は、毎秒6GBを超えるという。
今回レビューする本体には、Samsung Electronics(サムスン電子)製のSSD「PM9A1」の512GBモデル(MZVL2512HCJQ-00B00)が搭載されていた。公称スペックはシーケンシャル読み出しが毎秒6900MB、シーケンシャル書き込みが毎秒5000MBとなっている。
公称スペックの時点でかなりの高速ぶりだが、実際の速度はどれほどなのだろうか。ストレージのベンチマークソフト「CrystalDiskInfo 8.0.1」を使って速度を計測してみよう。同アプリの標準設定のままテストを実行すると、以下のような結果となった。
シーケンシャル書き込みはいくらか公称値よりも遅いが、それでも非常に高速である事実は変わらない。思わず「速っ」とつぶやいてしまったほどだ。これなら、OSやアプリの起動はもちろん、写真や動画の編集、書き出しも快適だろう。
VAIO Z SIGNATUE EDITIONには「Core i7-11375H」というCPUが搭載されている。このCPUはCore H35プロセッサの「スペシャルエディション」という位置付けで、動作クロックは3.3GHz〜5GHz、4コア8スレッドという構成となっている。
Core H35プロセッサのTDP(熱設計電力)は、28〜35Wの範囲で設定される。その高いポテンシャルを存分に発揮するためには、より強力な放熱機構が欠かせない。その点、前回も触れた通り、VAIO Zではデュアルファンと太いヒートパイプからなる強力な放熱機構を備えている。この機構とVAIO独自のチューニング技術「VAIO True Performance」を組み合わせることで、TDPの最大値(35W)、つまりCPUの最大性能をより長く引き出せるようになっているという。
……と言葉で説明するのは簡単だが、その効果はいかほどのものだろうか。ベンチマークテストを通してチェックしてみよう。今回テストを行うVAIO Z SIGNATUE EDITIONの主なスペックは以下の通りだ。
バッテリーの持続時間以外のテストは、Windowsの電源設定を「最も高いパフォーマンス」とした上で実行している。
まず、レンダリングを通してCPUのパフォーマンスを確認する「CINEBENCH R23」を実行してみた。結果は以下の通りだ。
通常の第11世代Coreプロセッサ(開発コード名:Tiger Lake)と比べると、マルチもシングルもスコアが高い。稼働クロックの高さが奏功したものと思われる。
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